【テクニカルレポート】FlexPod for VMware上でMicrosoftアプリケーションを実行するメリット(後編)……Tech OnTap | RBB TODAY

【テクニカルレポート】FlexPod for VMware上でMicrosoftアプリケーションを実行するメリット(後編)……Tech OnTap

エンタープライズ ソフトウェア・サービス

図2)VMware環境と物理環境におけるExchangeのパフォーマンス比較
  • 図2)VMware環境と物理環境におけるExchangeのパフォーマンス比較
  • 図3)クローンベースのプロビジョニング、シンプロビジョニング、重複排除機能の併用によって削減できるストレージ
  • 図4)Microsoftアプリケーション用の包括的なDRソリューションを構成する要素
■パフォーマンス

 仮想環境内のMicrosoftアプリケーションの使用状況を検証するため、これまでにも綿密なパフォーマンス調査が実施されてきました。VMwareとNetAppを使用した環境でも、Exchangeのパフォーマンステストが幅広く行われています(テストは主にExchange 2007を使用して行われていますが、Exchange 2010ではI / Oが大幅に削減されているため、Exchange 2007で適切なパフォーマンスを達成できれば、Exchange 2010では優れたパフォーマンスを達成できるはずです)。

 図2に、VMware環境でExchangeを運用した場合のパフォーマンスの概要を示します。ご覧いただくと分かるように、仮想サーバと物理サーバのパフォーマンスの差は常に5%以内です。ユーザ数が4,000人でも、CPUの負荷はわずか25%です。物理環境と仮想環境におけるヘビーユーザとCPUの数は、横軸に示されています。

 VMwareは、Microsoft SharePoint Server 2007とMicrosoft SQL Serverに対しても同様のパフォーマンス調査を実施しました。SharePointの調査では、1台の物理サーバ上で、最大171,600名のSharePointヘビーユーザをサポートできることが実証されました(この物理サーバではvSphereを使用しており、さまざまなSharePointロールごとに個別のVMをホストしていました)。また、50,000名のユーザをサポートするSharePoint 2010環境の詳しい調査も実施済みで、まもなくCVD(Cisco Validated Design)が公開される予定です。

 Cisco UCSとNetAppのストレージは、このほかにもMicrosoftアプリケーションのパフォーマンスを向上させる機能を備えています。

 コンピューティングの面では、FlexPodは2種類のコンピューティング・ブレードを採用しています。一般的なワークロードには、BシリーズB200 M2ブレードサーバが、メモリを大量に使用するワークロードにはB250 M2 拡張メモリブレードサーバが適しています。大規模なExchange環境と大規模なSQL Serverデータベースのパフォーマンスには、大容量のサーバメモリが欠かせません。大容量のサーバメモリを使用すると、物理ディスクのI / Oが削減されるため、たとえば1台の物理サーバに多くのExchangeメールボックスを配置することが可能になります。

 各FlexPod構成に搭載されているNetApp Flash Cacheモジュールは、読み取りによる遅延を低減し、一定レベルのパフォーマンスの達成に必要となるスピンドル数を削減します。また、仮想環境で一度に多数のVMをブートするときに発生するブートストームの影響も大幅に低減します。

 Microsoft Exchange 2010環境でNetAppが行ったベンチマークテストでは、Flash Cacheを追加することでIOPSが2倍になり、サポート可能なメールボックス数が67%増加しました。
■パフォーマンス向上を実現するオプション機能

 FlexPod for VMware構成にCisco Application Control Engine(ACE)モジュールを追加すると、アプリケーションの負荷分散、ネットワーク・トラフィックの制御、サービスの冗長化、リソース管理、アプリケーションのアクセラレーション / 最適化などの機能の使用が可能になります。リモートのオフィスやモバイルユーザをサポートする必要がある場合は、Cisco WAASによってWANを最適化することで、Eメールにアクセスしたり、SharePointサイトにファイルやフォルダをアップロード / ダウンロードするリモートユーザに、より迅速にアプリケーションを提供することができます。

