元SKE48で現在はプロレスラーの荒井優希が、5月23日に1st写真集『無敵の素顔』(KADOKAWA)を発売した。
今年3月にSKE48を卒業し、プロレスラーとしての道を歩み始めた荒井。「新しいことに挑戦していきたい」と語る決意のとおり、初めてのTバックや手ブラにも挑戦し、大胆なカットが満載の内容。これまで見せたことのない荒井のすべてが詰まった写真集になっている。
本作の魅力を探るべく、荒井にインタビューを実施。撮影の裏側から、プロレスラーとしての今後の目標について、赤裸々に語ってもらった。
写真集なんて、自分には関係ない話だと思ってた

ーー1st写真集の完成、おめでとうございます。まずは、写真集の話をもらった時の率直な感想を教えてください。
最初にお話をいただいたときは、まさか自分が写真集を出せるわけないと思っていたので、すぐに「やりたい」と返事はできませんでした。
ーー出したいとも思ってなかった?
周りで写真集を出す人は多かったけど、「自分が出すなんて」って、考えもしないくらい関係ないことだと思っていましたね。「写真集を見たい」と言ってくださるファンの方もいましたが、たくさん声があったわけでもないので、「私の写真集って誰が嬉しいんだろう......」って思っちゃって。自分だけの本を作るっていうのに、自信が持てなかったんだと思います。
ーー写真集を出すと決めたきっかけはありますか?
一度考える時間をもらって、最終的にはマネージャーさんにかなり背中を押してもらいました。今の自分がこうやって本として残ることってなかなかないことじゃないですか。人生の大きな経験になるかなと思って、最終的には決めましたね。
ーー不安が拭えたわけではなかったんですか?
ずっと不安はありました。でも、制作が決まってから、たくさんの人が自分のために動いてくれて、その不安がだんだん楽しみに変わっていきました。衣装のフィッティングだったり、ヘアメイクさんは私に似合う新しいコスメを買って、研究してくれたり。こんなに自分をプロデュースしていただけることはなかなかないから、やって良かったと思いました。
ーー本作は「素顔」がテーマになっています。なぜこのテーマに決めたのでしょうか?
普段、写真集はあまり見ないんですが、唯一、私がアイドルになりたいと思ったきっかけでもある小嶋陽菜さんの写真集は、小さい頃から買ってたんですよ。私にとっては写真集=小嶋陽菜さんで、ステージやSNSでは見られない自然体な写真が多くて好きだったんです。だから、今回の撮影は、カメラマンさんにほとんどお任せしました。自分の凝り固まった思考だと、決まった角度の顔ばかりになってしまうので、一回撮ってから考えようと。
ーー実際に仕上がりを見てどうでしたか?
ぜんぶ良い!ってなりました。利き顔じゃない私でもいけるじゃん、って。
ーー利き顔っていうのがあるんですね
アイドル界ではあるあるですよ。みんなそれぞれ、自分がいちばん良く写る角度があるので、集合写真とかはポジション争いになります(笑)
ーーちなみに荒井さんの利き顔は?
私は右の顔が好きで、左側ばっかり向いちゃうんですよ。これまではずっと嫌だったんですよね。「こっちの顔が好き」とか「このメイクがいいとか」思っていましたが、今回はぜんぜん気にならなかったです。自分も好きになれる自然体が出せたと思います。
ーー撮影までに準備したことはありますか
特に撮影のためのダイエットなどはしなかったです。「めちゃくちゃ痩せたい!」とかも思いましたが、普通に試合もあったので、普段通りに練習してました。無理に痩せたせいで、怪我して、試合も撮影も行けなくなるのが、いちばんやばいですからね。
ワカメにクラゲでトラウマに。「マジで無理」を乗り越えた撮影

ーー撮影はインドネシア・バリで行われました。初めてのバリはどうでしたか?
「うわー!すごい!ホントに暑いんだ!」って感動しました。初めて南半球に行ったので、季節の違いに“遠くに来た感”をすごく感じましたね。
ーーこの撮影で新しく挑戦したことはありますか?
プールと海での撮影は、私にとってはすごく挑戦でした。というのも私、水が苦手なんですよ。撮影のときも怖かったんですけど、スタッフさんたちが「できる範囲でいいよ」と言ってくれたおかげで、久しぶりにプールに入れました。怖すぎて海には入れなかったんですけど、海辺のカットはたくさん撮影できたし、レアなカットがたくさん見られると思います。
ーー水が苦手になったきっかけはあるんですか?
小さい頃、両親と遊びに行った海で、足にワカメが絡まったんです。それがすごくトラウマで。あと、小学5年生の野外学習のカヌー体験で、カヌーのオールに乗ったクラゲもめちゃくちゃ怖かった。それでもう、水がダメになりました。自然のものが怖いんです。
ーートラウマを思い出させちゃってすみません......。でも、今回で克服できましたね。
プールもかなりギリギリでした。私、身長164cmあるんですが、顔まで浸かるくらい深いプールだったから、最初は「マジで無理」ってなりました。ほんと信じられないくらい深かった。でも、仕事モードに切り替えて、なんとか乗り切りました。仕事になるとできることってあることにも気がつきました。
発達しすぎた“脊柱起立筋”を見てほしい

