裾野が広がってきた“XR”の世界……「VR・AR・MRワールド」 | RBB TODAY

裾野が広がってきた“XR”の世界……「VR・AR・MRワールド」

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可動型チェアshow-geki
  • 可動型チェアshow-geki
  • 可動型チェアshow-geki
  • 複数のVRカメラを必要に応じて切り替えることが可能に
  • VR空間に複数人が参加できるTSUNAMI WORKSPACES
  • VR空間に複数人が参加できるTSUNAMI WORKSPACES
  • 触れる音のプレイ画面をディスプレイに表示したところ、いろんなキャラが空間に浮かんで動き回っている
  • いくつものイベントが開催されているコンテンツ東京
  • アプリのいらないAR。実用性は高そうだ。ARマーカーをカメラで捉えると、ブラウザ内にAR映像が表示される
 東京ビッグサイトで開催された第8回「コンテンツTOKYO」で、「VR・AR・MRワールド」という特設展示をやっていたので行ってみた。

いくつものイベントが開催されているコンテンツ東京

駆動型の椅子と連動し、リアリティを増幅させるVRゴーグル「DPVR 4D」


 VRゴーグルの新製品「DPVR 4D」は、日本のLAB(エル・エー・ピー)という会社が開発し、カジ・コーポレーションという会社が販売する。今までのほとんどのVRゴーグルと異なり、ゴーグル1つでVR視聴・ゲームプレイ・ブラウジングができるという手軽な製品だ。

 ディスプレイにはサムスン製の有機EL(2560×1440ドット:2.5K)を採用しており、映像は比較的クッキリしている。2.4G/5GのデュアルバンドWi-Fiによって送られたコンテンツをストリーミング再生するほか、マイクロSDスロットも搭載しており、メディアに記録されたコンテンツも再生できる。さらにチャプター再生機能を持ち、目的のチャプターにジャンプして再生できる。一体型VRゴーグルでそのような機能を持つのはこの製品だけだという。

オーソドックスなルックスのDPVR、手に持った感じはけっこう軽量だ
オーソドックスなルックスのDPVR、手に持った感じはけっこう軽量だ
オーソドックスなルックスのDPVR、手に持った感じはけっこう軽量だ


 名前の末尾につく「4D」という文字は、さまざまな機器との連動が容易であることを示しており、駆動型チェアなどとも連動でき、より体感的にゲームを楽しむことができるとのこと。今回のイベントでも同社開発の「show-geki」という駆動型チェアが展示されていて、DPVR 4Dと接続して動作するデモがおこなわれていた。このチェアはオプションで送風機能もサポートされており、よりリッチな体験をすることもできる。

可動型チェアshow-geki
可動型チェアshow-geki
可動型チェアshow-geki


 ちなみにDPVR 4Dは個人向けに販売するというようなビジネスではなく、ネットカフェなどでサービス提供をおこなうという。このような本体だけで見られるようなシンプルなVRゴーグルが増えれば、VRサービスを提供するネットカフェも増えていくのかも知れない。

「場所を超えて大集合!」仕事の打ち合わせやセミナー開催もできる、多人数同時VRサービス


 VRビューワーをつけると、まるで違う空間に行けるというのはVRを体験した多くの人が感じていることだと思うが、複数の人で同じVR空間に入るということも現在では実現されてきている。

 アスクが販売する「TSUNAMI WORKSPACES」(Tsunami ARVR,Inc)は多人数が参加するVR空間を提供できるというサービス。遠隔地からも同じVR空間にアクセスでき、VR空間上のホワイトボードに手元のキーボードやタブレットを介して書き込むことができたり、3Dモデルの配置・確認といった直感的な操作を共有できたりする。これによって、離れた場所にいる人とのトレーニングやコラボレーション、打ち合わせなどに活用できるという。

