【インタビュー】FTTHは複数年契約プランが好調……九州通信ネットワーク | RBB TODAY

【インタビュー】FTTHは複数年契約プランが好調……九州通信ネットワーク

エンタープライズ 企業
九州通信ネットワーク(QTNet) 代表取締役社長 秋吉廣行氏
  • 九州通信ネットワーク(QTNet) 代表取締役社長 秋吉廣行氏
  •  
  •  
  •  
 2011年度のRBB TODAYブロードバンド アワードにおいて、九州通信ネットワーク(QTNet)の光ブロードバンドサービス「BBIQ」が、4年連続で九州地域におけるベストキャリアの部およびサポートの部で、ともにNo.1に選ばれた。また、今回、番外編として設けられた長期利用率の部でもNo.1に輝いた。同社の今後の戦略について、代表取締役社長 秋吉廣行氏を直撃した。

―― 今年度の事業戦略について教えてください。

 九州エリアは他の地域と同様、全国展開する大手キャリアとの厳しい競争が展開されています。競争に勝つためには、お客様のかゆいところに手が届くようなサービスを行っていくことが重要です。たとえば、当社のお客さまセンターに「PCの無線LANの設定をどうすればいいのかわからない」という質問が寄せられることがあります。本来ならばPCメーカーやネットワーク機器メーカーのサポート範囲ですが、当社の窓口では、きちんとご対応しています。こうした部分を強みとして訴求していかないと、全国規模の大手通信キャリアに対しては人数や資金力ではかないません。

―― 価格競争も激しくなってきていると思いますが。

 はい。2012年7月に「BBIQつづけて割ビッグ」という、複数年契約の大幅割引料金プランを導入しました。これは5年間の利用を約束いただくことで、定額プランのホームタイプ100メガコースが4620円/月、ギガコースが4935円でご利用いただけます。また、2段階定額料金のSTEPプランをお選びいただく場合も、5年契約ならば3990円~4982.25円/月と全てのプラン・コースで5000円を切るお得な料金設定となっています。「BBIQつづけて割」には3年契約と5年契約があるのですが、お客様からは、5年契約の「BBIQつづけて割ビッグ」のほうが反響が大きいですね。新規のお申し込みのほとんどは5年契約です。メニュー設定当初は、3年契約の申込みもかなりあるものと考えたのですが、意外なことに、そうではありませんでした。

―― サービス面での直近の動向はいかがでしょうか。

 昨年の12月から1Gbpsのサービス「ギガコース」を開始し、3月にはエリア拡大も行いましたが、これが非常に好調です。「100メガコース」の料金にプラス315円で高速な回線をご利用いただけます。また、2年ほど前からスタートした「BBIQリモートサポートサービス」も、ここにきて好調になっています。これは、リモートデスクトップを利用して、お客様のPCのトラブルシューティングを行う月額525円のオプションサービスですが、昨年から積極的にお客様にお勧めしたところ、ようやく認識していただけたという印象です。それから、福岡エリアと鹿児島エリアで展開中の「BBIQ光テレビ」は、ハイビジョン放送のチャンネルを20チャンネルほど増やしました。

―― 地デジ化や家電エコポイントのニーズが終了した現在、光テレビの契約者数の動きに大きな落ち込みなどはありますか?

 当社光テレビの福岡エリアでのサービス開始は2010年と遅かったこともあり、地デジ化のニーズも終盤に差し掛かっていました。また、家電エコポイントに乗じた特別なキャンペーンも行っていませんでした。そのため、落ち込みなどはなく、数字としては、むしろサービス開始以来、コンスタントに増加しています。

