スケーラブル映像圧縮の国際標準方式として2007年に規格化されたのが「SVC」(Scalable Video Coding)だ。SVCはMPEG-4 AVC/H.264の拡張規格であり圧縮効率が高いが、半面、圧縮処理のための演算量が膨大になりやすい。そこで、フルHDのような高解像映像をリアルタイム圧縮処理するためには、画質を落とすことなく演算量を効果的に削減することが重要なポイントだった。このコーデックは「階層構造を利用した高速モード選択」と「階層ストライプ並列エンコーディング」を活用したものとなっている。これらの技術では画面の処理領域をコア毎に割り当て、その際に各々のコアで処理する画面領域をすべての階層で同一とすることにより、下位階層の情報を上位階層で効率よく利用できるようにした。これにより市販のパソコンでもリアルタイム処理が可能となった。