DSLのスペクトル管理のありかたを検討する、情報通信審議会 DSL作業班の第8回会合が開かれた。これまで議論されてきた内容の論点整理と確認がおこなわれたが、ほとんどの項目で妥協点が見いだされるなど、最終報告のとりまとめに向けた作業が進んでいるようだ。 議論では、保護されるシステム(※1)として、AnnexAやAnnexCだけでなく、CAP方式のDSLやReachDSLv2(960kbps)も含めて欲しいというリクエストがJANISから出された。ReachDSLv2は、JANISやYahoo!BBが遠距離ユーザ向けに多数導入している方式。(※1:新しい通信方式から干渉や妨害を受けないように決めておく、いくつかの通信方式) また、3月中旬に実施されたフィールド実験のとりまとめ結果も公表されたが、それによるとオーバーラップ方式のADSL(※2)やReachDSLは回線によっては他回線にそれなりに影響をおよぼすものの、程度としてはISDNの影響と同程度か小さいものであったという。(※2:AnnexA(12M)やAnnexC FBMsOL方式) これまでの議論の中で、新しい通信方式を導入する際に、保護されるシステムに対して干渉が与える影響の「基準」として、「ISDN程度の影響」であれば受容するというのが各事業者間でおおむね合意されているようだが、この基準からすれば、オーバーラップ方式のADSLやReachDSLは、保護されるシステムとして扱われることになりそうだ。 作業班による最終的な報告書のとりまとめはこれから4月末に向けて進められる予定。