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【ウェブユーザビリティ洞察】生涯使えるコンピュータスキル……ニールセン博士のAlertbox

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【オンラインの読者向けのライティング】

 インターネットやイントラネットなどのインタラクティブなメディア上できちんとしたコミュニケーションができるということが、仕事のスキルとしての重要さを増している。大規模な調査から明らかになったのは、印刷物を読むのとはかなり違う読み方をオンラインではユーザーはするということだった。したがって、生徒にはハイパーテキストの書き方を教えるべきであって、印刷される文書の書き方を単に教えるということをしてはならない。

【コンピュータを使ったプレゼンテーションスキル】

 うまい話し手は、箇条書きを見せて聴衆を眠らせるためではなく、自分のプレゼンテーションを魅力的にするために、どのようにPowerPointを利用するのかを知っている。ビジネスプロフェッショナルのほとんどはしっかりとしたプレゼンテーションスキルが出世には欠かせないことを認めてはいる。しかし、今日のプレゼンテーションはコンピュータを使ったものが多いため、言いたいことを人に伝えるためには、純粋なスピーチのうまさ以上のものが必要であることを理解している人は少ない。

 生徒の多くは自分のプロジェクトの発表にPowerPointをすでに利用してはいる。スライドを投影する仕組みということにとどまらない、コンピュータを使った効果的なプレゼンテーションスキルというものを彼らには教えるべきである。

【作業スペースの人間工学】

 生活のコンピュータ化が進むにつれて、手根管症候群や「ブラックベリー指」のようなRSI(反復性ストレス障害)によって痛みを感じる人が増えている。自分の健康をどうやって守り、実証された人間工学ガイドラインに従って、どのように作業スペースをセットアップするかを教えるべきである。そこでの最初のルールとは、休憩を頻繁に取って、立ち上がることである。しかし、それにはさらに多数の規則が続いており、そこにはモニターの位置や椅子や机の高さ、照明も含まれる。ほとんどのコンピュータの配置は健康を害するものになっており、頭痛や腰痛、RSIを誘発しているからである。

【デバッグ】

 誰も彼もプログラマーにならせる必要はないが、デバッグの基本概念というのはこのコンピュータの時代には欠かせないサバイバルスキルだろう。例えば、ほとんどのスプレッドシートには数式エラーがあるものだが、こうした間違いの見つけ方を知らない限りは、間違った数字をベースに判断することになってしまうからである。

【ユーザーテストなどの基本的ユーザビリティガイドライン】

 すべての子どもがプログラマーになる必要がないのと同じく、彼ら全員をユーザビリティの専門家やインタラクションデザイナーにする必要もない。そうは言っても、インタラクティブな環境でビジネスを行う機会が増えれば増えるほど、インタラクションを容易にするための基本原則を理解することがより重要にはなってくる。「再認 vs. 再生」あるいは「一貫性」のようなユーザビリティのヒューリスティックスを理解することは、カエルの解剖の経験と同じくらい、教育を受けた人には重要になるだろう。

 これまで以上にコンピュータ化される商品カテゴリーが多くなり、操作がまずます複雑になるにつれて、自分の役に立つ商品を買うことのできる知識を備えた消費者になるために、商品の使いやすさをシンプルに判断できる能力が必要になるだろう。

 また、大人としてユーザーテストを行うことが一度もなくとも、すべての子どもは学校で一度はそれを試すべきだと思う。テストの運営は、多数のユーザビリティの重要概念についての認識を深める、シンプルかつ効果的な方法だからである。例えば、先生は子どもたちにさまざまなトピックについての小さなウェブサイトを作らせて、そのサイトがどのくらいうまく情報を伝えられているかを確認するためにお互いにテストさせればよい。他の子どもが自分のサイトの内容を理解できない様子を見るのは、先生の赤ペンの入った自分のエッセイよりも、ずっとやる気をおこさせるものである。

 The New Division of Labor: How Computers Are Creating the Next Job Marketという著書の中で、Frank LevyとRichard J. Murnaneは将来、海外に移転されたり、自動化されたりする可能性の低い重要なスキルが3点あると強調している。それは、問題解決スキル、概念同士の関係を理解するスキル、対人コミュニケーションのスキルである。今回、私が概説している生涯にわたるコンピュータスキルも、そうしたスキル同様、グローバル化が進んでも持続可能なキャリアを生徒が身につける準備となるだろう。

【さらに詳しく】映画の中のユーザビリティ間違い・トップ10デジタルデバイド: 3つのステージ産業革命のUndoサービス産業の生産性情報洪水から逃れるための10ステップ

※この記事は、ユーザビリティ研究者ヤコブ・ニールセン博士が運営するサイトuseit.comで連載中のコラム『Alertbox』の転載・翻訳記事です。株式会社イードが運営する「U-Site」では、博士からの正式な許可を得て同コラムの全編を日本語訳し公開しています。

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