アキレス、ツクイ、加藤電機の3社は6日、自宅や介護施設から認知症患者が突然いなくなるいわゆる「徘徊」を早期で検出し、捜索・発見に繋げることができる「認知症徘徊検出・発見/見守りシステム<仮称>」の実運用試験を7月15日から約2か月間実施することを発表した。 同システムの概要は、アキレスが開発した徘徊対策用の介護シューズに加藤電機が開発した小型の発信機(SANタグ)を装着し、ツクイのデイサービス施設内に加藤電機が開発したGEOフェンス型中継機SANアンテナを設置する。 このGEOフェンス型SANアンテナはSANタグの電波を常に検出しており、見守り対象者が見守りエリアの外に出ると、いなくなったことを短時間で検出し、介護職員や家族にメール配信を行う。これにより行方不明者の捜索・発見が容易になるというもの。見守りエリアは半径約10m~半径約200m程度まで、数段階の設定が可能だ。 実運用試験予定の事業所エリアは、札幌市、福島県いわき市、東京都足立区、東京都八王子市、横浜市、愛知県一宮市、滋賀県彦根市、大阪市、長崎市、鹿児島市の全国10か所で、9月以降に順次拡大していく予定。 警察庁によると、2015年の認知症やその疑いによる行方不明者は対前年比13.2%増(1万2208人)で、3年連続で1万人を超えた。認知症による徘徊で行方不明になった場合、発見の遅れにより生存率が低下する傾向があるため、徘徊高齢者の見守り対策が急務となっている。 アキレス、ツクイ、加藤電機の3社は、各社の事業ノウハウを活かした協業により、(1)常時見守り、(2)認知症徘徊発生時の早期検出、(3)早期捜索・発見、を実現するために同システムを構築。今回実施する実運用試験の結果をもとに、今秋にも一般販売を開始する予定だ。