そして元旦より配信開始となったのが、パク・ミニョン主演『私の夫と結婚して』。23日に折り返し地点となる8話が配信されたのだが、これまた面白い。死によって人生の分岐点に戻れた主人公が、過去の反省をバネに「親友と夫の結婚」を画策する、一風変わった物語となっている。今回は、同作の基本的な情報を紹介したいと思う。
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目次：
・あらすじ
・登場人物＆キャスト
・見どころ
■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ＆映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X（Twitter）：@ymndayo
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ＆映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X（Twitter）：@ymndayo
あらすじ
カン・ジウォン（パク・ミニョン）は、同僚パク・ミンファン（イ・イギョン）との結婚後、義母からはいびられ、「株で稼ぐことにした」という夫からは収入も家事もまる投げされ、“家庭の事情”を持ち出したことで上司からは疎まれるなど、あらゆるストレスが重なって末期がん患者になってしまう。ある日、入院費未払いの状況で夫に連絡が取れなかったため、家に向かうジウォン。そこで目撃したのは、夫と唯一の親友チョン・スミン（ソン・ハユン）の不倫現場。ジウォンにかけた保険金について話しながらイチャつく2人の姿を見て激昂するジウォン。しかし、争った結果、命を落としてしまう。「医師に告げられた余命の前に、私は死んでしまった」そう目を閉じるが、突然10年前の過去に戻っていた。彼女は上司ユ・ジヒョク（ナ・イヌ）の力も借りながら、不幸の始まりである“夫との結婚”を阻止するため、人生をやり直すー。
登場人物＆キャスト
カン・ジウォン役：パク・ミニョン
父親からの愛情を受けて優しく育つが、友達と男を間違えたことで人生が転落。「たった一人の友人だから」と、スミンの我儘を常に受け入れ続けたことで、最終的には仕事も夫も奪われてしまう。しかし、人生を10年前からやり直す機会を得て、復讐を決意。スミンと夫を結婚させるために奔走する。ジウォンを演じたのは、『キム秘書はいったい、なぜ？』『気象庁の人々: 社内恋愛は予測不能？！』など、ラブコメ作品に定評あるパク・ミニョン。彼女には珍しいサスペンスもので、新鮮な印象だ。
ユ・ジヒョク役：ナ・イヌ
ジウォンの勤務先の上司。ジウォンにとって一度目の2013年時は、上司・部下の関係どまり。しかし、ジウォンにとって二度目の2013年、ジヒョクが抜群のタイミングで助けてくれることが続き、2人の距離が縮まっていく。
パク・ミンファン役：イ・イギョン
母の代わりに家事を行なってお金も稼いでくれる、奴隷のような「結婚用の女」を求め、ジウォンと交際。結婚後はDVするクズ夫に豹変する。女たらしのため、スミンからの誘惑には一瞬で陥落。『ウラチャチャ My Love』『暗行御史：朝鮮秘密捜査団』などのイ・イギョンが、救い用のない最低男を演じている。
チョン・スミン役：ソン・ハユン
ジウォンのたった一人の友人。高校時代にジウォンを利用し、“いじめっ子の面倒を見る優しい私”像を築き上げる。以降もジウォンの優しさにつけこんで搾取し続け、出世街道も夫もすべて奪った。『サム、マイウェイ～恋の一発逆転！～』などのソン・ハユンが、したたかな悪女になりきっている。
ペク・ウンホ役：イ・ギグァン
ジウォンの初恋相手。両思いだったが、スミンの裏工作によって最悪の結末を辿る。同窓会での再会をきっかけにジウォンと和解し、連絡を取り合うようになっていく。HIGHLIGHTのイ・ギグァンが、はにかみ屋のシェフを好演している。
ヤン・ジュラン役：コン・ミンジョン
ジウォンの先輩。優しく控えめな性格で良い人だが、上司からの圧力には屈しやすい。演じるのは、『海街チャチャチャ』『シスターズ』などの名バイプレイヤー、コン・ミンジョン。
ユ・ヒヨン役：チェ・ギュリ
ジウォンの部下。明るく真っすぐな性格で、ピンチを救ってくれたジウォンを慕うようになる。新進俳優チェ・ギュリ（『エージェントなお仕事』など）がコミカルに演じている。
見どころ
1. 2巡目で開花していく主人公
タイムリープものの面白さは、経験者が二度目以降に異なる言動を行ない、より良い結果を得ていくところにある。それで言うと本作は、主人公の半生が紹介された時点ですでに面白さが確定していた。なんせ、これ以上酷いことは起きないだろうというほどのどん底。タチの悪い親友と夫に蝕まれ、命まで落としてしまうのだから。
あまりにも悲惨な最期を迎え、もっと長生きすることを目標に掲げたジウォンは強い。何をされても黙って受け入れていた気弱な性格も原因だったと振り返り、自己改革をしていく。今まで共依存状態だった恋人・親友と距離を置きはじめ、他社員などとも交流を図ることで、徐々に味方を増やしていく。彼らの助けも借り、また過去の経験と各関係者の性質を踏まえ、スミンに陥れられた同窓会やスミンに横取りされた企画など、幾多の悔しい思いを晴らすことに成功していく。その姿がとにかく痛快なのだ。
2. 復讐劇を盛り上げる最低なキャラたち
スカッとした気分にさせられるのは、ジウォンを取り巻く有害な人々が、清々しいほどクズだからだ。もちろんその筆頭は、スミン。自身のルックスを武器に上司や親友の恋人へ擦り寄り、優しげな笑顔を浮かべながらジウォンを孤立させ、すべてを吸い尽くしていく。そして、掘れば掘るほど出てくる、最低な過去エピソードたち。裏と表のギャップがとにかく激しく、どちらの姿も知った人は漏れなく彼女を嫌いになるだろう。そんな計算づくめの彼女の策略が“ジウォンver.2”によって食い止められた時は、ある種の高揚感を得ることができる。昨年は『ザ・グローリー ～輝かしき復讐～』のイム・ジヨンによる悪役が話題を呼んだが、ソン・ハユンもそれに匹敵するほどの性悪ヴィランを見事に演じきっている。
スミンの思惑にまんまとハマる、ミンファンも悪質だ。結婚はヒモ生活のためであり、“保険”扱いのジウォンには威圧的で、常に下心ムンムン。一刻も早くスミンとゴールインし、まとめて破滅してほしいと思わせる。この2大クズに加え、ジウォンの直属の上司である課長キム・ギョンウク（キム・ジュンヒ）も不快指数高めの人物だ。お偉いさんとのコネがあるため、全く仕事をせず偉そうに振る舞うだけ。人を見た目で判断し、スミンには鼻の下を伸ばしまくり。極め付けには、食べた後に指を舐めるなど、生理的な気持ち悪さも持ちあわせている。一つも良い点がない人物だからこそ、ジウォンの反撃が効いた時には爽快な気持ちになれる。
3. パク・ミニョンならではの鉄板“ラブコメ”要素
パク・ミニョン主演とあれば、やはり求めてしまうのがラブコメ。軸は復讐劇ではあるが、そこに部長ジヒョクと初恋相手ウンホとの三角関係を上手く絡めているので安心してほしい。ジウォンがミンファンとの交際をキープさせながらイチャコラを回避させる姿は可笑しみがあり、ジヒョクとよる紳士的なアプローチやウンホの不器用ながら真っ直ぐなアタックにはキュンキュンさせられる。ジウォンが誰と結ばれるかも、今後注目していきたいところだ。
※Amazon Original『私の夫と結婚して』（Prime Videoで独占配信中） (c) Studio Dragon by CJ ENM
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