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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第39回 iPhoneに装着して使用!衛星電話アダプター「202TH」を試す

 9月にソフトバンクが発売開始したその最新モデルは、なんとiPhone 5に装着し通話用ハンドセットをiPhoneで代用するという衛星電話アダプターなのである。

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iPhoneが衛星電話になるアダプター、SoftBank TH202
  • iPhoneが衛星電話になるアダプター、SoftBank TH202
  • 大型のiPhone用外付けバッテリーといった感じだ
  • 衛星電話であることを自己主張する太いアンテナ
  • iPhoneを装着して使用するが、Bluetoothで接続するため、じつは装着しなくても通話等ができてしまう
  • 専用アプリ「Satsleeve」を使って通話する
  • 衛星パケット通信も可能。このアダプターがモバイルWiFIルーター代わりになる。
  • Charge PhoneというスイッチをONにすると、アダプターがiPhoneの外付けバッテリーとなる
  • アダプターは衛星無線機部分とiPhone装着部とに2分割できる。将来iPhoneがモデルチェンジした場合は装着部だけ交換すればよい
 Bluetoothのペアリングが終われば、あとはアプリ「Satsleeve」を起動するだけ。アドレス帳も自動で読み込んでくれるので、通常のiPhoneの電話アプリを使用する要領で、スラーヤ経由の衛星電話発信ができてしまう。なお衛星電話サービスでは日本国内の電話番号宛に発信する場合でも、基本的に国際発信と同じように電話番号の先頭に「+81」を打ち込んで掛けるのが一般的なのだが、この日本語版「Satsleeve」はアドレス帳の電話番号に発信する際はもちろん、数字キーから「090-1234…」と通常の国内発信のように電話番号を打ち込んで掛けてもきちんと接続してくれた(おそらく、電話番号の先頭の数字を変換して発信してくれているのだろう)。

 筆者はこれまで、ワイドスターやインマルサット、イリジウムなど数々の衛星電話サービスを使用してきたが、その通話品質は決して満足できるものでは無かった。ワイドスターやインマルサットは、専用のアンテナを指定の方向に向けて固定して使用する必要がある。アンテナの向きが正しくないと、通話品質が低下したり、通話断することもあった。イリジウムは天頂にアンテナを向けていれば通話できるが、それでも音声が途切れることも少なくなかった。衛星電話はあくまで緊急用の通信手段と割り切っていたものだったが、じつはこのスラーヤの通信品質の良さには驚かされた。アンテナを延ばせば、見通しがよいところであればかなり安定した衛星からの電波を捉えることができた。実際に通話してみると、音声は極めてクリアだ。当然、上空の衛星を経由して声が届くので1~2秒程度の音声遅延は感じたが、衛星電話とは思えない通話品質だった。頭の向きを変えるなどしても、通話が途絶えることも無かった。見通しのよい場所で自動車内でも使用してみたが、これでも通話が可能であった。なお、ソフトバンクで契約した場合の音声通話料金は国内外どこに掛けても1分160円である。またスラーヤ経由のSMS送信も可能で、通信料は1通70円。

 この202THを使ってパケット通信する場合はiPhone 5とWiFiで接続して使用する。202THがモバイルWiFiルータ代わりになるといったほうが分かりやすいかもしれない。ただし通信速度は下り最大60kbps、上り最大15kbpsとなる。この速度だと、テキストベースの通信にとどまる感じだ。それでもツイッターやLINEを地球上どこでも使えてしまうというのは嬉しい。ちなみにパケット通信料は定額料金はなく、2円/キロバイトとなる。それなりの通信料の請求を覚悟する必要がある。

 ソフトバンクで契約した場合の基本使用料は、2年の契約を必須とするプランでは月額4,900円、契約期間の制約がないプランでは月額9,800円となる。いずれも無料通信が1,000円付く。また月額2,000円の「衛星通信料割引オプション」を契約すれば、音声通話料は1分40円に、またSMS通信料は1通20円になる。

 衛星電話というと、一般消費者には馴染みのないサービスかもしれない。しかし、東日本大震災の際に、輻輳による通信混雑や、通信インフラ自体の損壊によって、通信したくても通じないという不安な体験をされた方も多いはず。このような地上のインフラを使用する携帯電話がつながらない場合でも、通信衛星を使用する衛星電話サービスであれば通話・通信が可能である(加入者が激増したら話は別だが)。かつてのワイドスターやイリジウムなどに比べると、衛星電話の端末価格や通信料は非常にリーズナブルになってきた。一家に一台、万が一のための緊急通信手段として衛星電話を備えておくという家庭も今後出てくるかもしれない。ちなみに202THのソフトバンクオンラインショップの端末価格は81,600円だ。しかも新スーパーボーナス加入の24回分割にすれば月月割がついて実質負担金0円だ。通常の携帯電話を契約するのとさほど変わらないところまで来た感じだ。iPhoneの外付けバッテリーとしても機能するし、いざとなれば衛星電話として通話ができ、しかもモバイルWiFiルーターにもなる。考えようによっては、これぞ究極のiPhoneジャケットなのかも!

 ご参考までに、公式な発表は無いが筆者のiPhone 5sでも動作確認ができた。また、この202THは衛星無線機部分とiPhone接続部分が2分割する構造になっている。これは将来iPhoneがモデルチェンジした場合に、衛星無線機部分を活かしながら新たなiPhoneを装着できるよう、iPhone取り付け部分のアタッチメントを別構造にしているためだ。
《木暮祐一》

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