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韓国ドラマ『なぜオ・スジェなのか』ソ・ヒョンジンら魅力的なキャストに迫る

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韓国ドラマ『なぜオ・スジェなのか』ソ・ヒョンジンら魅力的なキャストに迫る
  • 韓国ドラマ『なぜオ・スジェなのか』ソ・ヒョンジンら魅力的なキャストに迫る
  • (Photo by The Chosunilbo JNS/Imazins via Getty Images)
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Amazonプライムビデオで、2022年1月1日から配信されている韓国ドラマ『なぜオ・スジェなのか』。

大手弁護士事務所、TKローファームで高卒ながらもスター弁護士となったオ・スジェ(ソ・ヒョンジン)。出世欲が強く敵も多い彼女のまわりで、不可解な事件が起こる。そしてある事件をきっかけに、TKローファーム会長のチェ・テグク(ホ・ジュノ)の思惑で、スジェはロースクールで教授として教壇に立つことになる。

そこで出会ったロースクールの1年生コン・チャン(ファン・イニョプ)は、かつて無実の罪を着せられた過去がある青年で、その時彼を弁護したのがスジェだった。スジェに感謝し、再会を望んでいたチャン。2人が出会ったことで、過去の事件と現在の事件が一つの線となり、真実に向けて動き出す。(以下、物語の内容に触れるネタバレあり)

【Prime Video】韓国ドラマ『なぜオ・スジェなのか (字幕版)』
高卒ながらTKローファームのスター弁護士であるオ・スジェ(ソ・ヒョンジン)。勝つためには手段を選ばない冷徹な彼女は、TKの会長チェ・テグク(ホ・ジュノ)も認める敏腕弁護士だ。しかし、最年少にして代表弁護士への就任が決まった矢先、ある事件に巻き込まれてしまう

登場人物:
オ・スジェ(ソ・ヒョンジン)
TKローファーム所属のパートナー弁護士。裁判に勝つためには手段を選ばない冷酷なところがあるが、かつては正義感あふれる弁護士だった。

コン・チャン(ファン・イニョプ)
ソジュン大学ローススクール1年生。過去に冤罪で服役したことがある。弁護を引き受けたのはスジェで、ただ一人自分を信じてくれたことに感謝している。

チェ・テグク(ホ・ジュノ)
TKローファーム会長。金と地位のためならどんなことでもする冷血漢。スジェの能力を認めているため利用する。

チェ・ユンサン(ぺ・イニョク)
テグクの次男で、ソジュン大学ロースクール2年生。かつてスジェに家庭教師をしてもらい、スジェのことを慕っている。

チェ・ジュワン(チ・スンヒョン)
テグクの長男。TKローファームの後継者だが、若い頃から問題ばかり起こしている。スジェとは過去に結婚を約束した仲だった。


ソ・ヒョンジンの「溜めの演技」にくぎ付け



静かに熱演する姿に魅入ってしまうソ・ヒョンジン


ソ・ヒョンジンが演じているスジェは、仕事はできるが勝つためには手段を選ばない人物だ。しかし物語が進んでいくうちに、もともと出世欲が強いクールな人物ではなかったことがわかる。

スジェが駆け出しの弁護士だった頃は、依頼人を信じる純粋な人物だった。その時に出会ったのがまさにチャン(当時の名前はキム・ドング)で、無実を訴えるチャンの言うことに誰も耳を傾けない中、唯一彼を信じて無実を証明しようと奔走したのだ。

しかしTKローファームに入ったことで、彼女の人格はどんどん変わっていく。そこに大きく関わってくるのが宿敵となるテグクだ。かつてはテグクの長男・ジュワンの子どもを身ごもり、結婚の約束をしたが「嫁として認めることができない」というテグクの身勝手な言い分のために別れさせられる。スジェが出産した女の子を死産だったと嘘をつき、ジュワンとジュワンの妻のもとで育てられていたことが判明する。

その事実をテグクから聞かされた時のヒョンジンの芝居が印象的だ。テグクを問い詰める「溜めの演技」にくぎ付けになる。

鮮やかなドレスがよく似合うソ・ヒョンジン(Photo by The Chosunilbo JNS/Imazins via Getty Images)


もともとヒョンジンの溜めの演技には注目していた。最初に注目したのはNetflixで配信中の『君は私の春』。この作品でヒョンジンは、ホテルで働く優秀なコンシェルジュでありながら子どもの頃に経験した父親の家庭内暴力のトラウマに苦しみ、なおかつ男運に恵まれない女性、カン・ダジョンを演じた。

