テレビもスマホと同様に進化する……NTTぷらら 板東浩二社長 | RBB TODAY

テレビもスマホと同様に進化する……NTTぷらら 板東浩二社長

 NTTぷららは21日、本社にて下期の「ひかりTV」の現状と今後の事業展開について記者発表会を開催した。

エンタープライズ 企業
NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
  • NTTぷらら 代表取締役社長 板東浩二氏
  • NTTぷらら会員数の推移。9月の段階で会員数は263万人になった。ただし光回線ユーザー数の伸びは鈍化。あらたなテコ入れが必要
  • NTTぷららの事業展開ステップ。2段階までクリア。いま3段階のマルチデバイス化と非映像系サービスに注力している
  • マルチデバイスの仕組みを構築。サービス・プラットフォーム・ネットワーク・デバイス、すべてをマルチ化へ
  • 2013年下期の主な取り組み。コンテンツ拡充&マルチデバイスの利用促進という2面作戦で、主要な10項目を中心に取り組む
  • 4K配信のVODトライアル。4Kの下町ボブスレーのドキュメント作品も鋭意制作中だ。圧縮形式はH.265/60P、30Mbpsで提供
  • 写真左は4K(30fps)、写真右は4K(60fps)。たとえばロゴの動きの滑らかさなどの違いが出るという
  • 家庭内LANでのテレビサービスのマルチデバイス化で、好きなデバイスで追っかけ再生。どんなときでもテレビ番組を見逃さない
 NTTぷららは21日、本社にて下期の「ひかりTV」の現状と今後の事業展開について記者発表会を開催した。

 代表取締役の板東浩二氏は、下期のひかりTVの現状について「以前に比べ光回線ユーザー数の伸びは落ちているが、9月の段階で会員数は263万人になった。月あたり平均3万人ずつ伸びたが、鈍化傾向にあり、スマホユーザーを取り込むことが課題だ」と述べた。その上で、これまでコンテンツを全力で拡充してきた点について振り返った。

 「ひかりTVは94チャネル(東京の場合)のうち85%がHD化しており、これは業界では最大級。この6月には日本初のクラウドゲームサービスも開始した。さらに音楽配信では120万曲以上を用意している。電子ブックの取り扱いも7万冊から9万1000冊に増やした。アプリケーション数も約110タイトルまで拡充した。テレビ向けサービスとして、これだけ多彩なコンテンツを楽しめるものは他には例がないと思う」と自信を見せた。

 2013年上期の大きな特徴は、ビデオオンデマンド(VOD)の利用が順調に増えてきたこと。特に今年8月は約2,600万回の視聴に達し過去最高になった。「進撃の巨人」や「半沢直樹」といったコンテンツの影響も大きい。板東社長は「VODでは特にシリーズものが大きくウケた。TVを見逃したユーザーがお金を払っても見たかったようで、“見逃し視聴”はビジネスになりそうだ」と語る。

 次に板東社長は下期の事業展開のステップについて説明した。同社はこれまで3つのステップに分けてビジネスを展開してきた。第一ステップは「100万会員の獲得による顧客基盤の確立」、第二ステップは「新たなVODマーケットの確立」、第三ステップは「スマートTVを中心としたマルチデバイスの確立」&「音楽・ゲームなどの新たなビジネスの展開」である。「すでに第二ステップまでは構築し、現在は第三ステップに取り組んでいる。映像配信をTVだけではなくマルチデバイスで観られるようにして、映像以外の新たなビジネス展開をしているところ。この6月にスマートTV向け新チューナーを提供し、一ヵ月後にはPC向けの映像配信をスタートした」(板東社長)。

 これによりテレビ、スマホ、タブレット、PCという分野でほぼマルチデバイスの仕組みが確立できた。サービスも映像だけでなく、音楽配信、ショップ、アプリなど、全体の仕組みが整い、さまざななサービスを提供するプラットフォームになった。この上で、さらにコンテンツの拡充を図っていく方針だという。

