ダイオウイカを食べた!……しみじみ噛み締める味 | RBB TODAY
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ダイオウイカを食べた!……しみじみ噛み締める味

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ダイオウイカ試食会
  • ダイオウイカ試食会
  • 新湊フィッシャーマンズワーフ「新湊きっときと市場」
  • 1月に水揚げされスルメに加工されたダイオウイカ
  • 試食会では40kg以上の炭を用意
  • 匂いは、大きさを考えると薄い?
  • 見た目は普通のスルメをそのまま大きくしたような
  • 切る
  • 配る
 ホタルイカなど美味な魚介類で有名な日本海富山湾だが、昨年は対照的に巨大なイカ、「ダイオウイカ」が相次いで水揚げされ注目された。このダイオウイカの試食会が22日、富山県射水市の新湊フィッシャーマンズワーフ「新湊きっときと市場」で開催された。

 同市新湊漁港に昨年11月に水揚げされたダイオウイカを、同じく市内にある水産加工会社の浜常食品工業がスルメにし、新湊きっときと市場特設会場で炭火であぶり、来場者に無料で振る舞った。

 水揚げされた時のダイオウイカは、触腕を含めて全長約6.3メートル、重さ約130キロあった。これを浜常食品工業がスルメに加工すると、全長約3メートル、幅約70センチ、重さは約6キロにまで縮んでしまった。スルメになったダイオウイカは1月8日から2月2日まで、新湊きっときと市場に展示され、22日の試食会となった。

 スルメに加工されたダイオウイカは昨年4月以来新湊漁港に水揚げされた計3匹。これらを約800人で試食した。新湊きっときと市場では8時から整理券代わりのホタルイカのスルメを配布、1番乗りは大阪方面から車で来た夫婦で、明け方3時半に到着したいう。記者は整理券の配布が始まる直前に列に並んだが、すでに約20人がいた。先着300人と、301番以降の抽選で当選した人が試食した。

 浜常食品工業の濱力男代表取締役によると、加工作業は予想のほか難しかったという。スルメ加工は、生のイカをいったん塩漬けし、さらに水に浸けて塩抜き、それから乾燥させるという手順。マイカ(いわゆるスルメイカ)と肉厚の異なるダイオウイカは加減が難しかったという。11月に水揚げされた1匹の加工は塩漬け2日、塩抜き2日、乾燥2日、1日やすませ、加減を見ながらさらに乾燥2日、約10日ほどの加工日数がかかったという。

 もともと11月に水揚げされたダイオウイカがスルメにされ展示されていたが、2015年1月にきれいな形でもう1匹が水揚げされ、それまでにスルメ加工のノウハウも蓄積されており、こちらを展示用に加工、それまでに水揚げされていた3匹を試食に提供することにしたという。さきに展示されていた1匹もあらためて水で戻して、食用に加工し直した。

 試食に提供するにあたって、富山県の食品研究所で、PCB、カドミウム、ダイオキシンといった汚染物質が無いか安全性を確認した。濱代表取締役によると海底の泥にこういった物質が蓄積されており、深海で生息する生物は汚染されやすいという。同じく濱代表取締役によると、深海は餌が少ないので、エネルギーの消費を少なくするため生物の動きは鈍い。加工した3匹の内蔵には食物はなく、遠方から漂流してきたものと濱代表取締役は推測している。

 濱代表取締役は、最初の1匹を1万円で購入、ほかの2匹は無料で仕入れたと明かす。ただ、最初の1匹の場合でも本業の乾燥機を5日もストップさせてしまい、「割に合わない。もうやろうとは思わない。ほかに誰かやろうとは思わないだろうけれど」と笑う。

 さて、そのダイオウイカの味を濱代表取締役自身は「おいしくない」という。「『まずい』というのとは違う。次も食べてみようという味ではない、ということ。生で感じられるアンモニア臭はスルメ加工で抜けたが、苦みは残った。また普通のスルメよりしょっぱい。これは加工の過程の塩分ではなく、ダイオウイカもともとの塩味」と解説する。記者の感想もこれに近いが、苦みは、後味でかすかに残る程度で、それほど塩味は感じず、むしろ薄味に感じた。ふっくらとした食感はできたて、焼きたてだからだろう。ただ、一人でも多くの人に試食してほしいとの願いから、試食片は1センチ×2センチていどの大きさだったので、味の評価は保留したい。

 イベントではダイオウイカの試食のほか、ダイオウイカについての解説、イカグルメコーナー、子ども向けのイカの墨お絵描き、富山住みます芸人のフィッシュ&チップスのコントが開催された。ちなみに富山湾のイカではスルメイカ、ヤリイカが冬に旬とされ、ホタルイカは春が旬とされる。
《高木啓》
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