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あの名門校も導入——お母さんが発案した子ども安全連絡網

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NTTデータ ソリューション&テクノロジー事業推進部 FairCast推進室の住田典子氏
  • NTTデータ ソリューション&テクノロジー事業推進部 FairCast推進室の住田典子氏
  • メール配信での情報共有の妥当性
  • メール配信での情報共有の妥当性
  • 単一メディアでの情報共有の限界
  • 多メディアでの情報共有による利便性
  • 学校法人暁星学園 事務長の齋藤琢朗氏。暁星学園では新型インフルエンザ対策として、子ども、教職員、関係や用にマスクやゴーグルを備蓄しているという
  • 導入経緯
  • 登録状況
 学校の緊急連絡網の電話連絡で、「時間がかかって間に合わなかった」「誤った内容で伝達された」「自分まで回ってこなかった」といった経験はないだろうか。個人情報が施行された2005年以降は、電話連絡網そのものを廃止した学校も多数あるという。その一方で、子どもが犠牲となる痛ましい事件、新型インフルエンザの発生などにより、子どもの安全を守るための学校と保護者の情報共有の必要性が、高まっている。

 こういった問題点をPTA役員の経験を通じて肌で感じた、NTTデータのママさん社員である住田典子氏が“子どもの安全と保護者の安心を実現する”ことを目的に発案し、同社の技術力が実現したのが、メール・電話(音声)・FAXへの一斉連絡網サービス「FairCast - 子ども安全連絡網」だ。6日、住田典子氏とFairCastを導入した学校法人暁星学園・事務長の齋藤琢朗氏による、同サービスのセミナーが開催された。 

 FairCast(フェアキャスト)の主な特長は、メール・電話(音声)・FAXへの一斉連絡が可能で、ほぼすべての保護者のニーズに合った連絡手段をカバーできる公平性、低価格(1ID年間630円など)、送達確認や追いかけ連絡が行える確実性、個人情報を学校側が確認できない秘匿性だ。複数の連絡手段で15分おきの追いかけ連絡を3回まで行うために、メールのみの単一メディアによる連絡システムに比べ、格段に伝達性が向上する。

 たとえば、「第1連絡先:母親の携帯メール」「第2連絡先:祖父母の固定電話」「第3連絡先:母親の職場のFAX」を指定することにより、母親が携帯メールを確認できなかった場合には、祖父母が内容を確認して(子どもの迎えなどを)対応、母親は職場に届いたFAXで内容を確認する、といったことができ、時間を無駄にせず、確実な対応が可能となる。働く母である住田氏は、「一番に知りたい母親が、一番に対応できるというわけではないのです」と指摘する。

 FairCastは4月現在、約350校・15万家庭(ID)で利用されており、その後も、新型インフルエンザの流行もあり、問合せおよび採用が急増しているという。住田氏によると、2006年7月にスタートした同サービスは口コミで評判が広まり、2007年には約1万5,000家庭が利用、2008年には3倍の4万5,000家庭、そして2009年4月にはさらに3倍以上の15万家庭と順調に推移しているという。なお、私立学校は学校単位での導入となるが、公立では市区町村の教育委員会単位での導入となるケースが多く、現在は、導入校の約7割を公立が占めているという。

 同サービスは学校以外での活用の可能性も考えられるが、NTTデータでは保護者向けに低価格で提供しているため、現状は、企業への提供は考えていないとする。住田氏によると、「FairCastは保護者を対象としたサービスであるため、学校や幼稚園、保育園、学童保育のほかに、実績はないが塾への提供も可能」という。こうしたところにも、住田氏の“子どもの安全と保護者の安心を実現する”ことへの想いがうかがえる。

 続いて、FairCastを2006年にいち早く導入した、学校法人暁星学園 事務長の齋藤琢朗氏が、「新型インフルエンザ発生時の暁星学園における対応とFairCast活用について」説明した。暁星学園は、今年で創立121年を迎える、カトリックマリア会の私立男子校。幼稚園から高等学校までが東京都千代田区に位置し、約1,900名の生徒・児童・園児、約130名の教職員を抱える。

 同校では2006年12月に中高教職員に、2007年1月に中1から高2までの保護者に、同4月には新中1の保護者に導入、2007年6月には小学校の保護者・教員に導入したという。FairCast採用の決め手は「システムの企画内容のほか、NTTデータのブランド力、料金、登録媒体の多様性、個人情報の扱い、登録方法、教員の負荷軽減、送信場所」と齋藤氏は説明する。

 飯田橋および九段下駅が最寄り駅の同校には、遠くは高崎市や静岡市から通う生徒がおり、従来の緊急連絡方法では、連絡が間に合わない生徒が出ることが懸念される。そこで、早く確実に情報伝達を行うことにより、子どもたちの安全と保護者の安心を守ることを目的に、同校ではFairCastを活用している。とはいえ暁星学園では、プリント配布等による保護者・生徒への説明は従来通りに行い、FairCastはいつでもどこからでも保護者に連絡ができる「お守り」と位置付ける。便利なシステムに頼り切らずに、従来通りの手法も大切にする、同校の姿勢がうかがえる。

 同校の2009年6月の登録状況によると、第1連絡先としてはメール85.6%、固定電話9.3%、携帯電話4.3%、FAX0.8%、第2連絡先(最初の追いかけ連絡)でもメールが83.2%ともっとも多く、第3連絡先では携帯電話44.9%、第4連絡先では固定電話31.7%がもっとも多く指定されている。

 同校では2008年4月から2009年6月まで、2回のテスト配信のほか、台風による休校、予防接種に関する情報、学級閉鎖、保護者会変更、新型インフルエンザ対策などにFairCastを活用している。長崎で今年3月に実施した小学校の修学旅行で、羽田空港到着が遅れた際には、校長が長崎空港で携帯電話のフルブラウザを利用して、保護者への連絡を行ったという。

 暁星学園はサッカーの強豪校としても知られているが、齋藤氏は「これまではあまり良い連絡には使ってこなかったが、たとえば、サッカーの応援に国立競技場に集合といったことに使えると良いと思う」と、FairCastの手軽さゆえの利用アイデアを紹介した。

 FairCastは学校規模にかかわらず、1IDあたり、504円/年(基本料金)+利用分を後払いする「プランゼロ」、630円/年(基本料金+通信ポイント10)の「プラン10」、880円/年(基本料金+通信ポイント30)の「プラン30」を基本プランとして提供され、通常連絡には1通信ポイント、追いかけ連絡には3通信ポイントが消費される。通信ポイントは前払いの場合は12.6円/ポイント、後払いの場合は15.8円/ポイントで、利用頻度に合わせて自由に設定することも可能だ。
《編集部》
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