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NEC、ソフトウェア無線用のアナログベースバンドLSI技術を開発〜多様な無線規格に1チップで対応可能

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アナログベースバンドLSI
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 日本電気およびNECエレクトロニクスの両社は5日、プログラムを変更するだけで周波数特性を自由に変更できるアナログベースバンドLSI技術を世界で初めて開発したことを発表した。

 従来は複数のアナログ回路を切り替える必要があった特性の可変機能を、高速デジタル信号を用いたプログラムにより1つのフィルタで実現する。これにより、多様な無線通信システムに対応できるソフトウェア無線機を実現させるのが狙い。

 まず、アナログベースバンドに内蔵したフィルタのアナログ特性を高速なデジタル信号を用いて可変できる時間軸制御技術が開発された。本技術は、1つのフィルタ回路をデジタル信号で間欠(間隔をあけて)動作させ、その動作時間だけをプログラムで変えることで、従来は複数のアナログ回路を切り替えて行っていた、必要な信号が通過する周波数の範囲や不要な信号を遮断する性能を、1つのフィルタ回路で自由に調整可能となる。

 また同時に、フィルタへ入力するプログラムのデータを変更可能とする、さまざまなデジタル制御信号を生成可能な回路が開発された。基準となる1つの信号から、少しずつ位相のずれた信号を生成し、それらを組み合わせることにより、さまざまな時間間隔、動作時間をもつ制御信号を生成できる。

 この技術を用いて開発されたフィルタでは、プログラムを変更するだけで400k〜30MHzの周波数が利用できる。また、本フィルタを内蔵したアナログベースバンドLSIは、面積が0.57mm2(ミリ平方メートル)と、極小サイズを実現している。

 なお、今回の成果は、米国サンフランシスコで開催中の半導体回路技術の国際会議「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference)」においても発表されている。
《冨岡晶》
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