Moblinは新しいユーザー体験を与え、ビジネスモデルを形成していく——Jim Zemlin氏 | RBB TODAY

Moblinは新しいユーザー体験を与え、ビジネスモデルを形成していく——Jim Zemlin氏

 東京・秋葉原で「Moblinセミナー」が開催され、The Linux FoundatinのJim Zemlin氏が基調講演を行った。

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Jim Zemlin氏
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  •  東京・秋葉原で「Moblinセミナー」が開催され、The Linux FoundatinのJim Zemlin氏が基調講演を行った。
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 東京・秋葉原で「Moblinセミナー」が開催され、The Linux FoundatinのJim Zemlin氏が基調講演を行った。

 「証券取引所、航空管制、ATMなど全てLinuxベースで動作しているものは、ユーザーはLinuxを使っていると認識しているわけではない」「景気が後退しているなかで、Linuxは急成長している。1ヵ月前には、市場調査会社がLinuxの市場予測を上方修正した」と、Zemlin氏はLinuxの現状について紹介した。

 Zmlin氏はLinux市場は今後ますます優位になっていくとの見解を示した。氏によると、現在業界で関心が高まっているのはハードウェアフォーカスよりもソフトウェアフォーカスな視点だという。ひと昔前は、携帯電話の機能、パソコンの機能といった単一デバイスに興味が向いていたが、現在は2以上の異なる機能が単一デバイス上で活用できる“コンバージェンス”が起きている。氏はiPhoneを例に挙げ、携帯端末がPC並みの力をもつようになってきており、PCと携帯系の業界がひとつになっていると紹介した。このコンバージェンスの世界で価値を生むのはソフトウェアだという。

 一方で、こうなると「デスクトップとは何か?という再定義が必要になってくる」。Zemlin氏は「良質なものをユーザーに提供するのは何か?スマートフォンなのか?MIDなのか?ブラウザなのか?あるいは自動車なのか?誰にも正解はわからない」とした上で、「ひとつ明確なのは、ほとんどすべてがLinuxベースになっていくということだ。どういったコミュニケーションの形態であろうが、どんなデスクトップであろうが、十中八九Linuxベースになるだろう」と断言した。

 その理由として挙げたのが、Linuxが形成していくビジネスモデルだ。現在のビジネス構造は、OSのライセンスがデバイスメーカーに与えられ、デバイスメーカーはランセンスコストをバンドルして消費者に販売する。また消費者にとってはOSの上で動く動くアプリケーションに価値があり、アプリケーションの提供者は“おいしいところ取り”の状態になっているという。ところが、現在主流になりつつあるビジネスモデルは、iPhoneのようなビジネスモデルになる。ここでは、デバイスメーカーは消費者への直接販売にはかかわらず、キャリアが消費者に販売する(キャリアもディストリビューターとして参画する)。アプリケーションはアップルの承認を得なければならず、売上利益の一部を渡さなければならない。Linuxのモデルでは、デバイスメーカーはロイヤリティーをOSサイドに支払う必要がなく、しかも独自のOS名称でブランド価値を上げることができ、カスタムメイドのサービスを提供できる。オリジナルのAppStoreを作ることもできる。

 これらのトレンドに対してブレイクスルーとなるのがMoblinだという。Moblinはデバイスメーカーに開発しやすい環境を与え、コスト効率の良さを提供するという。

 そのとつがインテルが提供するBSPの活用だ。「インテルはは、Linuxのカーネル、ミドルウェア、リッチUI、3Dアニメーションなど機能を全て搭載したBSP(Board Support Package)を提供している。これにより、ベンダーは簡単にカスタム化し、基盤上の付加価値に照準を合わせることができる」。

 また、ビジネスを効率よく展開していくには共通化されたコンポーネントを用意することが重要だが、Moblinはさまざまな製品に対して適用できるとアピールする。「あるコンシューマエレクトロニクスメーカーの役員は、企業内に様々なプロダクトラインを抱え、異なるOS、異なる事業部がかかわり、やっとひとつの製品を作り上げていた。このビジネスはあまりにも高価につきすぎる」「それを解決する解がMoblinで様々なプロダクトに展開していくことが可能だ」。


 Moblinでは新たなユーザー体験を提供することできると強調する。「ウェブサービスを統合してSNSの機能をひとつのものとして提供したり、Clutterによって新しいリッチフレームワークを提供できる」。そしてこれらはカスタマイズ可能で、ブランド価値を付加することができる。

 Zemlin氏は、Moblinのメリットのまとめとして、ウェブサービスをリッチ体験に集約、オープンソースプロジェクトとして既に存在しているプロジェクトを活用可能、ビルドインされた開発コミュニティー、などを挙げた。「Moblinは様々なデバイス、すなわち自動車、MIDなど様々なもので機能するようになる。そして、そこには統合されたウェブサービスがあり、AppStoreも作りやすくなっているだろう」と強調。アプリケーションは数百が登場し、約12のデバイスができて、ひとつの経済領域としてビジネス展開ができるようになるとの見通しを語った。
《小板謙次》

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