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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第99回 これぞ、“駐車場IoT”! 駐車場検索アプリ「Smart Park」のビジネス展望とは

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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第99回 これぞ、“駐車場IoT”! 駐車場検索アプリ「Smart Park」のビジネス展望とは
  • 【木暮祐一のモバイルウォッチ】第99回 これぞ、“駐車場IoT”! 駐車場検索アプリ「Smart Park」のビジネス展望とは
  • 「Smart Park」アプリで周囲の駐車場検索する画面
  • 駐車場の満空情報、料金の縦列が一目でわかる
  • 駐車場の詳細情報画面
  • 駐車時間からの料金シミュレート。任意の時間、たとえば2,400円で停められる時間ぎりぎりにアラームなんて設定も
  • 検索範囲は最大1kmまで拡げられる。都心部では必要ないが地方都市では役立つ
  • 夜間営業していない駐車場は料金シミュレートでグレーアウト
  • 事業概要を説明する株式会社SPOT 最高執行責任者COO・花房寛氏
「空き駐車場や駐車料金の可視化は、ユーザーにとっては有益な情報となる。一方、時間貸駐車場は一時的な土地利用などで開設される場合もあり、新しい駐車場ができたと思えば、閉鎖される駐車場も多い。案外、わかりづらい場所、気づかない場所に駐車場があるということも。そういう駐車場がアプリで検索でき誘客できる点は駐車場事業者にとってもメリットとなる」(花房氏)

 既存の時間貸駐車場に後付けで通信するセンサーを取り付けて情報を収集していくというこの手法、いうなればIoTによる駐車場のスマート化といったところだろうか。現時点では満空情報の検知しかできないが、今後ソーラーパネル付きのモジュール部分を多機能化していくことも検討中という。たとえばビーコンを取り付け、Smart Parkアプリのユーザーが入出庫した際の検知ができるようになれば、アプリ上の駐車料金シミュレーションも自動化が可能であろうし、さらにアプリを通じた駐車料金精算なども可能になってくるかもしれない。

 SPOTは、2015年6月に1億円を増資し駐車場IoT事業を本格化させた。満空検知ハードウェアの開発、量産を経て、2016年6月にはさらに1.6億円を追加増資。この調達で2017年3月を目指す満空検知センサーの5,000カ所増設を実現させる。

 また今後は、満空検知センサーやSmart Parkアプリを通じて収集されるビッグデータを分析し、さらにデータマイニングを加えることで、満空の予測なども行い効率良くユーザーの自動車を最適な駐車場へ誘導するような仕組みが構築可能になるかもしれない。

「Smart Parkならリアルタイムで満空状況のモニタリングができるので、時間別の価格設定など、駐車場の収益向上につながる対策を早いサイクルで実施することができる点は駐車場事業者にとって強みになるはず。また将来的には時間貸駐車場だけでなく、商業施設や店舗の駐車場などとも連携し、駐車スポットの総合ポータル化を目指す」(花房氏)

 こうした時間貸駐車場のデータが蓄積されたプラットフォームは、将来の自動運転社会にも必要不可欠なものになるとSPOTは考えている。

「近年注目されるようになった自動運転技術だが、そのイメージに描かれているものは走っている場面だけ。自動運転社会が実現すれば、自動運転車を使って移動する際には必ず駐車場に関わるデータが必要になってくる。とくに自動運転車の最終目的地は時間貸駐車場というケースがかなり多くなるはず。そんな将来に求められるデータをいかに収集し、蓄積し、有効に活用してもらえるようにするか、これを考えていくのが私どものミッションである。自動運転社会に向けたリアルタイム目的地情報プラットフォームの構築を目指していく」(花房氏)

 時間貸駐車場の満空表示を検知するIoTセンサーから第一歩を踏み出した同社だが、その将来展望は明確である。駐車場のスマート化は確かに始まったばかり。近未来を展望し、どういったデータを集約してプラットフォーマーとなって社会に役立てていくのか、同社の今後の取り組みに注目していきたい。
《木暮祐一》
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