「ひかりTV」、140万契約達成への戦略はハイビジョンか3Dか!?――NTTぷらら 板東社長に聞く | RBB TODAY
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「ひかりTV」、140万契約達成への戦略はハイビジョンか3Dか!?――NTTぷらら 板東社長に聞く

ブロードバンド 回線・サービス
代表取締役社長 板東浩二氏
  • 代表取締役社長 板東浩二氏
  • 「VODの見放題プランは、新しい市場を立ち上げるべく設定したプランです」
  • 「6月にHDD内蔵のSTBの提供を開始しますが、7月には録画予約をPCや携帯電話から可能にするサービスも開始します」
  • 「3Dの中継番組も技術的には問題なく可能です」
NTTぷららは、RBB TODAYが実施した「ブロードバンドアワード2009」にて、ISP部門の最優秀賞、テレビ部門のベストテレビ最優秀(西日本)を受賞した。また、4月8日には、「ひかりTV」の100万会員突破について報道発表をしている。今回は、勢いを増すぷらら社の戦略のポイントと、目標達成について代表取締役社長 板東浩二氏に話をうかがった。

――経済情勢など厳しい状況が続いた2009年でしたが、前年度末からほぼ倍増となる100万会員を突破した要因はどのように分析されていますか

板東氏:2年前に「ひかりTV」のサービスを開始したとき、3年で100万会員を突破するという目標を立てました。100万会員を突破すれば事業基盤が確立するとの計画に基づき、それを実現するために社員全員で課題を克服しつつ、事業展開を行ってきました。そのことが、早期に100万会員を突破するという大きな成果に結びついたと思っています。その要因は、主に2点あると思っています。1点目はサービスとしての競争力を高めることができた点であり、2点目は積極的な販売促進活動を実施した点が挙げられます。サービスの競争力については、サービス内容・操作性・料金といったサービスの基本となる要素が重要なポイントになります。多チャンネル放送やビデオオンデマンド(VOD)のコンテンツラインナップ(サービス内容)の充実、リモコンの使いやすさや画面構成の分かりやすさなどの操作性、そしてリーズナブルな料金体系などが、お客様に評価いただいたのではないかと思っています。

――「VOD作品が5,000本見放題」という魅力的なプランがありますね

板東氏:VOD作品の視聴にあたっては、ペイパービュー方式ではなく定額で見放題となるプランをご用意しています。料金を気にせずにVOD作品を視聴でき、またお得感もあることからご好評いただいていますが、このプランの提供は新しい映像視聴スタイルを定着させるための重要な戦略として位置づけています。視聴したVOD作品毎に料金がかかるペイパービュー方式は合理的な面があるものの、VOD作品を習慣的に視聴していただくためには、見放題のプランをご用意したことが効果的と考えています。コンテンツをご提供いただいている事業者様からも、見放題のプランがある「ひかりTV」は、VODのご利用が多いとのお話をいただいています。また、「ひかりTV」はオープンなインターネット経由ではなく、NTT東西が提供する高品質で高セキュリティなネットワークを利用している点も、コンテンツをご提供いただく事業者様よりご評価いただいているポイントになっていると思います。

――2点目の販売活動についてですが、どのような販売アプローチを展開したのですか。

板東氏:「ひかりTV」の販売チャネルは、NTT東日本・西日本、家電量販店、そして既に光回線をご利用されているお客様へのテレマーケティングがメインになります。特に、これまでインターネット利用のために光回線をご利用されているお客様に対して、同じ光回線で安定したハイビジョン映像が視聴できる点を訴求し映像配信サービスの市場を開拓できたことが、早期に100万会員を突破する結果につながったと言えます。光回線を利用して映画やドラマを視聴するためのデバイスとして、これまでのパソコンだけではなく、大画面のテレビで視聴する形態が、確実に増えてくると思います。

――2010年度は一気に140万会員を目指すとのことですが、具体的な戦略はありますか。やはり3Dコンテンツがキーになるのでしょうか

板東氏:「ひかりTV」では、6月より3D作品の提供を開始しました。3Dについては、コンテンツジャンルや利用シーンなどを総合的に勘案して提供を進めていきたいと考えており、今年度の目玉というよりは、むしろ中長期的な戦略の中でどのように位置づけるか、という視点で今後の展開方針を検討しているところです。番組として提供するか、VODを中心に提供するかなど、提供形態についても考えていく必要はありますが、大きな変化であることは確かだと思います。140万会員に向けた戦略としては、これまでも進めてきたハイビジョン化を更に推し進めていくことが重要です。今後も引き続きテレビの買い替えが進むでしょうから、新しい大画面のテレビに適したハイビジョン映像の比率を大幅に増やしていきたいと思っています。

――6月にHDD内蔵で録画機能のついたチューナーの販売が開始されたようですが。

板東氏:まず今年の1月に、USB外付ハードディスクを使った録画機能の提供を開始しました。当社でもUSB外付ハードディスクを販売していますが、1ヵ月間で約1万台もご注文いただくなど反響が大きく、改めて録画機能の重要性を認識しました。6月よりHDD内蔵ダブルチューナーの販売を開始しました。近いうちにパソコンや携帯電話などからも録画の予約ができる機能を提供する予定です。また、年度内を目標に「マルチルームサービス」の提供も開始する予定です。「マルチルームサービス」により、HDD内蔵ダブルチューナーに録画した映像をリビングのテレビだけではなく、他の部屋のテレビやパソコンなどでも簡単に視聴することができます。このようなサービスを展開するにあたっては、ご家庭のネットワーク状況に応じてきめ細やかな対応が必要になりますが、継続的に「ひかりTV」をご利用いただくためには、コンテンツのラインナップや操作性、料金体系に加え、チューナーの設置や新サービスの導入、アフターサービスなどのサポート体制といった要素についても確実に展開していくことが重要であると考えています。

――顧客基盤を確立するということは、派手な機能を展開するだけでは不十分だということでしょうね

板東氏:そうですね。単なる派手さは不要ですが、キラーコンテンツやキラーアプリケーションについては、更にご利用いただくために必要だと思っています。例えば、最近発表されたテレビでは、HDDを内蔵して8チャンネル分の放送を連続して同時に録画することができるものが登場しました。手元のストレージに録画した番組をためておいて、後で好きなときに視聴する、といったような視聴スタイルがこれから増えていくかもしれません。「ひかりTV」は、多チャンネル放送やVOD、カラオケなど幅広い映像サービスを提供していますので、積極的に映像コンテンツをご視聴いただき、更にはキラーコンテンツやキラーアプリケーションによって「ひかりTV」がないと生活に困る」と言っていただけるような視聴スタイルを創造できればと考えています。また、当社のもう一つの重要な事業であるISP「ぷらら」も既に300万を超えるお客様ご支持をいただいております。将来的にはISP「ぷらら」で提供する「データ」「音声」といった通信サービスと、「ひかりTV」による「映像」サービスのシナジー効果を発揮し、更なる顧客基盤の拡大を図っていきたいと考えています。
《RBB TODAY》
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