「スマートフォン」牽引で携帯電話市場がV字回復、さまざまなネットビジネスに影響も…NRI予測・第2弾 | RBB TODAY
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「スマートフォン」牽引で携帯電話市場がV字回復、さまざまなネットビジネスに影響も…NRI予測・第2弾

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市場規模予測
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 野村総合研究所(NRI)は17日、2015年度までの国内を中心とするIT主要5市場の分析と規模予測を行った結果を公表した。今回は第2弾として、ネットビジネス市場6分野、モバイル市場4分野、ハード市場8分野についての予測結果が発表された。

 分析対象となったのは、ネットビジネス市場6分野(BtoC EC、インターネット広告市場、音楽配信市場、インターネットオークション、オンライン決済市場、非接触IC決済市場)、モバイル市場4分野(モバイルキャリア市場、ワイヤレス・ブロードバンド、モバイルコンテンツ、企業向けモバイルサービス)、ハード市場8分野(薄型テレビ、携帯電話端末、デジタルカメラ、車載情報端末、ゲーム機、サービスロボット、電子書籍)。

 まずネットビジネス市場は、パソコン向けに加え、携帯電話向けの市場が伸びており、全体として順調に拡大。市場全体では、2010年度の約12兆円から、2015年度には18兆円へと、約1.5倍の拡大が見込まれた。とくにBtoC EC(消費者向け電子商取引)はネットビジネス市場でもっとも大きな割合を占め、2015年度には約12兆円に達する見込み。これからの5年間、市場拡大を牽引するのは「モバイル(携帯電話向け)EC」で、BtoC EC全体に占める割合は、2010年度の17.5%から2015年度には20%を超え、金額規模で2.5兆円を突破すると見られている。音楽配信市場では、スマートフォンの普及と、音楽配信におけるクラウド化の進展が起爆剤となり、2015年度には2010年度の1.6倍となる1,020億円に達すると見られている。

 モバイル市場は、スマートフォンの台頭による事業構造の変革が大きくなっており、さまざまな市場に影響を与えることが予測される。また一人で複数台を保有したり、フォトフレームのような新たな用途の開拓で、回線契約をふやす動きが進むと考えられた。まず携帯電話の契約回線数は、2010年度の1億1,700万回線から2015年度には1億3,400万回線に増加すると予測。携帯電話事業者の収入については、スマートフォンの普及にともない、データ通信の利用が増加し、ARPU(1契約あたりの平均利用料)が回復基調に乗れば、V字回復が見込めると、同調査では予測している。音声ARPUが下げ止まり、データARPUが伸長するシナリオでは、2015年度の収入は8.5兆円まで拡大していくと予想された。

 またワイヤレス・ブロードバンドでは第3.9世代LTE(Long Term Evolution)のような新たな無線方式などの導入により、2010年度の2,400億円から、2015年度には4,200億円程度の市場へと成長することが期待されている。コンテンツについては、長期的に市場成長は鈍化し、2010年の約5,800億円から、2015年には約6,700億円に緩やかに拡大すると見られた。一方企業向けモバイルサービスは、2010年度の3,800億円強から急拡大し、2015年度には約8,800億円の市場を形成すると見込まれている。スマートフォンやWi- Fi機能付き携帯電話の普及にともない、モバイルセントレックスやグループウェアなど、ビジネス向けサービス市場の活性化が進むと考えられるためとのこと。

 ハードウェア市場でもスマートフォンの影響は多岐に及んでいる。まず携帯電話端末(世界市場)は、新興国において力強い需要の成長が見られ、2010年度の約12億4,500万台から、2015年度には16億1,000万台を超えると予測された。また先進国、新興国を問わず、スマートフォンの普及が急速に進んでおり、日本でも、2015年度には需要台数の70%をスマートフォンが占めると予測された。2010年に、日本国内でも市場が立ち上がった電子書籍の端末市場は、2015年には1,400万台の規模になると予測。電子書籍向けのコンテンツも増加し、2015年のコンテンツ市場規模は2,400億円に達する見込みとなっている。
《冨岡晶》
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