VR空間に複数人が参加できるTSUNAMI WORKSPACES
VR空間に複数人が参加できるTSUNAMI WORKSPACES


 ポテンシャル的なことを聞いてみたところ、「拠点と拠点をつないで30人くらいは入れます。たとえば教師が一人いて、ほかの参加者に教えるというセミナー的なことにも使われています。以前は教師が各拠点を移動してセミナーをしていたのに対して、このサービスを使えば、教師は移動せずに各拠点の人、30人近くを相手にいろいろ教えることができるわけです」とのことだった。

 VR空間内で表示できるデータとしては、jpg、pngなどの一般的な画像形式は当然、AVI、FLV、MP4、mov、3gp、ogg、ogvなどの動画データ、さらに3D(CAD)データも、autodesk形式をはじめ、SOLIDWORKS形式、Unity形式、WORKSPACES形式など幅広く対応していて、VR空間内で画像や映像や3Dモデルを見せ合うことができる。

本から映像が飛び出すAR絵本


 昔、飛び出す絵本というものが流行ったのを知っているだろうか?その登場はもう30年以上も昔のこと。折り畳んだ紙をページを開く動作で飛び出させるという仕組みで、平面の本から建物や怪物などが立体に飛び出すという趣向だったわけだが、現在ではARを使って、スマホの画面にさまざまなものが立体に表示されて動き回るというようなものが登場してきている。

 スマホに対応アプリをインストールし、それを起動。本のなかのARマーカーをカメラでとらえると、そのARデータがダウンロードされて、スマホ画面に表示される。塗り絵もあり、色を塗ってからカメラで撮影すると、その色を塗った状態で絵が立体に表示されたりする。また、色を塗るとリアルタイムにAR側の色が変わったりするものもあった。子供には楽しいおもちゃになりそうだ。

ロボットや恐竜など、いかにも子供が好きそうな題材のDEVARのAR絵本
ロボットや恐竜など、いかにも子供が好きそうな題材のDEVARのAR絵本


塗り絵に、塗った色がARにも反映される


 このようなAR絵本を出展していたのは、「DEVAR Entertainment」(アメリカ)と、ベトナムの「ベトナム×Rコミュニティ」。現在、日本国内では販売されていないのだが、DEVARは出版社などにアプローチして国内販売への動きをしているという。

アプリなしでARを表示する「アプリレスAR」


 ARは現実空間に3Dモデルを表示してくれて楽しいものだが、そのためにアプリをインストールしたり、場合によってはセットアップをしたりするのが面倒くさい。Webブラウザを使ってAR表示することで、この問題を解決しようというのがオムニバス・ジャパンが開発した「アプリレスAR」。QRコードを使ってSafariブラウザでアプリレスARの機能を持つページを表示させ、その状態で対応ARマーカーをカメラで捉えるとARが表示されるというシンプルなもので、慣れればスムーズに実行できる。

アプリのいらないAR。実用性は高そうだ。ARマーカーをカメラで捉えると、ブラウザ内にAR映像が表示される
アプリのいらないAR。実用性は高そうだ。ARマーカーをカメラで捉えると、ブラウザ内にAR映像が表示される


VR空間のデータを分析する「AccessiVR」


 現在、インターネット上ではオンラインショッピングは非常にポピュラーになっているが、VR空間の店のなかを動き回り、商品を購入することができるようなショッピングモールができるのも時間の問題だろう。このVR空間のなかでのユーザーの行動を分析することができるソフトが、ダズルが開発した「AccessiVR」だ。

 展示デモでは「さわれる音」というHTC VIVEのソフト内で、どのアイテムがよく触られていたか?男女比率は?などのデータを見ることができた。ちなみに、さわれる音というのは空間内に登場するものをプレイヤーが触ると音が出るという音ゲーだ。

触れる音のプレイ画面をディスプレイに表示したところ、いろんなキャラが空間に浮かんで動き回っている
触れる音のプレイ画面をディスプレイに表示したところ、いろんなキャラが空間に浮かんで動き回っている


