【ビデオニュース】世界最小のモバイルWiMAX基地局を実現した技術——富士通「BroadOne WX300」 | RBB TODAY
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【ビデオニュース】世界最小のモバイルWiMAX基地局を実現した技術——富士通「BroadOne WX300」

エンタープライズ モバイルBIZ
モバイルWiMAX基地局「BroadOne WX300」
  • モバイルWiMAX基地局「BroadOne WX300」
  • 富士通常務理事モバイルシステム事業本部長の岩淵英介氏
  • 経営執行役上席常務の弓場英明氏
  • WiMAXが時期的に先行しLTEが続く
  • WiMAX加入者予測
  • WiMAX/LTE機器市場予測
 「現状では間違いなく世界最小と考えている」
富士通常務理事モバイルシステム事業本部長の岩淵英介氏は、会場に公開されたモバイルWiMAX基地局「BroadOne WX300」を前にアピールした。富士通は6日、「BroadOne WX300」をリリースしたが、ここでは都内の記者会見からその詳細を振り返ってみる。同製品は、容積約20リットル、重量約20kgで対応帯域幅は5/10/20MHz(2×5mHz、2×10mHz)、2系統のハイパワーアンプ(2×2MIMO)内蔵。消費電力は200W以下という製品だ。基地局製品は、市街地、住宅地を広域にコントロールするマクロ基地局、人口の少ないエリア、電波が入りにくいエリアをカバーするマイクロ基地局、ビル内など屋内をカバーする超小型基地局に分類される。また、マクロ基地局は無線送受信装置(RF)とベースバンド処理装置(BB)が分かれたセパレート型に対して、今回の製品は一体型となっている。

 「一体型マクロ基地局のメリットは、なんといっても基地局の運用コストと建設コストが低減できること。オールインワンなので設置が非常に簡単。最近は基地局を設置する時に設置場所の選定から苦労するが、屋上のスミに転がしておけるような非常に小型の製品となっている。また低消費電力なので、電源装置も非常に小さいものを用意すれば十分だ」(岩淵氏)。さらに20MHzへの対応について、ソフトのアップグレードでサポート対応可能な点をアピールした。また、地味な話だがと前置きしながらWiMAXの電波干渉については次のように話した。「WiMAXはセルの境界になると電波が弱くなり、スピードが落ちてしまうなど色々な問題がある。せっかく30MHzの電波をいただいても、隣のセルとの干渉がないように電波を配置すると10MHzずつ分けて3波が重ならないように打っていくというセル配置をすることがある。しかし、これではもったいない。10MHz+20MHzがフルに使えると非常に使いやすいネットワークになる。これを実現するために我々はFFRというシステムをいち早く取り入れ実用化している。これは電波利用に有効な手段だ」。

 岩淵氏は、小型でありながら大容量、低消費電力という点を繰り返しアピールした。それを実現した技術は、窒化ガリウム(GaN)HEMTデバイスを使用したアンプに、歪補償回路(DPD)を適用した効率化にある。「DPD(Digital Pre-Distortion compensation)は、アンプの特性ををちょうど逆曲線になるように、入力をあらかじめ逆方向にひずませてしまうという逆転の発想から実現した」。同社では改善を続け、昨年比で効率をいっきに2倍まで高めたという(技術説明:下記ビデオ参照)。









 今回の製品は、国内外共通の製品として展開していく。米Airspan社とWiMAXライアンス契約を締結し、グローバル展開。4月から商用出荷を開始する。「製品、部材の共用性やその他開発コスト面も(国内外共通ということは)重要。意気込みとしては、小さい領域のものも含めて5年間で10万台を目標としている」。

 モバイルWiMAX市場の展望について経営執行役上席常務の弓場英明氏は「2010年には4800万人の加入者がWiAMXを利用するのではないかと思っている。そのなかで基地局の市場予測はどうなるのか?2008年から北米、欧州、日本が急速に拡大する。LTE/S3Gについては2010年から本格的に日本で立ちあがって北米、欧州で立ちあがってくる。併せて約4000億円の市場になる」とした。

 また、今後WiMAXのほかにLTE(Long Term Evolution)、S3G(Supre 3G)が注目となってくるが、これらは分けて考えられている点を説明。モバイルWiMAXは半径数km、160km/で動いていてもハンドオーバーできるもので、固定アクセスの代替として、あるいはモバイルからのアクセスとして非常に有用な機能になると話した。岩淵氏は「(モバイルWiMAXは)セルラーのマイグレーションパスのひとつではないと思っている。むしろ、別の独立した活用があると考えている」「デジタルデバイト地域の活用を見ても(セルラーとは別と)言えるが、モバイルWiMAXそれ以外にも色々なアプリが展開されていく器になっていく。応用が広いと考えており、ITSなどへの応用も考えられる」と付け加えた。
《小板謙次》
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