プロジェクションマッピングの舞台裏…輝度2倍のDLPプロジェクター登場 2ページ目 | RBB TODAY
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プロジェクションマッピングの舞台裏…輝度2倍のDLPプロジェクター登場

ブロードバンド テクノロジー
HDQ-2K40側面
  • HDQ-2K40側面
  • HDQ-2K40本体
  • HDQ-2K40の海外事例1:流行のプロジェクションマッピング
  • HDQ-2K40の海外事例2:巨大スクリーンへの投映
  • このような専用ケースで運ばれる
  • 箱から取り出す作業
  • レンズを取り付けたところ
  • 特注の専用フォークリフトで移動
●設置や運用にはトータルなソリューションが必要

 しかし、映画館のように据え付け型での利用ならともかく、コンサートやイベントとなると、1回かぎりの設営や運用を行う必要がある。また、HDQ-2K40自体が高価なもの(数千万単位。オープン価格)なので、主催する企業が所有することも難しい。シネ・フォーカスは、プロジェクターの設営・運用などをソリューションとして包括的に提供してくれる。

 例えば、HDQ-2K40本体は200kg以上あるのだが、投映台や会場に設置された櫓に持ち上げるため専用のフォークリフトを特注で作らせている。迅速な設営・撤収のため専用の配電ボックスも作っているそうだ(シネ・フォーカス 新井正紀氏)。

●今後の動向は4Kプロジェクターと高輝度化

 映像技術や関連イベントなどの今後のトレンドはどうなっていくのだろうか。オリンピックに関連したイベントやパブリックビューイングでは、4KのDLPプロジェクターが来るのではないか、と新井氏はみている。HDQ-2K40も現状では2K映像までの対応だが、メーカーであるBARCOの山本氏によれば、近い将来には可搬式で4K対応のDLPプロジェクターは製品化できるだろうとのことだ。

 プロジェクションマッピングについては、現在ビルなどへの投映が多いが、今後は動くもの小さいものへの適用が広がる可能性もあるそうだ。

 プロジェクターの進化において、輝度はとても大きなファクターといえる。例えば、東京駅で行われたプロジェクションマッピングでは、2万ルーメンのプロジェクターが46台利用されたそうだが、単純計算ではHDQ-2K40ならその半分の台数で同じ映像が再現可能となる。実際のイベントでは、設営のための交通規制なども行われ予算的にも時間的にも巨大プロジェクトだったが、プロジェクターが半分になるだけでも、設置の時間・コストを削減することができるだろう。

 コンサートの背景に巨大スクリーンを設置した場合、スクリーンを見せるためには照明を落とす必要があるが、そうするとライブ映像をそのスクリーンに映すには暗くなってしまう。このような問題や照明や屋外光によってスクリーンの画面が飛んでしまうことも単純にプロジェクターの輝度が上がれば解決できる。

●輝度が上がることで生まれるイノベーション

 DLPプロジェクターの高輝度化に対して、メーカーは6万ルーメン、8万ルーメンとさらなる高輝度化を目指している。輝度にこだわる理由は、光源の明るさは色の表現範囲(色域)を広げるため、より高品質な画像が再現できるようになるからだ。BARCOでは高輝度化のために、レーザー光源を用いたプロジェクターの技術開発を進めている(山本氏)。

 新井氏曰く、「輝度が上がることで、今までにない使い方や応用が生まれてくる」ため、プロジェクターの基本機能である輝度に対する進化はまだまだ続きそうである。
《中尾真二》
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