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新型iPhone発売で各キャリアの状況は?MMD研究所、スマホの“パケ詰まり”調査を実施

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MMD研究所の調査結果
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  • 駅・時間別 WEBページ表示までの時間(秒)
 MMD研究所は15日、JR山手線の乗降者数上位6駅における、3キャリアのiPhone 5c を用いた“パケ詰まり”調査の結果を発表した。同調査結果ではWEBページ(Yahoo!Japanのトップページ)が表示されるまでの時間が30秒以上かかる事象を「パケ詰まり」と定義。その場合、パケ詰まり率はソフトバンク(1.0%)とau(2.3%)は低く、ドコモ(13.4%)のみ10%を超える結果であった。WEBページが表示されるまでの平均時間でもソフトバンクの5.11秒、auの6.28秒に比べてドコモは10.61秒と唯一10秒以上かかる結果となり、ネットワーク通信の課題が浮き彫りとなった。

 9月20日にアップルのiPhone 5s/5cが発売され、各キャリアの料金プランに大きな差がないことから、ネットワーク通信の優位性が競争の焦点となった。さまざまな調査機関やシンクタンクが各キャリアのiPhone 5s/5cを使って通信速度や繋がりやすさを調査している。各機関の調査結果をみると通信速度でドコモの苦戦が続いているが、今回の調査でMMD研究所が定義した「パケ詰まり」でも、ドコモの一人負けという結果になった。

 MMD研究所は今年の6月に同様の調査を同じ駅、同じ時間帯で行っている。6月と9月の結果から各キャリアの状況をみてみたい。

 まずドコモであるが、6月はAndroid端末の「Xperia Z SO-02E」で調査している。パケ詰まり率は4.9%、当時も3キャリアのAndroid端末の中では最も悪いスコアであった。加入者の純減が取り沙汰されているとはいえ、国内最大の通信キャリアとしてまだまだ多くの加入者を抱えており、特に全国隅々まで安定した電波を構築する必要があるドコモ。音声通話利用者も多いことから、3G方式の通信にも十分に配慮しなければならない為、人口が集中する時間帯やエリアでは、通信の速度や接続率の低下が避けられないようだ。

 一方、今回から採用されたiPhoneも初めに紹介した通り最も悪いスコアとなった。Androidで対応している1.5GHz帯のLTE方式にiPhone 5s/5cは対応しないことや、プラチナバンドと呼ばれる800MHz帯の基地局数がauの3.1万局に比べ0.2万局と大幅に遅れをとっている点が調査結果に表れている。通信ネットワークインフラの改善・整備を急ピッチで進めていく以外に一人負けから抜け出す方法はないが、「ガラケーのままで十分」とスマホ化に移行しないユーザーや、Androidユーザーも多く抱えるため、幅広いニーズに対応しなければならず、課題解決の道は簡単ではないだろう。

 次にauをみてみる。6月はAndroid端末の「HTC J butterfly HTL21」と「iPhone 5」でそれぞれ調査している。「HTC J」はパケ詰まり率0%で、プラチナバンドに対応した通信環境の威力を十分に発揮していた。一方の「iPhone 5」はパケ詰まり率20.4%とAndroidとは対照に悪いスコアであった。「iPhone 5」は800MHzに対応しておらず、2.1GHzのみであったため、通信ネットワークに課題を抱えていた。 今回、iPhone 5cで大幅な改善となり、前評判通り、プラチナバンド対応の効果が大きく出ているといえる。

 最後にソフトバンク。6月はAndroid端末の「AQUOS PHONE Xx 203SH」と「iPhone 5」で調査していた。「AQUOS PHONE Xx 203SH」はパケ詰まり率0%でauと同率1位だった。ソフトバンクのAndroid端末で採用するAXGP(TDD-LTE)方式はPHSの基地局を活用でき、その点で人口の多い都市部で密なエリアを構築できているのではないか。

 iPhone 5はパケ詰まり率2.3%でauのiPhone 5に比べて非常に優秀なスコアであった。これは2.1GHzとイー・アクセスが持つ1.7GHzのダブルLTEにより混雑状況をそれぞれで共有し、対応していることによる成果と考えられる。ソフトバンクは全社でiPhoneの販売を推進していることから、他のキャリアに比べてiPhone保有比率が高い。今回のパケ詰まり調査でも最優秀スコアをマークした要因は、ダブルLTEを75Mbpsに高速化した「倍速ダブルLTE」の対応が順調に進んでいることだと考えられる。
《RBB TODAY》
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