世界初の直視型スーパーハイビジョンディスプレー……NHK技研とシャープが共同開発 | RBB TODAY

世界初の直視型スーパーハイビジョンディスプレー……NHK技研とシャープが共同開発

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発表会に登場したNHKの永井研二氏(左)とシャープの水嶋繁光氏(右)
  • 発表会に登場したNHKの永井研二氏(左)とシャープの水嶋繁光氏(右)
  • 発表されたスーパーハイビジョン対応液晶ディスプレイ。従来のフルHDの16倍と超高解像度の映像を再生する
  • 2Dのディスプレイながら立体感、奥行き感など、臨場感が増した
  • 斜めから見た様子
 日本放送協会(NHK)とシャープは19日、都内のNHK技術研究所にて、水平7,680画素×垂直4,320ラインのスーパーハイビジョンに対応する「85V型液晶ディスプレイ」を発表した。スーパーハイビジョンはこれまで、対応するプロジェクターなどが発表されていたが、直視型ディスプレイは世界初となる。

 スーパーハイビジョンは、次世代の放送サービスと目される映像規格。2020年の試験放送を目指してNHKが中心になっての開発が進められており、グローバルでの標準化が進んでいる。画素数は3,300万画素と、現在のフルハイビジョン放送の約16倍の超高解像度映像技術で、対応するカメラや記録装置、中継技術などの開発、実験が重ねられている。発表会に登場したNHK専務理事・技師長の永井研二氏は「(本放送となると放送免許などさまざまな調整が必要となるが)2025年の実用放送をターゲットにして実験を進めている」と語った。

 展示された実機ではデモ映像が流されたが、2Dのパネルでありながら従来の高精細画像とは一線を画す立体感や奥行き感、臨場感に集まった記者達からは驚きの声が上がった。「3Dとして通用するのでは」といった声も聞かれるなど、「単に解像度が上がった」とは異なるインパクトをもたらしていた。

 発表会に登場したシャープの常務執行役員研究開発本部長兼知的財産権本部長・水嶋繁光氏も、「実際にこうしてできあがってみると、我々も今まで体験できなかった映像世界がそこにあった」と、スーパーハイビジョンの臨場感、没入感への驚きを語った。また、将来的には「(これだけ肌の質感などを再現できれば)画面を通じての診察などもできるかもしれない」など、放送だけでない映像の新しい可能性を示唆した。

 直視型ディスプレイの発表の意義について永井氏は「家庭で楽しんでいただける鍵になるのが直視型ディスプレイ」と語る。一方で、85V型とかなり大型の製品を発表したことについて、水嶋氏は「スーパーハイビジョンの良さを見せるにはある程度の大きさが必要。その意味で、85型というサイズは今後もひとつの指標になるかもしれない」と、大画面であることの重要性を示した。

 画質面でもさまざまな技術が投入されている。光配光技術「UV2A技術」など、従来からのシャープ独自技術のほか、より高度な色彩表現のために3色のバックライトを制御して色調整を行なうRGB-LEDバックライトを搭載。未来のディスプレイにふさわしい画質となっている。また、スーパーハイビジョンの16倍の画素数を実現するために、画素ピッチも高精細化。従来のフルHD85型が0.98ピッチであるのに対し、スーパーハイビジョンでは0.245ピッチと「画素が見えない」(水嶋氏)ほど精細度を向上させている。大画面化によって、信号を長い距離よどみなく通すために、配線を見直し、より抵抗の低い低負荷配線に切り換えるといった新技術の投入も数多く行なわれているという。こうした技術は同じく液晶である現在のテレビにも応用可能ということで、水嶋氏は消費電力を抑えられる低負荷配線技術なども「早晩(自社の)テレビに搭載されるだろう」(水嶋氏)と展望を語った。

 開発発表という段階ということもあり、価格については「まだコメントできる段階ではない」(水嶋氏)とした。なお、このディスプレイは5月26日から29日にかけて開催される「NHK放送技術研究所一般公開(NHK技研公開)」でも展示される予定。





《RBB TODAY》

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