精神科医のチュ・ヨンドを演じるキム・ドンウクとのやり取りが、時に面白く、時に胸にジーンとくるものだったが、相手の目をジッと見つめ、一呼吸おいてからせりふを言うヒョンジンの「溜めの演技」が抜群に良かったと記憶している。

今作でもその演技スタイルは健在だった。しかも『君は私の春』とは違い、今回は怒りを爆発させる場面でも見ることができた。まさに先ほどのテグクとのやりとりがその一つなのだが、波乱万丈な人生を送ってきたスジェが、感情を爆発させるときに見せる静かな熱演をじっくり堪能してほしい。


ファン・イニョプ、頼もしい年下男子に胸キュン



スジェを守る頼もしい年下男子を演じたファン・イニョプ


冤罪で服役するという忌まわしい過去を背負っているチャン。無罪を勝ち取り社会生活に復帰したが、その時の傷は深く残っている。

父親でさえ無実を信じてくれなかったが、弁護を引き受けてくれたスジェだけは最後まで自分を信じてくれたことに感謝している。希望に満ちて入学したロースクールで、思いがけずスジェと再会し、チャンは喜びに満ち溢れる。

しかし再会したスジェは、かつて自分を弁護してくれた心優しい女性ではなかった。ここで特筆すべきなのは、チャンはがっかりするのではなく「なぜスジェが変わってしまったのか」というところを自分なりに理解しようとしたところだ。スジェ自身が悪いのではなく、きっと何か理由があったはずだ…と。

実際にTKローファームで働いたことによって、彼女は変わってしまったのだが、TKローファームの後継者・ジュワンに面と向かって「こんなところで教授(スジェ)が働いているかと思うと心配だ」と言ってのけるなど、なかなか大胆で生意気なところもある。

とにかくスジェの味方、スジェのために力を尽くす…そんな健気な姿を上手く表現しているのがチャンを演じるイニョプだ。

モデル出身のファン・イニョプは、長身でスタイル抜群だ(Photo by The Chosunilbo JNS/Imazins via Getty Images)


イニョプは、チ・シャンウク主演Netflixで配信中の『アンナラスマナラ-魔法の旋律-』で、チェ・ソンウンが演じる主人公のクラスメートを好演。30代なのに違和感なく高校生を演じた。少し影のある優等生役で、勉強ばかりの高校生活に疑問を持つ役どころを繊細に表現していた。

細かい表情や感情の機微を丁寧に演じているところは健在で、今回は年下男子のかわいらしさというよりも、スジェを守るという頼もしい男性といった印象が強く、場面によってはスジェよりも大人に見えた。イニョプの演技の幅の広さを感じた作品だったように思う。


ホ・ジュノが演じる哀愁漂う悪役像



スジェとテグクが腹を探り合うシーンは緊迫感があった


TKローファーム会長のチェ・テグクを演じたホ・ジュノは、強烈な印象を残した。スジェとの最後の会話で「自分の人生に後悔はない」「最善を尽くしてきた人生だった」と言い、悪役を全うした。

それに対してスジェは「いいえ。それは悪行です」と言い返したが、テグクは聞く耳を持たなかった。彼をそこまでにしたのは一体何だったのだろうか。

本作ではテグクという人物が若い頃にどんな人生を送ってきたのか、詳細に描いているわけではない。ただ、もともと裕福な家庭で生まれた人物ではないだろうということがわかる描写になっている。

「悪の3人組」であるハン・ソンボム(イ・ギョンヨン)とイ・インス(チョ・ヨンジン)と酒を飲んでいる時に、テグクは大学時代、勉強に明け暮れ、若くして司法試験に合格したという会話がされていた。明らかに親から地位を受け継いでいるソンボムとインスとは違い、常に自らを厳しく律した人生を送ってきたことがテグクに垣間見れた。

そしてテグクの行きつけの床屋は、いわゆる高級店ではなく町にある小さい店だった。そこの店主とは親しいようで、若い頃から通っていたのだろう。勝手知ったる床屋でくつろいでいるテグクはどこかホッとしているように見えた。もともと庶民的な感覚の人だったのかもしれない。

さらにテグクは、自分だけの隠し部屋を持っていた。そこでお気に入りのクラシックを聴きながら焼酎を飲んでお菓子を食べる…というのが楽しみだったのだ。まるで少年のように庶民的な焼酎とお菓子を食べながらくつろぐテグクに、ほんの少しだけ共感してしまった。

これは想像にすぎないが、幼い頃は貧しい生活を強いられたのだろう。貧しさをバネにしていつか頂点に立ってやると邁進してきたに違いない。そのためには他人を蹴落とし、人を殺めることも厭わないというのは、いささか極端すぎるが…。