 また、FlexPodにセキュア・マルチテナンシー(SMT)を実装すると、エンドツーエンドでQoSを実現することが可能となり、特定のアプリケーションのワークロードを別のワークロードより優先できます。この独自のSMT機能が、すべてのインフラレイヤ(サーバ、ネットワーク、ストレージ)でQoSを実現します。通常の環境では、1つのレイヤのみでQoSメカニズムを有効化することによって、ダウンストリームレイヤやアップストリームレイヤを制御しようとしますが、アプリケーションによって特性が異なるため、CPU、ネットワーク、I / Oのうち、何が集中的に使用されるか分かりません。単純にI / Oを制限するだけでは、CPUを大量に消費するアプリケーションのCPU利用率を制御することはほぼ不可能です。

 FlexPodのQoS機能を使用すれば、重要度が非常に高いワークロードに対して常に必要なリソースを割り当てられるようになるため、期待どおり(あるいは期待を超える)のパフォーマンスを実現できます。さらに、サービスレベルの低下を心配することなく、リソースの使用量を増やして効率化を図ることが可能となります。

■効率化

 FlexPod for VMwareを使用すると、インフラへの投資を最大限に活用しながら、業務を簡易化し、IT担当者の負担を軽減できるため、Microsoftアプリケーション環境の効率が向上します。

 従来のMicrosoftアプリケーション環境では、アプリケーションロールごとに1台の物理サーバが使用されています。データベースサーバやExchangeメールボックスサーバは、物理リソースをフルに活用することもありますが、その他のサーバロールでは、貴重なリソースがアイドル状態になっていることも珍しくありません。FlexPod for VMwareを導入すると、こうした多数のサーバロールを単一の仮想サーバに統合し、必要に応じてリソースを調整することができます。vMotionは、この機能をさらに強化するテクノロジで、必要なときにシステムの停止を伴わずに負荷の高いVMを別のハードウェアに移動することができます。

 FlexPodは、2つのタイプのサーバブレードを採用しているため、ニーズに最適なタイプのブレードにVMを配置することができます。また、B250 M2拡張メモリブレードサーバに実装されているCiscoメモリ拡張機能を使用すると、VMの密度を非常に高くしたり、大量のメモリを必要とするVMをサポートすることができます。

 NetAppは、VMware vStorage APIs for Array Integration(VAAI)をサポートしているため、プロビジョニングなどの、データに関する重要なタスクを、サーバからストレージにオフロードできます。NetAppとVMwareは、Virtual Storage Console(VSC)を通じて統合されているため、vCenterを使用して作業をするVMware管理者は、NetAppの基本機能を活用して大幅な効率化を図ることができます。

 VSCのプロビジョニング / クローニング機能には、NetApp FlexCloneテクノロジ(FlexCloneの詳細は、本Tech OnTapの『Back to Basics』(英語)を参照)を使用してベースラインから新しいVMを効率よくクローニングする機能や、ストレージパスを管理および保護する機能、重複排除とシンプロビジョニングを設定してストレージを効率化する機能、データストアのサイズを変更する機能が含まれています。FlexCloneを使用してプロビジョニングを行うと、クローンは変更が加えられたときにのみ追加の容量を消費するため、VMの導入に必要なストレージを大幅に削減できます。NetAppのシンプロビジョニング機能(英語)と重複排除機能を有効化すると、ストレージの所要量をさらに削減できます。

 筆者は、2009年に行われた検証プロジェクトに参加しました。このプロジェクトは、VMware、Cisco、NetAppテクノロジ上に導入されたMicrosoftアプリケーションの混在ワークロードを検証するものでしたが、プロビジョニング(FlexCloneを使用)、シンプロビジョニング、重複排除を組み合わせて利用することで、OSとMicrosoftアプリケーションバイナリをホストするVMシステムドライブのストレージ所要量を92%削減できることが確認されました。

■データ保護とディザスタリカバリを簡易化

 FlexPodには、Exchange、SQL Server、SharePointのデータ保護を簡易化するテクノロジも数多く含まれています。NetApp Virtual Storage ConsoleとSnapManagerスイートが搭載されているため、VMをスペース効率よくオンディスク方式でバックアップしたり、VM上で実行されているMicrosoftアプリケーションに対してアプリケーション対応のバックアップを実行するための機能がすべて揃っています。アプリケーションのバックアップは、NetApp SnapMirrorを使用してDRサイトに自動的に複製できます。NetAppの重複排除(無償のData ONTAP機能)を実行すると、バックアップ先とレプリケーション先でも自動的にスペース削減の効果が維持されます。重複排除によってストレージを削減することにより、DR環境への投資を強化できます。