VR空間内でのユーザーの動きを数値化して見せてくれる
VR空間内でのユーザーの動きを数値化して見せてくれる


 これを活用すると、ユーザーがVRショッピングモールの空間を動き回ったデータが取れるので、通常のリアル店舗でおこなわれているような、よりセールスをあげるためにはどんな改良をすればいいか?という分析をすることができる。

 ただ、このサービスは正直、日本ではまだ早すぎるのでは?という印象がある。VRを取り入れたショップやショッピングモールがまだ普及していないからだ。今後の動向に注目したい。

透かし連携4Kライブ配信とは?


 NTTテクノクロスとクロスデバイスは、さまざまな映像技術に関する展示をしていた。そのなかのいくつか興味深いものを紹介しよう。

 「透かし連携4K 3DライブVR配信」というのはテレビやデジタルサイネージとの連携でスマホを360度ライブVR映像に誘導するという新しいテクノロジー。テレビやデジタルサイネージの映像信号のなかに、電子透かしを入れており、それをスマートフォンのカメラで捉えると、VR映像にジャンプするという仕組みだ。

 テレビを視聴しながら、気になるポイントではその場面の360度映像にユーザーを導くような、新しい体験を生み出せるのかも知れないので期待したい。

テレビ等の映像にトリガーとなる信号を仕込み、スマホでVR映像の再生を開始する「透かし連携4K 3DライブVR配信」
テレビ等の映像にトリガーとなる信号を仕込み、スマホでVR映像の再生を開始する「透かし連携4K 3DライブVR配信」


 また、「パノラマ超エンジン」は、8K相当の高画質で360度映像を配信するための技術。360度映像といっても、ユーザーは常に映像全体を見ているわけではなく、基本は前方の一点に集中している。パノラマ超エンジンでは、全体としては8Kの映像を、ユーザーが注視している部分(スマホ画面で表示している領域)だけ高画質に表示して、それ以外の部分は画質を落として配信することで、少ない負荷で高画質の360度映像配信を実現する。技術提携しているドコモでは、これを活用して「8K 60fps VR映像配信・視聴システム」という高画質VR配信を実現できるという。

パノラマ超エンジンのイメージ図
パノラマ超エンジンのイメージ図


 また、ライブ・VOD配信において、「多視点VRカメラ切り替え機能」というものも実現しているという。これは最大4台のカメラを必要に応じて切り替えることができるというものだ。これによって、ユーザーは自分が見たい視点からのVR映像を体験することができる。

複数のVRカメラを必要に応じて切り替えることが可能に

触ると反応する文字「あ」


 アーティスティックな試みも展示されていた。福岡県ビジネスコンテンツ振興会議は、ウレタンのような柔らかい手触りの「あ」という文字を展示していた。この文字は触ると「あ」という声を出すのだが、触り方で異なる声を出してくるのが面白かった。

 ゆっくりなでると喜び、強くたたくと怒ったような声になる。文字を形成するウレタンのなかにセンサーが仕込まれていて、触られているのを検知し、その動きに応じて声を出すのだという。単純にこれがXRというジャンルなのか?というと難しいかも知れないが、触っているとなかなか面白く、子供向けのおもちゃとしてもけっこうイケるのでないかと思った。

やわらかいウレタンでできた文字だが、触ると、その触り方によっていろいろな「あ」をしゃべってくれる

 あまり極端な新製品がなくてインパクトが弱いと思った人もいると思うが、僕はXRの世界はゆっくりと人々の間に広まり、身近なものとなり、生活の一部と言っていいほど普及が進んできたと感じた。AR絵本などは子供が最初に触れるARとなり、彼らにとってはARが日常的なものとして記憶に刻まれることになるのではないかと思う。


池袋ナンジャタウンで最新MR!HoloLensでパックマン!!
《一条 真人》

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