【子どもとネットVol.2】学校裏サイトを監視・探索する弘前大学の学生ボランティア団体 | RBB TODAY

【子どもとネットVol.2】学校裏サイトを監視・探索する弘前大学の学生ボランティア団体

 子ども自身によるオンラインセーフティ教育の取組みとして、米国にはTeenangelsというティーンエイジャー自身によるオンラインセーフティボランティアが存在する。日本にも、こういった取組みはあるのだろうか。

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パトロール隊の模擬授業の様子
  • パトロール隊の模擬授業の様子
  • 弘前大学教育学部附属小学校での出前授業の様子
 子ども自身によるオンラインセーフティ教育の取組みとして、米国にはTeenangelsというティーンエイジャー自身によるオンラインセーフティボランティアが存在する。日本にも、こういった取組みはあるのだろうか。

◆子どもをネットいじめから守りたい〜学生たちが立ち上がった!

 「あおもり生活指導実践研究所学校裏サイトパトロール隊」は、学校裏サイトを監視・探索する弘前大学の学生ボランティア団体で、出前授業も行っている。2008年12月、弘前市教育委員会から「『学校裏サイト』に関わる情報提供について」の依頼を受け、弘前大学教育学部技術教育講座 大谷良光教授を中心に集まった。

 最初は大谷教授のゼミや研究室の学生のみであったが、授業内で候補者を募ったところ、参加者は42名にまで増えた。将来教員になりたいと考えている教育学部の学生のほか、理工学部など一般の学部からの参加もある。また、自身にいじめられた経験があり、子どもたちの役に立ちたいと考えて参加した学生もいるという。

 学生たちは7グループに分かれ、1グループが週1日を担当し、1人最低1日1時間、研究室のパソコンと市教委から貸与された携帯電話を使い、学校裏サイトの監視や探索を行っている。誹謗中傷を見つけたら連絡ノートに書き込み、次の学生が継続して調べられるようにしている。

 実際に活動にあたった学生は危機感を感じ、「何とかしなければいけない」という感想をもった。「子どものためになっている」という意義を感じ、「ネットいじめ対策を考えなければ」と考えるようになったという。

◆密な情報交換が大切〜被害が広がる前に対応を

 調査結果によると、青森県には小学校の学校裏サイトはなく、中学校・高等学校に集中していた。高等学校にはサイトはたくさんあるものの、過疎化していることも多いようだ。中学校では、2ちゃんねるなどのスレッド型学校非公式サイトが多いため見つけやすいものの、高等学校では、SNSなどパスワードがかかっているサイトも多く、発見が難しいという。

 裏サイトを見つけるコツは、「被害にあった生徒から情報を聞いてアクセスすること」だとか。同会ではそのために、学校や教育委員会と情報交換を密に行っている。大谷教授は、「民間に委託すると、プロなので確実に見けることはできるだろうが、情報交換の部分は進まないのではないか」と危惧する。誹謗中傷は調べれば誰でも見られるので、2次被害が広がる前に見つけて削除することが大切なのだ。

◆出前授業で体感させる〜ネットトラブルの本当の怖さ

 集まった学生のうち18名は、「リスク教育プロジェクト」という出前授業も行っている。主にリスク教育を中心にした体験型の授業だ。

 たとえば、掲示板体験だ。書き込みをすると情報が残り書いた人が特定できることは知識では知っていても、実際に画面で示されると、子どもたちは衝撃を受けるという。アダルトサイトなどのリンクをクリックすると違法サイトに飛び、アドレスが取得されてしまうことも、実際に見たときの子どもたちのショックは大きいという。

 出前授業は、申し出があった学校を対象に、大谷教授の講演と出前授業をセットにして行っている。小・中学校をでの実施のほか、先生を対象とした研修会なども行っており、問合せが相次いでいる。今後は出前授業にさらに力を入れるほか、秋からの研修会の開催も検討しているという。
《高橋暁子》

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