NEC、金属に匹敵する熱伝導性を実現したバイオプラスチックを開発 | RBB TODAY
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NEC、金属に匹敵する熱伝導性を実現したバイオプラスチックを開発

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 日本電気(NEC)は9日、植物由来の樹脂を用いてステンレス以上の熱伝導性を実現し、電子機器の環境対策と発熱対策の双方に寄与する「高熱伝導性バイオプラスチック」を世界に先駆けて開発したと発表した。

 この新素材では、トウモロコシなどを原料とした「ポリ乳酸樹脂」に、特定の繊維長の炭素繊維と独自に開発した結合剤を添加・混合することにより、樹脂中で炭素繊維を互いに結合させて網目状にネット化。これにより、炭素繊維10%添加でステンレス程度、約30%添加でステンレスの2倍の熱拡散性を持つ高度な熱伝導性と、金属では劣っていた平面方向への伝熱性を実現したとしている。

 また、炭素繊維を除く成分は結合剤も含めて90%以上が植物由来であり、優れた環境調和性を実現しているほか、電子機器の筐体に利用する上で必要な強度特性や成形性も基本実証済みだとしている。

 同社では、このバイオプラスチックを電子機器の筐体に利用することで、従来は困難であった、局部的な高温化を防ぎながら筐体全体で放熱するという特性を実現できるとするほか、この特性により、今後はより一層の小型・薄型化が進むと予想される電子機器の環境対策と発熱対策の双方を進められるとしている。

 なお、今後は2008年度内を目標に本素材の量産化などの実用技術を仕上げ、電子機器の筐体などへの利用を進めるとともに、電子機器以外の応用分野の開拓も積極的に進めていくという。
《村上幸治》
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