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AIで変わる経営!サイトのアクセス増に

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エクセリ代表取締役社長の吉田統一氏
  • エクセリ代表取締役社長の吉田統一氏
  • AIアナリストによる提案で改修を行ったページ。問い合わせバナーの追加など、問い合わせの導線を強化。商品を探しやすくするバナーも追加した
  • AIアナリストによる改修前のページ
【記事のポイント】
▼データによって裏付けされた客観的な助言
▼経験則では出てこない改善提案でPDCAに新たな活力
▼Webサイトを自社開発することで、AIの提案が最大限に生きる


■月額数万円でAI分析は利用できる

 人工知能(AI)を業務効率化に役立てようという動きを、ここ最近よく耳にするようになった。ビジネスの現状分析をはじめ、生産計画や市場予測など、経営の意思決定にかかわる領域でAIの活用が進んでいる。

 「AIなど中小企業に関係ない」と思うかもしれないが、実はそんなことはない。独自にAIを利用したシステムを開発するのは予算がかかるが、AIを利用したBtoBのビジネス支援サービスには、中小企業向けのものも少なくないからだ。

 無線機器の企業向け小売り事業を展開する「エクセリ」では、Webサイトの分析や改善にAIを活用して効果を上げているという。同社が利用しているのはWACULというベンチャーが提供する、サイト分析サービス「AIアナリスト」だ。

 このサービスは、Google Analyticsのデータを元に、AIがサイトを分析。その結果を可視化するとともに、サイトのデザインやUIの改善策などを提案してくれる。中小企業向けには月額4万円から提供しており、同社では半年ほど前からAIアナリストを使い、サイト改善に取り組んでいるようだ。

■勘や経験による意思決定に、数値的な裏付けがほしい

 エクセリはトランシーバーやインカム、GPS、デジタコといった各種無線機の販売・レンタルを手掛ける事業者。Webサイトを活用する販売活動を展開し、得意先は全国で約2万5000社。主要な取引メーカーだけでも6社の製品を扱っている。

 「毎日世界記録をだす」という気持ちで経営しているというのが、代表取締役社長の吉田統一氏。改善やPDCAに終わりはないという考えで、常に問題意識をもって事業に取り組んでいる。Webサイトの運営についても以前からSEOやリスティング広告など、一般的な施策はひととおり行い、一部は効果を上げていたという。中でも重視していたのが、ページの構築やUIなどをユーザー目線で見ることだ。

「実際に私も営業にでて、現場やユーザーの声を聞いてきました。それに加えて商品ごとの売り上げデータも参考にしながら、サイトを運営してきたわけです。意思決定は長年の経験や勘に頼ったところが大きかったですが、それで特に問題はありませんでした」

 ただ、吉田氏の胸中には数値的な分析がおろそかになっているという、漠然とした不安はあったという。「客観的な根拠がなくて、この先回っていくのか?」と悩んでも、その材料が手元にないというのが、同社のWebサイト運営における大きな課題だった。


■AIが提案する具体的な改修案とは?

 客観的な根拠を求めて、吉田氏はコンサルティングや分析サービスなどを利用したという。そこで不満に感じたのが、結果として報告されるレポートの内容だ。数字を整理して、グラフなどで可視化していても、そこには実際に何をすればいいかの提案がなかったという。

 その中でも、提案内容が充実していたのが「AIアナリスト」だったという。中でも気に入ったのが、ベースがGoogle Analyticsというデータに裏付けられていること。そして、自社がこれまでできなかった部分を補完するような、勘や経験からはでてこないような提案があったことだ。

 導入してまだ半年程度しかたっていないが、受注につながる問い合わせ、サイトのコンバージョンなど目に見える成果もあがっている。例えば、問い合わせフォームへの遷移の解析結果からは、導線の追加、および商品検索機能を強化する提案があったという。

 これは問い合わせフォームボタンを商品ページごとに設置し、無線機の型番やメーカー以外にも、使用目的、通信可能範囲などを検索条件に追加するというもの。これを受けてデザイナーがページレイアウトの変更、ボタン追加を行い、エンジニアは必要なサーバー側のロジック改修などを行った。

 サイト改修案の提案により、エンジニアやデザイナーの作業は増えた。しかし、UIの改善、顧客満足度の向上などを継続的に行えるようになったという。とはいえ、すべてをAIの提案どおりにしているわけではない。

「担当者とはよくケンカもしています(笑)。提案の中には業務としてできないものや、経験値として効果に疑問符がつくものもありますが、そういう内部からは出ないようなアイデアは貴重ですね」

 同社では最終的な意思決定のためのアドバイスや支援情報という位置づけで、AIを利用しているという。自分の思ったとおりの提案や答えがほしいならコンサルティングもAIも不要であり、数値を基にした独自の視点からの提案をもらえることが有益である、というのが吉田氏の考えだ。

「さらに言うなら、Webサイトは品質、スピードといった点からすべてを内製する必要はありませんが、その開発・運営は自社で行うべきです。そうでなければ、マーケット戦略やAIからの提案を、開発や運用にうまく組み込めません」

 AIはサービス次第でコンサルタントを使うよりも安価に、人の手では労力がかかりすぎるような解析を行ってくれる。エクセリが実践しているように、中小企業もAIを経営に生かせる時代となった。これからは会社における意思決定において、その判断材料に悩むときには、AIの支援を受けることも選択肢の一つになっていくだろう。

~AIで変わる経営:1~分析による裏付け、サイト内の集客増に

《中尾真二/HANJO HANJO編集部》

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