 さらに、Cisco WAASを追加すると、WANを最適化し、最小限の時間と帯域幅でレプリケーション作業を実行することができます。また、VMware Site Recovery Manager(SRM)を併用することで、DRサイトの仮想化されたMicrosoftアプリケーションのリカバリを完全に自動化(英語)できます。

■FlexPod上でMicrosoftアプリケーションを使用するためのベストプラクティス

 最後にもう1つ、FlexPod上にMicrosoftアプリケーションを導入するメリットを紹介します。それは、Cisco、NetApp、VMwareによって、FlexPod上への導入テストが長期間かけて実施され、導入方法が完全に文書化されていることです。ここでは、ベストプラクティスの説明は控えて、皆様にお役立ていただけそうな資料を紹介したいと思います。

 先日公開されたCVD『FlexPod for VMware Deployment Model』(英語)では、FlexPod for VMwareの基盤アーキテクチャと、FlexPod for VMwareの基本構成を導入するための手順が総合的に紹介されています。

 FlexPod for VMwareは、VMware View 4.5(VDI)、Microsoft Exchange 2010、Microsoft SharePoint 2010、Microsoft SQL Server 2008R2による混在ワークロードを実行する1,500名のユーザをサポートできることがテストで実証されています。TR-3884:『FlexPod for VMware Solutions Guide』(英語)では、上記をはじめとするアプリケーションやソリューションをFlexPodに導入、追加するための一般的なガイドラインが紹介されています。TR-3785:『NetAppソリューション・ガイド VMware vSphere 4、NetAppユニファイド・ストレージ(FC、iSCSI、NFS)、Cisco Nexusユニファイド・ファブリックの統合環境におけるMicrosoft Exchange Server、SQL Server、SharePoint Serverの混在ワークロード』は、FlexPodの発表前に公開された文書ですが、TR-3822:『VMware vCenter Site Recovery Manager、NetApp SnapManager、NetApp SnapMirror、Cisco Nexusユニファイド・ファブリックを使用したMicrosoft Exchange、SQL Server、SharePoint Serverのディザスタリカバリ』と同様に、Microsoftアプリケーションの導入に役立つ重要な情報が掲載されています。

 また、Exchange導入については、先日公開されたCVD『Microsoft Exchange 2010 with VMware vSphere on Cisco Unified Computing System with NetApp Storage』(英語)にも詳しいベストプラクティスが紹介されています。このほかにも、特定のアプリケーションに焦点を当てたCVDが続々と公開される予定です。今後のTech OnTapでCVDへのリンクが紹介されると思いますので、ぜひチェックしてみてください。

■まとめ

 パフォーマンスの合理化、大幅な効率性向上、データ保護とDRの簡易化を実現するFlexPod for VMwareは、Microsoftアプリケーションの仮想化に最適な、コスト効率の高い優れたプラットフォームです。MicrosoftアプリケーションをFlexPod上で実行するためのベストプラクティスが3社共同で検証され、しかも必要なときに共同サポートを受けることができるFlexPod for VMwareは、安心して導入いただけるソリューションです。


●著者紹介

Abhinav Joshi
ソリューション・アーキテクト
Cisco

Abhinav氏は、クラウド環境のビジネス・アプリケーションをサポートするCiscoソリューションと、パートナー・ソリューションの開発と普及に取り組んでいます。Abhinav氏は、この業界で11年以上のキャリアを持ち、9年以上にわたって、データセンターの統合、仮想化、クラウドの分野で活躍しています。

Ciscoへの入社以前は、NetAppに仮想化 / クラウド・ソリューション・アーキテクトとして勤務し、エンドツーエンド・ソリューションの開発、GTM活動、ポジショニング / メッセージング、統合戦略において重要な役割を担っていました。


※同記事はネットアップ(NetApp)の発行する「Tech OnTap」の転載記事である
《RBB TODAY》

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