直木賞作家・西加奈子、海外での乳がん治療の体験語る | RBB TODAY
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直木賞作家・西加奈子、海外での乳がん治療の体験語る

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西加奈子(Photo by David Levenson/Getty Images)
  • 西加奈子(Photo by David Levenson/Getty Images)

 直木賞作家・西加奈子が、21日放送の『あさイチ』(NHK)に出演。海外での乳がん治療の体験を語った。

 2021年のコロナ禍の最中、家族とともに滞在していたカナダで浸潤性乳管がんを宣告された。今回、乳がん発覚から治療を終えるまでの約8ヵ月を初のノンフィクション『くもをさがす』(河出書房新社)としてまとめたという。

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 番組ではこれをもとに話が展開された。病院に行く数ヵ月前から胸にしこりを見つけていたという西。当時バンクーバーはコロナの患者であふれ、病院に行けなかったという。そんなある日、両足に虫刺されの痕が。南京虫やトコジラミを意味する「ベッドバグかも」と指摘され、クリニックへ。医師からは「蜘蛛に噛まれたのでは」と診断されるも、続けて「他に何かないか?」と追加で質問された。これで彼女は「そういえばしこりがある」と切り出すことができたという。もしこの「他にないか」がなかったらと思うとぞっとすると話していた。紹介してもらった先の病院の診断結果は乳がん。詳しい病名は、ステージ2Bの「トリプルネガティブ乳がん」だった。ホルモン治療が効かないため、抗がん剤で徹底的に小さくするしか方法はなかったそう。

 入院先の病院では看護師がラジオから流れるボン・ジョヴィの歌にあわせて歌うなど「めちゃくちゃ明るかった」という西。しかも「看護師は一度も、かわいそうな患者として自分を扱ったことはなかった」と感謝。さらに「どれだけ私が痩せようが、どれだけ苦しもうが、かわいそうかどうかは私が決めること、というのは徹底していた」と回顧した。日本国内で小さい病気にかかり、入院したことがあった際は「体だけ持って行っている感じ」とも述べた。

 また、治療中に彼女が救われたのが「ミールトレイン」。産後や病気で自由がきかず、ご飯が作れないという人のため、交代で近所のみんながご飯を持っていく独特の文化だという。現地の友人は西のため、玄関にご飯とともに、手紙など心温まるプレゼントを届けてくれたそう。今回、そんな友人からのVTRが流れると、彼女は「泣いちゃいますね」と目を潤ませていた。
《杉山実》
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