ジュニパー、キャリアやデータセンターの電力・コスト効率をアップする製品群をアピール | RBB TODAY
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ジュニパー、キャリアやデータセンターの電力・コスト効率をアップする製品群をアピール

エンタープライズ その他
米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域CTOのマット・コロン氏
  • 米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域CTOのマット・コロン氏
  • トラフィックの増加とデータセンターでのクアビネットコスト分析
  • トラフィックの増加とデータセンターでのクアビネットコスト分析
  • サービスプロバイダ・マーケティングマネージャーの佐宗大介氏
  • ジュニパーの代表製品
  • コア製品「T1600」における他者製品との比較
  • ジュニパーのゴール
  • 典型的なTier-1キャリアの構造
「ここ最近のネットのトラフィック数値は、ベースラインが上昇してきている。これに対応するために、サービスプロバイダやネットワークを構築しようとしている事業者は、より多くのデバイスを購入して接続する。ネットワークがどんどん大きくなりトラフィックが増していくと、機器の台数も増えてくるし、消費電力も上がってくる。そして、それがイコールコストになってくるのだ」

 米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域CTOのマット・コロン氏は現状のグリーンネットワークソリューションのスピーチで話しはじめた。同氏が示した資料によると、データセンターのキャビネットを見た場合には15%は単純なスペースコスト、そして半分近くの44%を占めるのが電力コストとなっている。氏はこの状況を「ショッキングでひどい状況」であると表現した。

「私がジュニパーで働くようになってはじめてサニーベールのエンジニアに話を聞いた時のことだ。私は、ルータを作るときに一番難しいことはなにかと質問した。期待していたのはスタックの信頼性やスピードを持たせるためのインターフェース構築であったが、パワークーリングという答えがかえってきた。初期の段階のルータでさえそうだったのだ」

 マット氏は過去の経験を振り返りながら、現状の課題は同じなのだということを示唆した。最近でこそメディアが注目しはじめているが、米国で消費される電力の10%がインターネット関連が占めており、グーグルやコンテンツプロバイダは自社で発電設備をもつようになってきている。ネットワークが大きくなっていくなかで、サーバ業界は仮想化で対応しているが、サーバと比べるとネットワーク機器は電力効率が悪いという結果になっている。同社では消費電力を下げるべく取り組んでいかなければいけないとし、過去5年間で特にルーティングやイーサネットまわりで対応してきたと強調した。

 サービスプロバイダ・マーケティングマネージャーの佐宗大介氏は、コア、イーサネット、エッジ、アグリゲーションなど4分野に当てはまる同社の機器を紹介。コア製品のT1600を競合と比べてみると、半分の大きさで1.6Tbps、EER(Energy Efficient Revel:1KWあたりのスループット)では40%から50%電力削減が可能。エッジのMシリーズ、MXシリーズにおいても電力効率が高いことを示した。さらにEXシリーズはバーチャルシャーシにより、今まで市場にあったような大きなスイッチと比較した場合に電力効率は大きくなっているとした。

 また、佐宗氏はネットワークを非常にシンプルにすることができる点もアピールした。「トラフィックが増えた場合には、通常ネットワークの機器を非常にたくさん置くことによってそのトラフィックをさばく。その結果電力があがってしまうというのが今のシナリオだ。これを我々の技術で、トラフィックが増えるにもかかわらずネットワークをシンプルに保つ、そして電力効率をよくする、さらにオペレーションも簡単にする、この3点が強調したい点だ」。

 典型的なTier-1キャリアの構造は写真(2段下)のようになっている。トラフィックをさばくときに、どのようにそれぞれのバックボーンにあわせていくか、またどのようにトラフィックを吸い上げていくか、それを大きくまとめたものがTier-1のHUBのデザインだ。

