サービスプロバイダは自らビジネスモデルを構築すべき時代になった——米ジュニパーCTO マット・コロン氏 | RBB TODAY
※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

サービスプロバイダは自らビジネスモデルを構築すべき時代になった——米ジュニパーCTO マット・コロン氏

エンタープライズ その他
米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域CTOのマット・コロン氏
  • 米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域CTOのマット・コロン氏
  • アジア太平洋地域での成長
  • エンタープライズよりもコンシューマのトラフィックが増加
  • 「サービスプロバイダもビジネスモデルを進化させていく必要がある」
  • 「CIOを満足させるだではなく、CIOが提供している数多くの利用者を満足させることを考えなくてはならない」米のマット・コロン氏はプレスセミナーで語った。
  • オープンであることが重要
「CIOを満足させるだではなく、CIOが提供している数多くの利用者を満足させることを考えなくてはならない」
 米ジュニパーネットワークス アジア太平洋地域CTOのマット・コロン氏はプレスセミナーで語った。

 その理由として挙げられたのが、現在のネットワークトラフィックを取り巻く環境だ。氏はかつてのエンタープライズネットワークを振り返りながら、もはや絶対的な信頼を得ていたエンタープライズよりも、コンシューマツールを人々が好むようになってきているとした。「15年前、エンタープライズテクノロジーはコンシューマテクノロジーよりもクオリティーの高いものであった。しかし、それはもう真実ではない」との米グーグルCIOのダグラス・メリル氏の言葉を取り上げながら、人々はネットワークのなかで個人向けのユーザーエクスペアリメントを得ようとしており、トラフィックの大半も個人になっていると話した。なかでもモバイルの重要性はますます増しており、次世代には様々なデバイスが3Gネットワークで展開され、将来的にはLTE、WIMAXで展開されることのいなると思うが、音声よりもデータ通信の収入が大きくる傾向にあるとした。

 これらの状況に対して同社がしなければいけないことは、第一に「IPインフラストラクチャのなかで信頼性を追求しつづけること」だ。「NTTあるいそのほかのアジア太平洋地域における電気通信事業者がNGNへの移行をするめるなかで、ITインフラストラクチャーはTDMと同等の信頼性が求められている。そういう状況になると、いまやルータに対しては、かつてのクラス4、クラス5の交換機と同等の信頼性が求められる傾向がでてきている」。また、ネットワークにおける機器やネットワークのそのものの数も減る傾向にあるため、いつかは大型IPネットワーク上でサービスが展開されることになるだろうと予測した。

「我々からの回答としては、プラットフォームがより大きな帯域に対応できるようし、制御系における仮想化を進めることによって、上位層におけるアプリケーションの帯域対応を実現していかなければいけないということだ」(マット氏)。同社は、すでに今年のはじめ、Juniper Control System(JCS)を発表。制御プレーンをルータから分離独立させ、ユーザーがさらに増えてた場合に、その処理能力に応じた拡張性、安定性を保ちながら展開が可能にしている。

 また、氏が強調したのがサービスプロバイダもビジネスモデルを進化させていく必要があるということだ。「常に課題であったのは、大きなアクセスに対してどのように利益を得るかということだった。様々な方法でサービスプロバイダの収入を増やさないかぎり、ただ単に料金競争に陥るだけ。そこでは唯一の変数がどれだけの帯域を提供するかということになってしまう。サービスプロバイダは接続による収益だけではなく、ほかの収益を見つけなければならない」。ここでは、サービスプロバイダが持っている固有の情報を活用していくなどしてビジネスモデルを作っていくことが重要だという。「ローカルなサービスプロバイダは固有の情報をグーグルほかコンテンツプロバイダーに提供し、収益を上げていくこともできる。彼ら(グーグル)は物理的に私のユーザーIDに接続しているわけでもなく、私個人に関する情報をそれほどもってうるわけでもない。私がどの地域に属しているかなどの情報は、ローカルのプロバイダーに比べて限られた情報になるのだ」(マット氏)。個人の顧客は、質の高い価値を求めているため、サービスプロバイダが認証機能やIDの連携、課金、QoSの保証などを提供できるように努力していくべきだと提案する。

 そのためのサブシステムを同社では提供してきた。例えばセッション&リソース管理(SRC)プラットフォームのようなポリシーマネージャーを活用し、サードパーティ製のプラットフォームとアプリケーションを統合することができる。パートナーのアプリケーションとの統合を容易にするSOAP、DIAMTERなどのインタフェースも含まれ、SRCを採用することでネットワークリソースを変更して、適正レベルのQoSで確実にアプリケーションを配信することも可能となっている。また「重要な点としては、できるだけオープン化で進めなければならないということだ」という氏が取り上げたのが、プラットフォーム「Partner Solution Development Platform」(PSDP)だ。PSDPは「JUNOS」ネットワークOSをベースにしたプラットフォームで、SDKなどのツールも提供している。これによりパートナーがアプリケーションを開発することが可能となっている。

 氏は「サービスプロバイダはアジア太平洋地域においてユーザーが何を求めているかということを意識し、そのビジネスモデルを変えることによって、個人の要望に応えていくことが可能であるとい考える。そして新たな価値というものをサービスプロバイダとして生み出すことが可能なのだ」と話した。
《小板謙次》
【注目の記事】[PR]

関連ニュース

特集

page top