引越しシーズン前、デジタルディバイドの味方、ADSLを再認識してみる | RBB TODAY
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引越しシーズン前、デジタルディバイドの味方、ADSLを再認識してみる

ブロードバンド その他
 FTTH、光ファイバーはブロードバンドの代名詞的な存在だ。ユビキタス社会やNGN(次世代ネットワーク)が語られるときも、光ファイバーによる接続がほぼ前提となる。しかし、光ファイバーによるFTTHにも弱点がないわけではない。

 まず、光ファイバー網、インフラの普及度だ。2007年11月にNTTはFTTH回線の契約数3000万という目標を2000万へと下方修正した。総務省の統計でも2007年のFTTH契約の伸びは過去数年と比較して安定傾向になっている。確実に増えてはいるが、急激な伸びはしばらく期待できないというのが大方の見方だ。

 この理由として、サービス料金とそれによって受けるメリットとのバランスの問題が考えられる。安くなったとはいえ、6,000円前後/月の接続料に見合ったサービスやコンテンツが足りないといえる。動画サービスが増えているが、ビジネスとしてマスマーケットを対象とすると、あまり特殊な高速回線を前提としたサービスは現実的ではない。YouTube程度の動画ならADSLでも十分だろう。

 普及が思ったより進まない背景には、いわゆるデジタルディバイド問題も関係している。通信事業者もビジネスとして活動しているわけで、採算のとりにくい過疎地域や回線敷設コストのかかる山間地、島嶼部などに新規に光ファイバー網を行き渡らせるには時間がかかる。NTTが国営時代に整備された、既存の電話線を利用したADSLに頼らなければならない地域も少なくない。

 こういうと、本当に僻地でなければ問題ないだろうと思うかもしれないが、意外と盲点がある。政令指定都市を擁する都道府県でもFTTHがいまだに整備されていない地域を含んでいるところは多い。山間部の多い日本の地形の問題で、同じ市内でも山ひとつでFTTHがきていないということがある。また、昨今の市町村合併により過疎地域がより大きな行政区分(市、区)に組み込まれてしまい、整備が遅れるということもある。FTTHが整備されている市に、整備の遅れている町や村が合併された場合、見かけのFTTH普及率が上がってしまい、行政区分内の格差が埋没してしまうのだ。

 進学、就職、転勤などを控えて、引越し先が比較的大きな市だったとしても、回線環境について油断は禁物だ。CATVなのかADSLなのかFTTHも利用可能なのか。FTTHの場合、マンションタイプだとその共有方式によっては実効速度が上がらないこともある。FTTHが契約できない地域だった場合、ADSLかCATVになるが、CATVもサービスエリアが限られている。その意味で確実なのはADSLということになる。ADSLなら、料金もサービスプランも豊富でプロバイダ、回線事業者など選択の幅も広い。速度もVODのような高画質なコンテンツではなく、Flashムービーやエンコーディングされた動画共有サイトなどなら数MのADSLサービスで十分だ。

 つまり、住む地域、インターネットの利用目的によっては、ADSLはいまだに有効な選択肢となるということだ。市場のトレンドとしてはFTTHかもしれないが、現状でもADSLユーザーはネットユーザー全体のおよそ半分を占めているのが現実だ。

 さて、地域ごとの回線条件や料金などは、どうやって調べればよいだろうか。大手ISPや通信事業者なら、その会社のホームページなどにサービスエリアや料金表などが公開されいている。基本はこれらを調べることだが、ISPや通信事業者を越えて全体を比較したいとか、ベストエフォートの回線速度ではなく、その地域で実際どれくらいの速度がでているのか、などを調べるにはちょっと不便だ。

 料金の比較情報や回線速度の口コミ情報については、「関連リンク」に示すような、それらを提供しているサイトがあるので、それらを活用するとよい。RBB TODAYでも料金やサービスを一覧、ソートできるページや口コミ情報を提供している。とくにスピード計測の「利用者の声」は、市、区レベルでの実測データの報告が毎日寄せられている。住んでいるところや引越し先の住所で検索するなどして、ぜひ活用してほしい。
《RBB TODAY》
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