安心して登山するにはどのキャリア? 世界遺産登録の富士山でスマホの通信速度をチェック!! | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

安心して登山するにはどのキャリア? 世界遺産登録の富士山でスマホの通信速度をチェック!!

ブロードバンド 回線・サービス
富士宮口 五合目にて
  • 富士宮口 五合目にて
  • 最高峰 剣ヶ峰にて
  • 山頂の計測結果
  • 登山道の計測結果
  • 富士宮ルート 山頂
  • ご来光を拝みながら、、、
  • ご来光の様子
  • 山頂で計測中
 ついに、ユネスコの世界文化遺産に登録された富士山。7月1日の山開き以来多くの登山客でにぎわっている中、11日、NTTドコモとソフトバンクモバイルはともに、富士山頂付近においてLTEサービスの提供を開始した。NTTドコモは山頂・登山道・山小屋において「Xi」サービスの提供を、ソフトバンクモバイルは山頂付近にて「SoftBank 4G LTE」サービスの提供を開始。さらにKDDI(au)についても、八合目で「au 4G LTE」サービスを提供する他、16日からは山頂付近でも同サービスを開始するとしている。各通信キャリアも今回の世界遺産登録にあわせて通信環境の整備に力を入れてきたようだ。

■3キャリアのスマホで通信環境をチェック!

 そこで早速、富士山の通信環境について実態を探るべく、各社のスマートフォンを持ち調査へ向かった。使用した端末は、NTTドコモ「Xperia A SO-04E」、KDDI(au)「INFOBAR A02」、ソフトバンクモバイル「ARROWS A 202F」というAndroid端末3機種と、KDDI(au)およびソフトバンクモバイルの「iPhone 5」。速度調査には「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用。同一箇所で3回計測し、その平均値を算出している。

 高地に慣れていない状態で速度計測と登山を並行する自信が無かったため、初日は山小屋に宿泊し、本格的な計測は翌朝から始めることに。参考までに、宿泊した赤岩八合館(御殿場ルート、七合九勺)では、ドコモ「Xperia A」、KDDI「INFOBAR」、ソフトバンク「iPhone 5」がLTE通信可能で、下り最速はドコモ「Xperia A」の13.01Mpbs、上り最速はKDDI「INFOBAR」の9.73Mbpsだった。ソフトバンク「ARROWS A」は3G通信で下り平均が1.58Mbps、KDDIの「iPhone 5」については圏外のため計測不能だった。

■山頂も登山道も、ドコモが圧倒

 翌朝は早朝から山頂を目指し、ちゃっかりとご来光を拝んだ後、計測に臨んだ。富士宮ルート山頂の浅間大社奥宮から、御殿場ルート山頂の銀名水、吉田ルート山頂にある山小屋の休憩所、大沢崩れ上部、そして日本最高峰地点である剣ヶ峰まで、じっくりと“お鉢巡り”しながら速度を計測。その結果、唯一ドコモ「Xperia A」だけが全箇所でLTE通信可能で、抜群の安定感をみせた。浅間大社奥宮や吉田ルート山小屋では下り平均20Mbps越えを記録し、上り速度も銀名水を除けば常に4Mbps以上。特に、銀名水および大沢崩れ上部では他のキャリア・端末が全て計測不能と全滅であり、ドコモの強さが際立った。ドコモに次いでつながったのはソフトバンクの「iPhone 5」。浅間大社奥宮では3回の計測中1回のみLTE通信となり、平均速度も下り7.82Mbps、上り3.34Mbpsとまずまず。剣ヶ峰でもLTE通信につながったが、ここでは下り平均1.97Mbpsと今一つ速度が出なかった。KDDI「INFOBAR」は、麓からの電波を上手く拾ったのか、浅間大社奥宮でLTEにつながり、下り平均6.43Mbps、上り平均6.02Mbps。しかしそれ以外は、一瞬3Gにつながる場所もあるものの、満足に通信はできず計測不能という結果に。KDDIの「iPhone 5」に関しては、浅間大社奥宮でかすかに3G通信ができた以外はほぼつながらないという状態だった。

 山頂での計測を終え、下山は富士宮ルートを選択。各山小屋の付近で速度計測を行った。山頂に比べると、どの端末・キャリアも概ねつながりやすい印象を受けたが、やはり強かったのはドコモ「Xperia A」。全てのポイントでLTEが途切れず、九合五勺の「胸突山荘」では下り最速30Mbps越えを計測し、平均で25.40Mbps。その他ポイントでも下り平均で15Mbpsを下回ることはなく、上り平均も3Mbpsから6Mbpsで安定していた。ソフトバンク「iPhone 5」も比較的安定してLTEにつながったが、八合目「池田館」で下り平均9.96Mbps、上り平均6.70Mbpsを記録した以外は、下り平均で1.41Mbpsから3.71Mbpsと振るわなかった。KDDI「INFOBAR」はLTEにつながれば下り平均4.33Mbpsから8.22Mbpsを記録したが、波が激しくやや不安定。ソフトバンク「ARROWS A」は、下り平均1.33Mbpsから4.75Mbpsで、極端につながらないポイントはなかった。しかし、山頂も含めて一度も4Gにつながらなかったのは残念なところ。山頂がほぼ全滅であったKDDIの「iPhone 5」だが、下山ルートでもかろうじて通信できるにとどまり、下り平均0.29Mbpsから1.18Mbpsとかなり厳しい結果となった。

 総じてみると、ドコモが頭一つ抜けた結果となった。ソフトバンクは、「SoftBank 4G LTE」に対応する「iPhone 5」は比較的つながるが、「SoftBank 4G」に対応するAndroid端末はやや苦しい結果に。KDDIについては、調査時、山頂のLTEサービスが正式にスタートしていなかったこともあり、今後の整備に期待したいところ。特に、「iPhone 5」、2.1GHz帯の環境整備はもう少し頑張ってもらいたい。

 今回、筆者は初めて富士登山を経験した。ロクな準備もせずに急きょ来たこともいけなかったのだろうが、想像していたよりも遥かに苦しかった。とにかく無理をせず、自分のペースを守って登ることがいかに大切かということを身を持って学んだ。複数人で登山に行けば、それぞれ体力差もあり、全員同じペースで進むことは難しい。そう考えると、安定して電波が届き、メールや電話がストレスなくできることは非常に重要ではないかと思う。電波が安定していることは、電池の持ちにも影響する。また、山頂で特に多かったのが、その場で撮った写真をすぐにFacebookなどSNSにアップしている人だ。これは筆者も登ってみて感じたが、富士山の山頂のような場所に行くと、今特別な場所にいるよ!ということをリアルタイムに伝えたい気持ちになる。そんな時、LTEの高速回線が使えることは、山に登るモチベーションのひとつになるのではないだろうか。
《白石 雄太》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top