●コンテンツ拡充とマルチデバイス利用促進という作戦で主要10項目に重点

 下半期は主に「コンテンツ拡充とマルチデバイスの利用促進」という2面作戦で、10項目を中心に取り組んでいくとのこと。コンテンツ拡充では、新しい才能を発掘するために「クリエイター支援を通じたコンテンツ制作スキーム」を展開する。これは、学生が制作したコンテンツをひかりTV会員に無料配信し、人気があればファンドから資金を集めて続編や新編を商用化する試みだ。制作のパートナーは、HAL、日本電子専門学校、バンタンゲームアカデミー、アミューズメントメディア総合学院、日本工学院専門学校といったゲーム教育機関と、ファンド運営会社のミュージックセキュリティーズだ。

 また映像系のテコ入れもしていく。たとえば「NHKワールドTV」の放送を11月から開始。日本に住む外国人や、英会話を勉強したいユーザーが対象だ。一般ユーザー向けとしてテレビ向けに全国エリアで視聴できるのは初めてのこと。一方、フレッツ光ネクスト上で。4K映像のVDOトライアル配信も行なう。「配信時の圧縮技術としてH.265/60Pを採用し、30Mbps程度の帯域で提供する方針だ。来年7月には4K-IP放送(マルチキャスト配信)のトライアルも実施する予定」(板東氏)。

 具体的なコンテンツとして、太田区の国産ボブスレーの制作プロジェクトのドキュメンタリー映像を製作中だ。2014年7月には、4K-IP放送(IPマルチキャスト放送)のトライアルも予定している。このほかにも、4K対応ではないが、ひかりTV初のオリジナルドラマとなる「24時間女優」や「AKB48グループドラフト会議」の完全生中継(11月10日)というように、面白そうなコンテンツも続々登場する。

●“スマートTV”と言えばNTTぷらら、そういう企業にしたい

 一方、スマホやタブレットなどマルチデバイスでダウンロード視聴が可能なコンテンツも2014年1月からVODで提供する予定だ。予め複数のVODをダウンロードしておけば、電波が届かない環境でもコンテンツを楽しめる。家庭内LANでのテレビサービスのマルチデバイス展開も図っていく。家庭のリビングで親が映画を観ており、子供が別のバラエティ番組を観たいという場合に、一端STBにバラエティ番組を記録しておき、自分の部屋で異なる端末で追っかけ再生によって番組を観られるサービスだ。

「このようなサービスを展開することで、いままで通信事情が悪いところでも、すべてVODで映像が観られるようになる。放送・サービスについてもリビングや自分の部屋で楽しんでもらえる。環境に左右されない映像配信だ可能な仕組みを提供したい」(板東氏)。

 まだまだ目玉はある。すでにスタートした日本初のクラウドゲームは、テレビに加えてモバイル端末にも11月から対応。ゲームの動作はテレビとほとんど変わらないぐらい快適だという。「あまちゃん」のような「NHKオンデマンドの単品作品や月額見放題パックをマルチデバイスで観られるようにしていく。

 さらにスマホやタブレット端末向けの新しいECサービス「かたろぐマーケット」(仮称)を年内にもスタートさせる予定だ。これは、動画などのリッチコンテンツも扱える電子カタログサービスだ。商品は「Discover Japan」や東急ハンズ、地域広告会社のコンソーシアムで募集した商店によるこだわりの逸品もあり、ユーザーの趣向にあった商品を購入できる。

 最後に板東氏は、サービス開発スケジュールについてまとめて紹介し、次のように締めくくった。

「いままでコンセプトとして“スマートTV”として打ち出してきた。本当にそういう方向に進むのかという話もあるが、恐らくそうなると思う。携帯電話がスマホに進化したように、テレビも同じことが起きると推測できるからだ。かつて携帯電話がiモードでネットにつながった瞬間に、さらに電話は使いやすく、楽しく、新しいコミュニケーションツールになった。テレビもブロードバンドのインフラにつながって双方向になった瞬間に、スマホと同じような進化のプロセスを辿るだろう。我々もひかりTVこそ“スマートTV”と言っていただけるように全力で対応していきたい」。
《RBB TODAY》

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