【物欲乙女日記(番外編)】乙女3号、はじめてのデータセンター訪問 | RBB TODAY
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【物欲乙女日記(番外編)】乙女3号、はじめてのデータセンター訪問

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マキヲが老舗、さくらインターネットに侵入(訪問だってば)
  • マキヲが老舗、さくらインターネットに侵入(訪問だってば)
  • 「わぁこれがデータセンターですか!」と、叫んだら、それは都庁。世間知らずもはなはだしい
  • 目力の強い澤村さん。仕事に対する熱意がひしひしと伝わってきました
  • わかってんのかわかってないのか、話を聞いているのかさえ怪しげな女、マキヲ。
  • この黒いものの上に指を置く
  • アッー! なにこの怪しいひと!
  • 『Xファイル』みたいですね〜(違)
  • チリひとつありません。ついつい忍び足にもなりますわ。
 毎夜のごとく、死んだハダカデバネズミのごとき形相でデスクにかじりついております。おや?もう朝ですか……。おはようございます、そしてはじめまして。マキヲです。朝日が目に染みます。『眠眠打破』がまるで効かない体質だと知った今日この頃。

 軽く自己紹介させていただきますと、私は人科人目、性別♀、齢23、B型双子座の物欲乙女三号。だからって三号さんなんて呼ばないでくださいよ。誰かの愛人みたいですから。特技は爆音が鳴りひびく場所で爆睡できることと、舌が鼻につくことです。23年生きてきた中で特に役立った思い出はありません。ほっぺたについた米粒を手を使わずして食らべれることぐらいでしょうか。近頃はアンパンマン号に似ていると言われます。まったくもって心外です。顔しかないじゃないか、あの車。

 まぁそんなこんなで、すっかりキテレツ大百科の勉三さんみたくなった目をこすりつつ、朝っぱらからカラムーチョなんてジャンクな食物をバリバリ食していたところ、編集部から1本の電話が。

「さくらインターネットのデータセンターで勉強しといでー」

 へぇ。でーたせんたーってなんですか、うまいんですか? PC系に驚く程うとい私は、もはや食のことしか念頭にない。

 とにかく指令だ指令だッてな事で、カラムーチョ臭い息をそこかしこにふりまきながら(公害の域かと思われる)、いそいそと新宿某所にあるデータセンターに向かいました。

●データセンターとはなんぞや

 データセンターとは厳重なセキリュティ対策により、一般の人は入ることのできない謎につつまれた場所。そこへ右も左も、都庁さえもわからないような私が潜入しちゃうわけで、人生はまったくもって不可解かつ予測不可能なのであります。

 ミッションを遂行すべく、気合十分と言ったところですが、そもそもデータセンターって何ぞや?(下調べ不足……) そんなわけでなんの知識もない、サッパラパーな私はまず説明を受けることに。さくらインターネット 運用部部長の澤村さんがお話してくれました。

澤村さん「普段インターネット上で見ている情報はここで管理しています。業務はインターネットシステムをお預かりして回線を提供するハウジングと、資源だけを貸すサービスの2つに分かれます。どちらも基本的にはお預かりしているのはデータです。提供するのは電力と空調、これが基本要素ですね。インターネットの接続性・物理的なスペース・電力・通信回線を24時間365日提供し続けるわけです」

 と、いうことはもし地震等の天変地異が起きたら日本オワタ!ですよ。どうするんですか!

澤村さん「立地的には災害の影響を受けにくいところにしています。特にここは地盤がわりと堅いところですので」

 じゃあ都庁がくずれたとしても、ここはビクともしないわけですね。やりましたね! 都庁に勝った(?)。だけど停電したら、やはり日本オワタ!なのでは……?

澤村さん「電力に関しても一般のビルであれば一系統の商用電力、主に電力会社から買っている電力の1回線ですが、こちらのビルは変電所から3本の物理的に違うケーブルできているので、もしどれか2本が切断されても1本が残る計算になっています。」

 ははぁ、二重にも三重にも奥の手があるのですね。私もそういう女になりたい。否、なります。

澤村さん「万が一停電になった場合は、巨大なUPSから5分〜10分もつバッテリーで供給、その間に非常用発電機を起動します。1分以内で起動するため、通常どおりの電力を供給できる体制になっているのです」

 そういえば、今普通に入ってきちゃいましたけど、ひとりじゃ入れないですよね?

澤村さん「社員はIDカードで、お客様は呼び出してもらってお迎えしています。もしIDカードを紛失してしまって部外者に使われては困るので、指紋認証も導入しています。サーバルームに入るお客様には入室用IDカードをお貸しして、帰りに返してもらうようになっています」

 指紋認証なんてかっこいいですね。私がやったらどうなりますか? アラート鳴っちゃうんでしょうか?