―― スマートフォンのユーザー増加とインターネット回線の利用は切り離せません。何か施策を設けられていますか。

 今年の3月から、ソフトバンクモバイルとクロスセル契約を結び「スマホBB割 with BBIQ」という料金プランを提供しています。これは、当社の「BBIQ」および「BBIQ光電話」と、ソフトバンクモバイルのスマートフォンをセットでご利用いただくことで、スマートフォンのパケット通信料が月額430円割引(最大5回線)になるというものです。競合となる「auスマートバリュー」では、1470円と割引額は大きいですが、au自体の料金設定が高いため、「スマホBB割 with BBIQ」では430円の割り引きで、月々のパケット通信料は同額となります。

―― 通信事業者の成長戦略として、契約者数を伸ばすという方向とARPUを向上させていくという方向があります。御社ではどのように考えていますか。

 どちらも大切な戦略だと考えています。ARPUを向上させていくという意味では、「BBIQ光テレビ」「ギガコース」「BBIQリモートサポートサービス」などの、付加価値の高いサービスを積極的に提供しています。光テレビのハイビジョン放送化なども、そうした取組みの一環です。ギガコースについては、やはり高速な回線だからこその魅力的なコンテンツを用意する必要があるでしょう。ビデオオンデマンドなどが有力ですが、具体的なサービスについては、これからです。どことパートナーシップを組むかを検討していかなければなりません。エリアカバー率については、当社のビジネスエリアにおける世帯カバー率は60%、一方で、NTT西日本は90%近いカバー率です。これを“伸びしろがある”と見るのかどうかが難しいところですね。

―― 九州エリアは、FTTHの普及率が全国に比べて低いということで、総務省が推進する自治体へのブロードバンド整備にも取り組まれていますね。

 はい。九州エリアのFTTH普及率は、2012年4月の段階で30.9%で、同時期の全国の普及率41.7%からみると、低いと言わざるを得ません。普及率の推移を見ると全国に対して31.0ヵ月ほど遅れています。離島や山間地域が多いことや、人口に占める年齢が高いことも理由だと思います。総務省の取組みについては、当社も参画しており、これまで福岡県添田町(4,400世帯)、熊本県御船町(6,000世帯)、熊本県苓北町(3,200世帯)の3自治体において、各自治体が整備したブロードバンド基盤を活用して、BBIQサービスを提供しています。いわゆる公設民営という構築方式で参画しています。

―― 現在、光テレビのサービスを提供しているのは福岡と鹿児島のみですが、これを他の地域にも展開していく予定はありますか。

 エリア展開については、ニーズを見ながら検討していきたいと考えています。人口が多いところから展開したいと考えますが、そう簡単にはいきません。他のエリアには、すでにそれぞれの地元に密着したCATV会社がサービスを展開されており、今後の検討課題と認識しております。

―― 法人向けのサービスはいかがでしょう。

 ざっくりと言えば、当社の売上の約半分がコンシューマ向け、残り半分が法人向けという構成です。法人向けサービスでは、FTTHを利用した低コストの多回線電話サービスが好調です。これはBBIQを使って4~32回線の電話が使えるというものです。当社では、VLANを使った200回線規模の電話サービスも提供を開始しました。低コストのサービスを提供することで、お客様がそちらに流れてしまうことも危惧したのですが、蓋を開けてみれば、杞憂に終わりました。拠点は広域WANを利用したVLANサービス、小規模な事業所はFTTHを利用したIP-VPNサービスと、お客様のほうで、きちんと特徴を把握し、使い分けられているようです。

―― 震災に伴う景気の影響はありましたか。

 九州エリアは震災の影響が軽微で済んだこともあり、大きく落ち込むことはなかったと考えています。また、震災以降、DR/BCPを見据えたデータセンターのニーズがあるようです。グループ内に、データセンターサービスを提供する会社があるのですが、そこで当社の回線を一緒に申し込まれるお客様もいらっしゃいます。

―― 最後に今後のビジネス展開について教えてください。

 今後は、FTTHとスマートフォン、タブレット型端末、そしてテレビを、いかに組み合わせて魅力的なサービスを作るかが大きなテーマとなります。
《RBB TODAY》

関連ニュース

特集

page top