またユーザーが有料でも視聴したくなるようなリッチコンテンツを作り続けるためには、スポンサー企業を募るための戦略的な広告モデルもやはり必要なのではないだろうか。視聴者にとっての利便性を犠牲にしないことが前提なのであれば、劇中にスポンサーが推す製品を登場させるプロダクトプレイスメントもひとつの手段として考えられる。 Netflixとコンテンツパートナーによるレベニューシェアの形態がどうなっているのかは今のところ明らかにされていないが、実際に世界50カ国で成功を収めているNetflixのビジネススタイルにはサービスが開始した後にも注目が集まるだろう。 4K映像の配信については、より高画質な映像を安定したクオリティで楽しむために約25Mbpsの回線速度を推奨しているが、それならばNTT東西のフレッツ光のようにより安定したクローズドネットワークでの利用が有利になる。NTTぷららが展開する「ひかりTV 4K」などのサービスと競合しながら、光回線事業者とパートナーシップを固めていくことも今後Netflixにとって大事な課題になってくる。 Netflixに対応するテレビは、日本国内の主要テレビメーカーであるパナソニック、ソニー、東芝、シャープが既に対応製品を発表している。今後発売される多くの4K/2Kテレビにはインターネット接続とNetflixの視聴機能が搭載されてくる。 また既発売のテレビでNetflixが楽しめるよう、セットトップボックスやスタンダードクラスのBDプレーヤーにも対応機が増えてくるはずだと、Netflixのビジネスデベロップメント担当である下井昌人氏は語っている。映像配信業界の“黒船”とも称されるNetflixが国内デジタルテレビのインターネット接続率を引き上げる牽引車となり、日本のコンテンツ業界を活気づかせる契機となるのか。今後の動向からも目が離せなくなりそうだ。■第1回 日本上陸!米在住者から見た動画配信サービス「Netflix」とは■第2回 黒船の日本展開でカギを握る4つのポイント