東京ビッグサイトで開催された「危機管理産業展 2016」の併催展「サイバーセキュリティワールド2016」では、シー・ティ・マシンが、テロ対策グッズとして、イスラエル・Karil Internationals製の防爆ゴミ箱を展示していたので紹介していこう。
●爆破被害を最小限にとどめるゴミ箱
一般的に「防爆仕様」というと、可燃性ガスなどが発生する現場で、爆発・火災を起こさないための対策を指すが、ここで言う「防爆」は、爆発物による被害を防ぐという意味の「防爆」となる。

国際テロの現場では、監視の目が行き届きにくいゴミ箱に爆発物などが仕掛けられることも少なくなく、日本でも地下鉄サリン事件の発生後には、全国各地でゴミ箱が撤去されたり、使用禁止されるなどの対策が取られた。直近では、伊勢志摩サミットの開催に前後して、都内の鉄道駅のゴミ箱が使用禁止になるなどの措置が取られ、ゴミ箱の警戒はテロ対策の基本であることをうかがわせる。

そんなゴミ箱に着目したテロ対策グッズが、防爆ゴミ箱「BCR X10」だ。もしも、このゴミ箱内で爆弾が爆発した場合、爆風や衝撃を上方に逃がして、被害を最小限に防ぐことができる。

ちなみに爆発物による被害で怖いのは、爆風により飛ばされたものが凶器となりうる点にあり、先だって宇都宮で起きた連続爆発事件などでも爆発物にクギなどの金属片が混じっていたことが報道されている。このゴミ箱なら、TNT火薬換算で0.5kg相当の爆発に耐え、しっかりと爆風や飛散物をブロックする。
ゴミ箱として考えると非常に高価(定価ベースで1つ100万円程度)だが、テロリストに狙われる可能性がある公共スペースで、爆発物が見つかり、避難が間に合いそうにない時など、このゴミ箱に爆発物を入れることで、被害を最小限に抑えながら爆発物処理班などの専門家を待つといった運用できるだろう。


同製品の取り扱いを行うシー・ティ・マシンによると、販売以外にもリースやレンタルも前向きに検討中とのこと。