富士通も収益悪化、今後は投資の選別進める —— 2008年度 第3四半期決算発表 | RBB TODAY
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富士通も収益悪化、今後は投資の選別進める —— 2008年度 第3四半期決算発表

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 富士通は30日、2008年度 第3四半期および直近3か月連結決算を発表した。

 それによると、第3四半期(2008年10月1日〜2008年12月31日)累計の売上高は3兆5,076億円と、前年同期比7.9%の減収になった。為替の円高に伴う減収影響を除くと3%の減収となる。国内SIビジネスが公共、ヘルスケア分野を中心に伸長し、キャリア向けルータ装置も増収したが、ロジックLSIや電子部品、携帯電話、パソコン、HDDなどが大幅な減収となった。営業利益は133億円と、前年同期比772億円の大幅な減益になった。売上総利益は、携帯電話基地局のコスト効率化、国内SIビジネスの増収効果やコスト効率化はあったが、ロジックLSIや電子部品、携帯電話の減収影響などにより前年同期比761億円減少した。売上総利益率は25.4%と、前年同期並み。ロジックLSIや携帯電話などの利益率は悪化したが、利益率の低い部品系ビジネスやコンシューマー向け製品の減収により全体としては前年同期並みの利益率となったという。販売費および一般管理費は、テクノロジーソリューションを中心とした戦略的な先行投資費用の負担増や、前年度の年金資産の運用環境悪化による退職給付積立不足償却額の増加があったが、為替影響による費用減などにより前年同期並み。

 最終的に経常利益は145億円の損失(前年同期比で882億円の悪化)となった。営業外損益は110億円の悪化。欧州の合弁会社に係る持分法損益がパソコン、PCサーバの競争激化により悪化したほか、当第3四半期での急激な円高の進行に伴い為替差損が拡大したとのこと。なおケーブルテレビ会社などの株式の売却益29億円が特別利益に計上されたが、閉鎖を決定したHDD用ヘッドの製造ラインや電子部品事業などに係る減損損失74億円および米国 Spansion Inc.など時価が著しく下落した上場株式に係る評価損64億円が特別損失に計上された。最終的に、第3四半期累計の四半期純利益は361億円の損失と、前年同期比323億円の悪化となったとのこと。

 説明会における質疑応答において、今後の施策について同社は、PC/携帯電話は堅調であるが、企業向けPCはなかなか需要が伸びないず、円高メリットによる部材コスト低減で利益を少し出していると説明。そのほか携帯は月間30万台出荷ペースを割り込み赤字となったため今後30万台出荷を継続できるよう施策を打っていくとした。HDDは引き続き、提携・再編に関する話を進めていくという。半導体事業については、協業も含め検討中だが慎重に取り組み、まずは人員整理や子会社統合など自社の足下状況を改善したいとした。
《RBB TODAY》
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