高可用性をローコストで実現——ストラタスのソフトウェアFTサーバー | RBB TODAY
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高可用性をローコストで実現——ストラタスのソフトウェアFTサーバー

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日本ストラタステクノロジー 営業本部マーケティング部長 松崎展晃氏:ftServerほどでなくてもよいので相応の信頼性を持つサーバーをという声がAvanceの背景にあるという。
  • 日本ストラタステクノロジー 営業本部マーケティング部長 松崎展晃氏:ftServerほどでなくてもよいので相応の信頼性を持つサーバーをという声がAvanceの背景にあるという。
  • Avanceのシステム構成と特徴:2台のサーバーにAvanceソフトウェアをインストールし、その上でゲストOSが動く。ギガベースのイーサネット(パーソナルリンク)で障害検知や復旧を制御する
  • Avance管理画面の例:ブラウザベースで管理できる
 無停止サーバーは非常に高価だ。クラスタリングもハードウェア構成など手間がかかる。SaaSやクラウドコンピューティングですべてがうまくいけばいいが、信頼性や既存システムのリソースを考えると簡単には移行できない事情もある。こんな要求に「ソフトウェアフォールトトレラント」というソリューションで対応できるという。そんな製品とソリューションを提供している企業があると聞き、日本ストラタステクノロジーに取材を敢行した。

 取材に応じてくれたのは、同社営業本部マーケティング部長 松崎展晃氏だ。そのソリューションは「Stratus Avance(アヴァンス)ソフトウェア」という。ストラタスといえば、どちらかというとサーバーベンダー、とくに無停止サーバーの技術に定評がある。この企業があえて「ソフトウェアによるフォールトトレラント」というのはどういうことだろうか。

 松崎氏によれば、「ストラタスのイメージは確かにサーバーハードウェアベンダーとしてのものが強いですが、じつはソフトウェアの開発は以前から行っています。というのは、ftServerの2重化といった冗長構成は、OSのデバイスドライバのレベルで実現する必要があるからです。」とのことだ。つまり、OSやアプリケーションから2重化を意識しないフォールトトレラント、高可用性といった機能を実現するには、ファームウェアやデバイスドライバのチューンが不可欠なのだ。

 そして、Avance開発の背景としては、冒頭の述べたようなリーズナブルな価格で信頼性の高いシステムを構築したいというニーズの存在を挙げた。実際、Avanceを発表した後の現場の声や引き合いなどで手ごたえを感じているという。このようなニーズを持つ顧客層としては、病院やクリニック、工場、配送センター、金融機関などがあるそうだ。病院や金融機関はすべてをクラウドソーシングできないデータも扱わなければならない。工場などシステムやサービスの高可用性は譲れない部分もある。といいつつも、コスト面での着地点がほしい中小規模の企業などがこれにあたる。

 そのコスト試算の例だが、AvanceをHPのProLiant DLシリーズ2台で構成した場合、サーバーハードとAvanceソフトウェア(698,000円)、OSライセンスで220万程度になるという。これと同等な構成をVMwareで構築するとすると、VMware ESXやVirtual Center、SQL Serverなどソフトウェアで350万以上、必要なハードウェアが200万として合計で550万以上となり、およそ半分以下となる計算だ。

 Avanceのシステム構成だが、基本はサーバーハードウェアを2重化する必要がある。上記の例のようにサーバーは2台必要だ。それぞれにゲストOS(Windows 2003 Server、RHEL)のハイパーバイザーとしてCitrix XenServerが搭載されるわけだが、これはライセンスも含めてAvanceソフトウェアに組み込まれる。この構成で信頼性は99.99%以上確保できるという。もっと大規模なシステム、クリティカルな業務で、99.999%以上の信頼性が必要な場合は、これまでのftServerといった本格的なハードウェアによる冗長構成が必要になる。

 さきほど、ストラタスのftServerの機能はデバイスドライバレベルでソフトウェア化されている部分があると述べたが、その技術を汎用サーバーに対応させたものがAvanceともいえる。現在Avanceが対応しているサーバーはDellとHPといったx86標準サーバー(Intel Xeonプロセッサー、要Intel VT対応)だ。これらは混在可能で、既存のシステムにAvanceをインストールしてフォールトトレラント化することもできる。ftServerで培われた技術を応用、実装しているため、Live Migrationや障害検知機能などの予防、監視機能も当然サポートされる。

 今後は、Windows 2008 Serverといった対応ゲストOSの追加や対応サーバーの追加を行っていくそうだ。
《中尾真二》
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