ーー完成した写真集を手にしていかがですか?
めちゃくちゃ感動しました。SKE48から学んだこと、東京女子プロレスから学んだこと、いろんなことがあっての自分が詰まってるって思うとすごく特別な1冊です。人生を記録してもらったような気持ちになれて、ずっと宝物になると思ってます。
ーー発売のタイミング的に、アイドル時代の集大成でもあり、プロレスラーとしてのリスタート地点が記録された一冊になりますね。
そうですね。本当にこのタイミングで作らせていただいてありがたいです。ファンのみなさんにとってもですけど、私にとっても、いろんな記憶がよみがえる一冊なんです。「飛行機の中で切羽詰まってダンスめちゃくちゃ覚えてたなぁ」とか、卒業前の、本当にやばいスケジュールとかも、写真集を見ただけで思い出します(笑)
ーーちなみに、お気に入りのカットはありますか?
好きなカットはたくさんあるんですよね。だけど、1番お気に入りなのは、背中がキレイに写っている水着の写真。この脊柱起立筋をよく褒めてもらえるんです。なんか、この筋肉だけは発達しすぎているみたいです。でも、写真集になって改めて自分で見たら確かに筋肉あるかもって思いました。試合を観に来てくれるお客さんや先輩からは「脊柱起立筋だけで人を投げてる」って言われてます。
ーーそうですよね、普段、人を投げたり、人に投げられたりしてるんですよね。忘れてました。
はい、投げてます(笑)
写真集は東京ドームへの第一歩「気持ちを鼓舞してくれる一冊」

ーーSKE48卒業公演で「東京女子プロレスで東京ドームに立ちたい」と宣言していたのが印象的でした。
最終目標は東京女子プロレスの東京ドーム大会になるんですが、もともとは自分が勝手に思っていただけだったんです。きっかけは東京ドームで行われた武藤敬司さんの引退試合。ここ最近だと引退試合を東京ドームで行うことなんてめったにないなか、提供試合として、東京女子プロレスがリングに立たせてもらいました。その時の光景に本当に感動して、また立ちたいと思ったんです。
ーーでも周りには言えなかった?
最初はみんなで来たいっていうのを話してましたが、時間が経つにつれてやっぱり言わなくなるじゃないですか。でも、自分の胸の中にはずっと東京ドームがあった。プロレス1本になって、目標を聞かれることが増えて、東京ドームって言葉が出ちゃったんですよね。
ーーつい口にしてしまった目標だったんですね。
チャンピオンでもない、新米の自分が、そんな大きい目標を言っていいのかすごく迷いがあったんです。言いつつも、言っていいのか、みたいな。でも、卒業公演のときに東京女子プロレスの先輩、後輩、本当にたくさんの選手が観に来てくれて、自分が言葉にした目標をすごく喜んでくださって。みんなが同じ気持ちだということを知れて、今まで以上に強い気持ちで目標に向かって進めるようになりました。
ーーこれまでは遠慮して言い出しづらかった部分もあるんでしょうか?
そうですね。東京女子プロレスを引っ張る立場でもないし、まだ先輩たちにおんぶに抱っこのときもあるから、まだ何も成し遂げていない自分が言っちゃいけないんじゃないかとか思うことも多くて。
山下さん(山下実優)は、前に配信で東京ドームに立ちたいと言っていたんです。「すごい!同じこと言ってる。嬉しい!」って思って、感動して、見た瞬間に連絡しようか迷ったんです。でもそこまでじゃないか、って結局そのままで。
だから卒業公演で山下さんが泣きながら「絶対、東京ドーム行こうね」って言ってくれたのが嬉しかったです。あれだけ喜んでくれると思ってなかったですから。
ーーこの写真集は今後の活動にどんな影響を与えてくれそうですか?
SKE48を卒業したタイミングでの写真集でもありますけど、やっぱり自分が1人で外に出ていく、そのスタートの写真集でもあります。今までできなかったことにも挑戦したいっていう気持ちを鼓舞してくれる、そんな一冊になったと思います。
この写真集を作ること自体もちょっと勇気のいる決断だったけど、やってよかったです。これまでは、アイドルでプロレスをやっているギャップがあったけど、この写真集を見て「こういう写真集を出してる子も試合するんだ」っていうギャップにもなるかなと思います。そうやって新しい人たちに伝われば嬉しいし、私のことを知ってくださっている方にも新しい一面を見てもらえたら嬉しいです。
