【インタビュー】電通がもつ、もう一つの顔……BtoBプロジェクト「INNOLUTION」 | RBB TODAY
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【インタビュー】電通がもつ、もう一つの顔……BtoBプロジェクト「INNOLUTION」

エンタープライズ 企業
電通グループのノウハウが凝縮されている
  • 電通グループのノウハウが凝縮されている
  • インタビューに応えてくれた、電通 関西支社の中村氏
  • BtoB企業のサポートについて、熱く語ってくれた
  • BtoB企業に対する支援施策をまとめたパンフレット『INNOLUTION(イノリューション)』
  • BtoB企業に対する支援施策をまとめたパンフレット『INNOLUTION(イノリューション)』
  • 多岐にわたる電通の事業領域
 「電通」が持つ、「広告」以外の顔。それが、電通関西の主導するBtoBプロジェクトだ。

 同プロジェクトを進化させるため、電通関西が新たに作成したのが、BtoBビジネスにおける企業マーケティングやコミュニケーション活動に対する支援施策をまとめたパンフレット『INNOLUTION(イノリューション)』。

 今回、作成の背景や今後のBtoBクライアント拡大に向けた電通のビジョンなどについて、『INNOLUTION』作成を担当した電通 関西支社 ビジネス・ディベロップメント・センターの中村 誠氏に話を聞いた。

■『INNOLUTION』作成の背景や想い

 言葉としての『INNOLUTION(イノリューション)』だが、これは「『innovation(イノベーション)』と『solution(ソリューション)』という言葉を組み合わせた造語」だそうで、「電通が持っているノウハウやスキルを、BtoBビジネスを展開する企業に『ソリューション』として提供することで、クライアント企業の『イノベーション』につなげていきたい」という想いが込められている。

 作成の背景としては「かつては、“良いもの”を作りさえすれば売れるという時代がありました。それは、国内の企業間取引というものが、ルートセールによるところが大きかったから。しかし今日、日本企業が海外へ、海外企業が日本へと進出する中で、“良いもの”を作っても、その良さを知ってもらわなければ興味を持ってもらえない。そこで、日本企業、特にBtoB企業が不得手としているマーケティング全般について、電通が持つノウハウを提供することで支援し、企業成長に寄与していきたい。というところで、ソリューション・ノウハウを一覧にまとめました」と中村氏は語る。

 「電通には『広告』というイメージがありますが、(このパンフレットには)広告以外にも、広告に紐づいたブランディングやマーケティングなど、企業全体を支えていくありとあらゆるものを4つの領域に分けて紹介しています。『情報』『企業資産』『人材』『製品・サービス』、古い言い方で言えば、ヒト・モノ・カネ、プラス情報、全方向からお手伝いできるということを知っていただきたかった」と述べた。
 
■『広告』外の領域においての電通の強み 

 「広告」以外の部分、そこには当然広告業界とは別の競合他社が存在するが、市場を獲得していく上で、電通には2つの強みがあると中村氏は語る。「1つは、例えばコンサルティングを主体としている会社と比べたときに、広告や展示会など、実際に物を納める、実行に移す、というノウハウが貯まっており、それらをコンサルティングの過程の中で提供できること。2つ目は、多岐にわたる領域に関して、グループとしてのノウハウを持っていること。電通単体ではなく、グループとして提供できるものを(INNOLUTIONには)まとめています」と、課題発見から施策実行まで、多様なメニューの中からワンストップで提案できる点を強調した。

 『INNOLUTION』は、神戸大学大学院経営学研究科 マーケティング論専攻の南 千恵子教授との共同開発により完成した。クラウド・コンピューティングやソーシャル・メディアなど、プラットフォームとなる技術が近年劇的に変化してきている中で、アカデミックな知見も大いに生かされたという。

 「電通のINNOLUTIONは、まさしく新しい技術環境下で、サービスを統合する方法により、顧客企業の価値を高めるというパッケージ提案であり、統合型サービスのパッケージ化は、顧客にとって経営課題の解決のための導入コストを抑えられると同時に、課題解決においてスピードアップが実現される」(南教授)という。

 なぜ電通に期待できるのか、という点では南教授は「(電通には)これまで顧客のビジネスの訴求点をつかみ、より広くそれをコミュニケートすることを中心として企業の活動を支援してきたことにより、顧客との関係性に基づく蓄積されたノウハウがあるから」と説明する。

■なぜ関西主体なのか

 次に思い浮かぶ疑問は、なぜ電通本社ではなく、関西支社が主体となっているのかという疑問だ。中村氏は、「市場構造をみた時に、東京に比べて関西のほうが、BtoB関係の企業が多い。なので、10年前から関西が主導でBtoB企業向けのソリューション提供プロジェクトを立ち上げて今に至っており、BtoBということでは、関西支社が電通グループ内で先行しています」といい、BtoB企業については「挙げればキリがないほど」という。

 そういった理由で、プロジェクトの中心は関西支社だが、東京の営業担当者から話がきたり、その扱いは全国的に広がっているという。基本的には営業が各クライアントの話を聞きながら、中村氏らのBtoBプロジェクトチームがソリューションを提供していくという推進体制をとっているとのこと。

■“紙”である意味

 いまやFacebook等のSNSサービスをはじめとして、WEBを使ってのコミュニケーションが当たり前になっている中で、なぜ紙のパンフレットというかたちにしたのかというと、「一番の理由は、直接クライアントと会って、話をして、課題領域を探っていくために使いたいからです」と中村氏。

 『INNOLUTION』では、企業が抱える課題領域を、4領域・14の項目に分類しているが、「その中で、一体どこに課題があるのか、企業側が把握できていないことも多い。そうした時に、(課題領域といった)学術的な方面からの話、個別の施策に落とし込んだ方面からの話、その両側面で話を進めるには、紙ベースで直接お会いして、お話するというのがより良いサービスにつながっていくと判断しました」とした。まずクライアント企業と電通とのコミュニケーションを一番にかんがえた結果、“紙”という答えにたどり着いたというわけだ。

■BtoB企業が抱える課題 今後のビジョン

 一般消費者からすると見えにくい部分ではあるが、BtoBの企業が持つ技術は、BtoCの商品や、生活に係る重要なものが多いという。また、日本として海外に売っていくものも、BtoBの領域に多くなっており、日本経済の根幹の部分であるともいえる。

 そんな中、BtoBの企業からは、「企業ブランディングをきちんとやりたい。ただ、売りにもっとつなげたい。」「新しい製品や事業を考えたいが、社内ではアイデアが枯渇しているので何とかならないか?」といった意見や課題が多数寄せられているという。中村氏は、「(BtoBの企業が)中々上手く売れない、苦戦をしている。というのを見ると、我々のような、マーケティングをやっている人間がサポートしていくべきだと思います」と述べた。

 電通として、今後BtoBクライアントを増やしていく上でのビジョンを最後に聞いた。「今は、マーケティング活動そのものへのニーズが高まっている、必要だと感じてくれる企業が増えてきている、というのが大きな流れです。そうしたものをしっかり捉えた上で、(これまで電通が)BtoC含めて色々な企業のお手伝いをしてきた、広告だけではない部分のソリューションを用いて、BtoB企業の成長に寄与していく。広告だけではなく、(電通グループの)総力でお手伝いしていくというところです」と、今後のビジョンについてまとめてくれた。
《白石 雄太》
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