そんな彼がたどり着いた先は悲惨なものだったが、最後スジェに「私がお前を育てなかったらどうなっていただろう」「お前を嫁に迎えていたら、何かが変わっていただろうか」と問いかける姿に、やりすぎてしまったテグクの哀愁を見た。ホ・ジュノという俳優は、こういう演技が本当に上手いと改めて感じた。

テグク役とは真逆の優しい笑顔を見せるホ・ジュノ(Photo by Han Myung-Gu/WireImage)



存在感が際立ったぺ・イニョク&チ・スンヒョン



スジェのことを切ないほど慕っているユンサン


テグクの次男で、スジェの教え子、そしてチャンと一緒にロースクールで学ぶ学生、チュ・ユンサンを演じるぺ・イニョク。法律に興味があるわけではなく、親が弁護士だからなんとなくロースクールに通っているというどこか冷めた雰囲気のあるユンサンを好演していたが、スジェと父・テグクとの間で苦しむ可哀そうな役回りだった。

イニョクに注目したのは、Amazonプライムビデオで配信中の『九尾の狐と危険な同居』で演じた、金持ちのプレーボーイ、ケ・ソヌ役だった。イ・ヘリが演じるヒロイン、ダムに本気で恋をする切ない役を演じていたのだが、華やかな容姿も相まって主人公のチャン・ギヨンに負けない魅力を放っていた。

クールにポーズを決める姿もさまになっているぺ・イニョク(Photo by The Chosunilbo JNS/Imazins via Getty Images)


今作で特に印象に残った演技は、父・テグクに数々の悪行を証明する証拠をスジェに渡したと告白し「もうやめてくれ」と涙で訴えるシーン。「息子なのに…出ていけ!!二度と顔を見せるな!」とテグクに胸ぐらをつかまれるところは、息を飲む熱演だった。

そしてもう一人のテグクの息子、チェ・ジュワンを演じたチ・スンヒョンも存在感を放った。ユンサンとは違い、典型的な金持ちのドラ息子で、悪い友人たちとつるんで問題ばかり起こしている人物だ。

ジュワンも最後までドラ息子を貫いた。ユンサンが父・テグクを本気で心配し「もうやめてくれ!」と言ったのと反し、数々の殺人を犯したテグクに対し「今まで父さんの言うことを聞いてきたからスジェとも別れたのに!!」と恨み言を言い、テグクを責めた。ジュワンのこの言動で、テグクの緊張の糸がプツンとキレてしまったのかもしれないと思うと、なんとも切ない親子関係だったのだなと悲しい気持ちになった。

笑顔がとても素敵なチ・スンヒョン(Photo by The Chosunilbo JNS/Imazins via Getty Images)


今作でスンヒョンは、クズ男ぶりを発揮していたのだが、Netflixで配信中の『君は私の春』では、キム・ドンウクが演じるチュ・ヨンドの親友で、動物をこよなく愛する獣医師、ソ・ハヌルを演じた。

この作品でもソ・ヒョンジンと共演しているのだが、残念ながらあまりからみはない。その代わり物語の中で癒し担当として、3枚目の役を好演。今作では強面の表情ばかり見せているジュワンとの違いを楽しんでみるのもおすすめだ。

※『なぜオ・スジェなのか』
Amazonプライムビデオにて独占配信中

【Prime Video】韓国ドラマ『なぜオ・スジェなのか (字幕版)』
高卒ながらTKローファームのスター弁護士であるオ・スジェ(ソ・ヒョンジン)。勝つためには手段を選ばない冷徹な彼女は、TKの会長チェ・テグク(ホ・ジュノ)も認める敏腕弁護士だ。しかし、最年少にして代表弁護士への就任が決まった矢先、ある事件に巻き込まれてしまう

■筆者プロフィール

咲田真菜

舞台・映画・韓国ドラマの執筆を手掛けるフリーライター。映画『コーラスライン』でミュージカルに魅了され、あらゆる舞台を鑑賞。『冬のソナタ』で韓国ドラマにハマって以来見続け、その流れで韓国映画、韓国ミュージカルにも注目するようになる。好きなジャンルはラブコメ、ファンタジー、法廷もの。ドロドロした愛憎劇は苦手。好きな俳優はイ・ビョンホン、イ・ジョンジェ、ヒョンビン、キム・ドンウク、チャン・ギヨン。いつか字幕なしで鑑賞したいと韓国語を勉強中。
《咲田真菜》
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