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目次：
・あらすじ
・登場人物＆キャスト
・見どころ
■筆者プロフィール
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ＆映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X（Twitter）：@ymndayo
山根由佳
編集者・校正士・写真家のマネージャーなど複数の草鞋を履くフリーライターであり、海外ドラマ＆映画の熱狂的ウォッチャー。観たい作品数に対して時間が圧倒的に足りないことが悩み。ホラー、コメディ、サスペンス、ヒューマンドラマが好き。X（Twitter）：@ymndayo
あらすじ
とある日、大学生チョ・ジアンが唯一の保護者である叔父チョ・ジンマンに電話すると、警察官から彼が自殺した旨を告げられる。1年前まで叔父と同居していた家に帰り、幼馴染ペ・ジョンミンの助けを借りて掃除をしたところ、謎の携帯電話を発見。そこへ高額振り込みの通知が届き、叔父に法外な預金残高があることが判明する。
ジョンミンは、ジンマンの営むECサイトの更新アルバイトをしていたと話し、2人はそのサイトを確認。実は農業用ホース販売店というのは表向きで、武器販売の違法店だったことを知る。さらに、ジアンが同サイトの商品発送の問い合わせチャットに対応すると、「ジンマンは死んだか？ 次はお前だ、ジアン」と物騒な返信が。ジアンは殺し屋たちのターゲットとなり、サバイバルバトルを繰り広げる羽目になる。
登場人物＆キャスト
チョン・ジンマン役：イ・ドンウク
殺し屋御用達のECサイトを秘密裏に運営し、両親を失ったジアンを世話してきた叔父。演じたのは、『トッケビ～君がくれた愛しい日々～』や『九尾狐伝』シリーズなどのイ・ドンウク。様々な秘密を抱える寡黙な叔父役は、憂いを帯びた雰囲気の彼が適任。
チョン・ジアン役：キム・ヘジュン
幼い頃に両親を失い、普通ではない叔父のもとで育った姪。演じたのは、『調査官ク・ギョンイ』や『キングダム』シリーズのキム・ヘジュン。これまでクセのある役柄での出演が目立っていた分、今回の平凡な大学生役は逆に新鮮だ。
ペ・ジョンミン役：パク・チビン
ジアンの幼馴染。ジンマンの表向きの仕事を手伝っていたこともあり、サバイバルバトルに巻き込まれてしまう。演じたのは、2003年頃から活躍している元子役のパク・チビン。
イ・ソンジョ役：ソ・ヒョヌ
ジアンを狙う凄腕のスナイパー。映画『別れる決心』のチンピラ役で高い評価を得ていたソ・ヒョヌが、また少し異なるタイプの悪人を演じている。
ソ・ミンヘ役：クム・ヘナ
身体能力が高く、銃やナイフなどの武器も使いこなせる、優秀な殺し屋。過酷なトレーニングを経てミンヘ役を完璧に演じたのは、新人俳優のクム・ヘナ。
ベール役：チョ・ハンソン
ジンマンと悪縁のある謎の人物で、ナイフ使いのプロフェッショナル。『ストーブリーグ』などのハンソンが、サイコパスな悪役に。3話以降に登場予定。
見どころ
1. 過去と現在が行き来するストーリー
1話冒頭、舞台となるのは周囲に民家のない一軒家。スナイパー（ソンジョ）が銃を放ち、室内にいたジアンの横をかすめて家族写真が撃ち落とされる。室内には他に、倒れているジョンミン、怪我しているミンヘがおり、頼れるのは己だけ。床に落ちている拳銃を拾おうと試みて妨害されるジアンだが、ふとジンマンとテレビでアクションシーンを見ていた時の記憶が蘇る。「トンボと違って人間はすべてが見えるわけじゃない。どの空間にも必ず四角があるんだ。ああやって四角を利用すれば危機から脱出できる」その言葉を思い出し、反撃できる武器を手に入れるー。
さあジアンのターンだ、とこちらが前のめりになったところで、回想シーンが次々と展開されていく。彼女が叔父の死を知った場面、叔父と最後に会話を交わした1年前、叔父の死後に裏稼業を知った時、叔父と初めて会った幼少期の一シーンが流れ、1話は終わる。続く2話も、ジアンの祖母（ジンマンにとっての母）が亡くなった頃から始まり、叔父と姪がいかにして2人暮らしをすることになった経緯が丁寧に振り返られる。
本作の魅力の一つは、この行ったり来たりの構成にあると思う。ピンチに陥った主人公、過去の言動でその窮地を救った叔父。あえて最初にクライマックスのような極限状態を作り出したことで、メインキャラ2人の印象を強烈に残す。そこから時系列通りに進まぬことで、彼らの過去や関係性などに興味がそそられるのだ。
2. ミステリーを加速させる、イ・ドンウクの存在感
黒目の大きな瞳にバサっとかかる長いまつ毛、すっと通った鼻筋に美しい形の唇。よく響く低音ボイスにどこかアンニュイな雰囲気……。と、このようにたくさんの魅力を携える俳優イ・ドンウクが、とにかく今回の役柄にハマっている。約8年間音信不通で、ある日顔を怪我した状態で家族のもとに現れたジンマン。ジアンの両親が亡くなった頃は、住民登録は抹消、何年も行方不明という記録を持っていた。自殺方法は、手首ではなく首を切りつけるという風変わりなもの。同級生たちも彼が何者だったのかをいまいち掴めておらず、お通夜では暴力団幹部説と国家情報院スパイ説が流れる。
現実離れした人物像だが、それでも腑に落ちるのは、これまでに死に神や九尾狐などすんなりと演じてきたドンウクだからこそ成せる技だろう。野生動物のドキュメントやアクション映画（もしくはドラマ）を観ながらサバイバル術の心得を説き、一人暮らしの花向けに実弾を防げる頑丈なロッカーを贈りながらも“デザイン重視で選んだ”とちぐはぐな理由を述べる叔父。年齢不詳の美しいビジュアルに、本気とも冗談とも取れぬ言動が加わり、ジアン同様、彼の過去すべてを解き明かしたくなっていく。
ドンウクの他にも、謎めいたキャラクターたちは多い。第1話の葬儀場シーンでは、ジアンにタバコの火を貸した大男、終始無言だった双子、献花を贈った戦友イ・ヨンハン（※名前のみ登場）など、裏がありそうな面々が登場。それに加え、ジンマン宅の地下に住むブラザー（イ・テヨン）、ジアンのムエタイ師匠パシン（キム・ミン）、そして最大の敵として予告されているベール（チョ・ハンソン）という3人のキャラクターの存在が公式情報として明かされている。
誰が敵で誰が味方なのか、ラスボスまでにジアンはどれだけの戦いを繰り広げることになるのだろうか。そしてなぜ、武器屋の販売業者が命を狙われることになったのだろうか。今後の配信も見逃せない。
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