澤村さん「ただ、開かないだけです」(即答)


 そうですか。「異常事態発生!異常事態発生!」とかやってもらいたかったです……。
仮に勝手に入れたとしても、逆に出られなくなるそうで、


『今ここでひとりで出ようとしても出られない』


わけです。つまりは監禁状態です。さくらインターネットの方々を間違っても怒らせちゃイケマセン。


澤村さん「物理的なセキュリティもデータセンターの商品のひとつです。自分の会社のサーバルームだと、どうしても不特定の人が入れてしまったりするので。データンセンターは情報をあずかっていますから、セキュリティに関しての設備を整えています」

 実際に侵入してきた人はいるんでしょうか?

澤村さん「いやぁそれはないです」

 ……ですよね〜。ちょっと期待してしまいました。映画のような展開を。

澤村さん「お預かりしてるものはデータなんでサーバを持って帰ってもリスクに見合わないと思いますよ。テロ的な犯行であれば別ですが」

 テロ反対! これからも引き続き、日本中のデータを死守していただきたく思います。
さて、次は実際にサーバルームに行ってみますかね。

●サーバルームに侵入者が!!

 侵入者改め、珍入者……言わずもがな自分のことですが。

 サーバルームは無機質な白い部屋にズラーっとラックが並んでおりまして、実に異様。それになんだかひっきりなしにゴウゴウ鳴っていてうるさい。何の音なんですかね?

山下さん「空調機の音ですね。エアコンのお化けみたいなもんです。ラックの下に穴が開いていて、そこから風を送り、冷やしています。そして上から熱い空気を排気しています」

 どれどれってんで、実際にサーバが入っていないラックに顔を突っ込んでみました。す、すずしい〜。快適空間ですな、こりゃ。サーバもいい生活送ってますねぇ。これから私もここに涼みに来ようかと思います(ムリだけど)。


山下さん「これがハウジングラックといって収容する専用の鉄の箱なんですけど、この中にサーバが入ってます。1ラックの半分が2分の1ラック。さらにその半分が4分の1ラックで、違いはどれだけサーバが入るかです」

 私は狭い場所を見るとつい入りこんでみたくなる性分でして、試しにお願いしてみました。ラックの中に入ってみてもいいですか〜?

山下さん「そ、それはちょっと……(苦笑)」

 ……ですよね〜。いいんです。もう大人ですからね。

 サーバがぎっしり詰まってますが、これはどうやって?

山下さん「サーバをこのラックに積み木のように順番に積んでいきます。場所貸しのお客様は自分でマウントされるんですが、サーバをお貸しするお客様は機材の設置やインストール設定を当社が全部やっています。サーバは結構重いので力仕事ですね」

 正月や夜中もお客様がいつでも来られる状態にするため、24時間体制にしているそう。そうか、不夜城とはデータセンターのことだったのか……。

●屋上の巨大エンジン発電機を見にいこう!

 もしも災害があった場合に活躍するエンジン発電機。そいつを見に行きましょうと階段を上がると……。

 普段目にする発電機というのは屋台で使うようなサイズですが、これは見事な大きさです。家かと思いました。なるほど、これで2000キロボルトアンペアを作り出すのか〜と納得。

山下さん「エンジンを動かす燃料は重油です。普段は動いていないですが万が一、電力供給がストップしたときに働きます。起動は1分以内で、その間はUPSのバッテリーから給電されるので問題ありません」

 ちょっとでも止まってしまったら世の中は大混乱、大パニックを引き起こし、阿鼻叫喚の地獄絵図と化すのでは……という恐れを胸に抱いていたのですが、タンク燃料が足りる限り給電し続けるそうです。でも足りるもんなんですかね?

山下さん「ここの設備では40時間くらいまで持ちます。その後はタンクローリーが来て給油します」

 まさにその到着の瞬間、タンクローリーは英雄になりそうです。

山下さん「また定期的にエンジンを動かしています。普段から点検しておかないと肝心なときに動かなくなってしまいますからね」

●消火設備をチェックする

もしも、もしもですよ? サーバルームで火事が起きたらどうするんですか? 水使えないですよね?

山下さん「不活性ガスを放出します。水ではなくてサーバルーム内の酸素濃度を下げて消化するんです。ガスの放出は手動なんですが、入室者がいないことを確認したうえでボタンを押すとカウントダウンが始まり、その間に安全な場所に退避します」

 ボタン……そしてカウントダウン。映画『エイリアン』を彷彿とさせますね! 途端にホラーSFの世界になってきましたよ。ちなみにサーバから煙が出てしまう場合はあるんですか?

山下さん「超高感度の火災予知システムで検知できるのでそれはないです。電線の被覆のワイヤーに入っているビニールの樹脂は熱くなると少しずつ蒸発するんですが、その兆候を検知して火災を予防するのです」

 普段なにげなくインターネットを利用してますけど、ここが大破したらそんな生活もできないのです。末恐ろしいですね。今後とも地震に耐え、停電に耐え、ありとあらゆる天災に耐えしのんで頑張っていってもらいたいです!
《RBB TODAY》
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