NICT、光ファイバの伝送容量を通常の19倍以上にする実験に成功……毎秒305テラビットの信号伝送 | RBB TODAY
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NICT、光ファイバの伝送容量を通常の19倍以上にする実験に成功……毎秒305テラビットの信号伝送

ブロードバンド テクノロジー
今回用いた結合装置の概要(イメージ図)
  • 今回用いた結合装置の概要(イメージ図)
  • 19コアファイバの断面
  • マルチコアファイバでの信号の干渉(クロストーク)のイメージ図
  • マルチコアファイバとシングルコアファイバとの接続
  • 近年の光ファイバ通信技術の進展
 情報通信研究機構(NICT)は8日、古河電工およびオプトクエストと共同で、光通信において「19コアファイバ」を利用し、世界最高記録となる毎秒305テラビット、伝送距離10kmの信号伝送実験に成功したことを発表した。

 シングルコアファイバでは、毎秒100テラビットを超える伝送には限界があるため、近年、マルチコアファイバの研究が始められている。NICTは、2011年、7コアファイバによる伝送実験を成功させた。一方で、マルチコアファイバの伝送では、信号の干渉による品質の劣化や複数のコアからの同時信号抽出の難しさから、7コアを超えることは困難とされていた。

 この実験では、古河電工が製造した「19個の通路(コア)を持つ新型の光ファイバ(マルチコアファイバ)」と、オプトクエストが製造した「7から19のコア可変の空間結合装置」が利用され、世界で初めて、19コア×100波長×172Gbps=305Tbps(誤り訂正による7%冗長性を除く)の信号伝送を可能とした。今後さらなるコア数の拡張や1コア当たりの伝送量を増やすことも可能であるため、将来的には、1本の光ファイバでペタビット級の超大容量伝送が期待できるという。通常の家庭用光ファイバサービス(FTTH)は、最大でも毎秒1ギガビットほどの速度であり、1ペタビットはその100万倍に当たる。
《冨岡晶》
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