 大抵はメイン用、バックアップ用もしくはロードバランシング用という2つのレイヤーが存在する。そのなかでスーパーコアのネットワークとしてはラインカードあたり40Gのトラフィックを流している(青い線)。それをさばくのが次のレイヤーコア、そしてエッジでサービスディプロイメントを行う(オレンジ色が10G)。そして最後にアグリゲーションとして非常にたくさんのスイッチが存在する。トラフィックが増えると多くの機器を置かなくてはならず、単純にスペースの問題だけではなく、インターフェースのコストも上がってくる構造だ。

 レイヤーに同社の製品をあてはめていくと、アグリゲーションのところはバーチャルシャーシを使って設置することにより、今まであった機器よりも随分少ない数になり、かつこれらのシャーシを仮想的にひとつに見せることによってオペレーションが非常に楽になる。「レイヤー2の技術なのでPingを使ってもなかなか分かりにくいところだが、バーチャルシアーシを使って仮想化にすることによって、何がどこで障害がおきているかということが理解しやすくなる。利用するポートを10Gでリングのように組んで仮想化することによって、ポートの消費量も非常に少なくなりその分のコストも下げられる」(佐宗氏)。

 また、エッジに同社のMXシリーズ、Mシリーズを採用することで、コアがMPLSのドメインを拡張することが可能だという。MPLSでは明示的にパスをはり、ファーストリブートというテクノロジーを使った場合には1秒未満でルート切り替えを行うことができる。例えばこのユーザーはこのルート、このアプリケーションはこのルートというものをIPルーティングにとらわれずに明示的に自分で貼ることが可能だ。「これによって例えば、メールやWEBのトラフィックは、例えば東京から大阪までいくのに北陸道を通ってもらう、しかしボイス系やビジネスユーザーのアプリケーションは遅延が少ないほうがいいので東阪道を一気に通ってもらう。IPルーティングでは難しいが、OSCP(Open IP Service Creation Program)、PSDP(Partner Solution Development Platform)などと組み合わせることで自由に選択することができる。これがエッジまで拡大するということがメリットだ」とした。これにより、機器や電力も減らし、オペレーションもシンプルにすることができる。また、スーパーコアのレイヤーではT1600などを導入することにより、集約効率を上げることができる。ちなみにT1600は、19インチのハーフラックサイズでマルチシャーシに対応し、競合製品に比べて、半分以下のシャーシサイズ。各スロットで100Gbps(半二重で200Gbps)をサポートし、最大1.6Tbpsで毎秒19億2000万個のパケットを転送することが可能だ。コアの部分にはT640を配置し、JCSで仮想化した場合にはトラフィックを効果的にさばくことができるとした。

 一方でデータセンターはというと、Youtube、mixiなどSNSやグーグルマップなどに代表されるアプリケーションの影響によりセッションも多くなってるという。たとえばグーグルマップに一人がアクセスすると、セッションは20から50くらいになる。これは通常のアプリケーションには見られなかった現象だ。トラフィックは同じだとしてもセッションの数が増えるとサーバやネットワーク機器に負荷を与える。また、最近は単にコンテンツを流すだけではなく、コンテンツのアップロードも増えてきている。いままでは下りだけを考えてネットワーク、サーバを構築するのではなく、上りも十分考慮しなければならず、とくにセキュリティー分野に対するインパクトが大きくなってきている。典型的なデータセンターの構成は複雑になっているが、ここでもこれをシンプルにするというのが命題だ。佐宗氏はバーチャルシャーシをいれることによって、サーバのコネクションの数、つまり物理的なケーブルの数をシンプルに仕上げることができ、アグリゲーションレイヤーにMXシリーズを導入することによって、コアにあったL3のスイッチを削除することができなどとアピールした。

「今、多くのデータセンターは1フロア全てが埋まらないことが多い。どうしたんですかと聞くと、電力的にかつかつなんだという答えがかえってくる。我々の製品はスペース効率を上げるだけではなく、電力効率をたかめることができる」とアピールした。
《RBB TODAY》
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