NECのSaaSサービスは、NECもしくはパートナー企業が提供するアプリケーションからなるアプリケーションマネージド領域と、企業向けのNECSaaS基盤サービス、個人向けのNECビッグローブプラットフォームサービスからなるプラットフォームマネージド領域の2つの領域から構成される。後者はPaaS(Platform as a Service)と呼ばれることもあるようだ。また、「このサービスとこのサービスがいっしょになったら使えるんだけどな」という顧客の声に応えるため、各社のサービス管理情報の仕様を共通化し、サービス間の連携を重視していく方針だ。セールスフォースやオラクルなど他プラットフォームとの連携も検討しているという。このようにメンテナンスが容易で拡張性も高いSaaSアプリを導入することで、企業は社内システムの運用に忙殺されているIT部門の人材を、本来の業務である企画や開発などに向けることができるという。
NECは自社の基盤サービス「RIACUBE / SP」を利用してSaaSアプリケーションを開発するパートナー企業に対しSaaSBIP (SaaS Business Innovation Program)と呼ばれるパートナー支援プログラムを用意している。参加企業には体系的な販促・技術面でのサービス/サポートが提供されるという。現在、約40社の企業が参加しているが、「今後もSFAやBI分野のすぐれたパートナーと連携していきたい」と意欲を語った。
続いてプラットフォーム領域の事例として、NECがSaaSアプリケーションを開発する事業者に向けて提供するSaaS基盤サービス「RIACUBE/SP」の紹介が行われた。このサービスには5つの大きな特徴があるという。最初の特徴は「ホスティング基盤 RIACUBE」の存在だ。これは、NECが標準化したITインフラ(プラットフォーム機能)の提供と、運用管理(ライフサイクル管理)を組み合わせたもので、サービスレベルとリソースの所要に応じた料金体系で提供されるという。次に「連携機能」。NECが提唱するOSR(Open Service Repository)という規格を採用することで、複数のSaaS間のサービス情報の共有を実現し、あたかもひとつのサービスとして利用することが可能になるという。現在セールスフォース、オラクルとも仕様の検討中で、実装は来年4月以降となる見込みだ。そして「部分的・段階的な利用」。サービス内容やコンポーネントは多岐に渡っており、全部使うことも部分的に使うことも可能だという。「使った分だけお支払いいただく」サービスだ。さらに「各種管理機能」。事業者によって異なる部分のあるユーザの管理レベルを考慮し、柔軟な管理機能を提供できるという。最後が「サービス事業立ち上げ、テクニカルコンサル、運用支援」。単なるプラットフォームの提供に留まらず、ビジネスモデル検討への参画や、システムアーキテクチャ・処理方式等の技術支援、運用業務の一部代行支援など、要求のレベルに応じた様々な形のサポートを受けられるという。