3年目を迎えた“新生VAIO”、2016年度はPCとEMSに続く「第三のコア事業」育成へ | RBB TODAY

3年目を迎えた“新生VAIO”、2016年度はPCとEMSに続く「第三のコア事業」育成へ

IT・デジタル エンタープライズ

VAIOの大田義実社長
  • VAIOの大田義実社長
  • PCとEMSが現在のVAIOを支える2本柱
  • 16年度以降は「第三のコア事業」を立ち上げることが目標
  • VAIOの販売が中南米にも広がる
  • VAIO C15を発表
  • カラフルな4色のバリエーション
 VAIOは26日、2016年度の経営方針を発表した。設立から2年間で確立してきた安定成長路線を堅持し、「第三のコア」となる新規事業を早期に立ち上げてビジネス規模を拡大するための戦略が語られた。

 新年度の事業計画については代表取締役社長の大田義実氏が登壇、内容を説明した。昨年、社長に就任した大田氏は、2015年度にVAIOとして取り組んできた「自立と発展」のビジネスモデルを実行してきたことが、一定の成果をあげたと強調。VAIOの強みを活かしたものづくりのノウハウと、働く人材のパフォーマンスを高める構造改革が、国内の拠点である長野県安曇野で着実に形を成してきたという。大田氏が社長に就任して以後、VAIOが自立するための施策として営業部が設立され、顧客の声をダイレクトに吸い上げる仕組みを整えた。小規模な会社ながら全ての経営ファンクションをバランス良く揃え、社員に収益責任と数値目標を持たせることで仕事意識を改革。筋肉質の体制づくりに取り組んできた。

 VAIOはそのテーマである「快」を掲げながら、仕事の生産性を高めるためのツールとしての価値をより明確にしてきた。商品力の強化にも努め、ラインナップを拡充。フラグシップモデルであり、全ての工程を安曇野工場で製造する“Made In Japan”の「Zライン」がブランドイメージを牽引し、中核の「Sライン」がビジネスユーザーを中心にヒットモデルとして足場を固めた。国内拠点では、きめの細かい生産・品質管理体制を敷いたことがVAIOの信頼性を高め、ソニーから独立後には一時不安定だったブランドイメージを再び高めることにもつながった。

 近年はVAIOが独自にLTEデータ通信SIMをVAIO S11と一緒に展開し、いわゆるMVNOとしてのチャレンジにも手を付けた。今年の春には自社開発のWindows 10 Mobileを搭載するスマホ「VAIO Phone Biz」も発売され一定の評価を受けている。「Windows 10 Mobile搭載のスマートフォン」もVAIOが今後の成長を支えるキーデバイスとして挙げるアイテムだが、具体的な端末の開発計画については発表されず、大田氏が「今後もマイクロソフトやNTTドコモなどパートナーとともに、スピード感をもってマーケットの開拓を継続的に図っていく」とコメントするまでにとどまった。

 ソニー時代から築いてきたVAIOの「ものづくりのノウハウ」を活かした新規領域事業の創出にも注力した。いまやVAIOの柱となるビジネスにまで成長した製造受託(EMS)事業は富士ソフトとの協業によるロボット「Palmi」や、Moffバンド、テラダ・ミュージック・スコアと開発する電子楽譜「GVIDO」などのパートナーと組んだ先進デバイスの開発にも広がりをみせている。大田氏はEMS事業が「予想以上のスピードで成長を遂げた」と振り返っている。

 国内での販路も強化してきたことから、販売力も高まりつつある。設立時にソニー本社の支えを受けてVAIOを販売していたソニーストアだけでなく、その後は家電量販店での取り扱いもスタート。VAIOの直営ECサイトである「VAIO STORE」も開設した。大田氏は「VAIOストアは投資回収を終了し、これから取り扱い製品を拡大していく」と意気込む。コンシューマーだけでなく法人ビジネスの強化にも努める。昨年度はアメリカとブラジルを皮切りに海外進出を実現。「今後も適切なパートナーを見つけ、VAIOの身の丈に合った海外進出を進めていく」とした。本日は今年の9月にアルゼンチンでVAIOの販売がはじまるほか、2017年初めにはチリ、ウルグアイにも展開する計画が発表された。

 これらの取り組みの成果として、2015年には2014年の2倍となる売上げ増を達成。営業利益の黒字化を達成し、「2014年度からのV字回復を成功させた」と大田氏は胸を張る。好成績を支えた大きな要因としては「純粋な売上げ増」が第一とされたが、ほかにもEMS事業が予想以外に速く立ち上がったことや、原価管理についても、普段の現場でのオペレーションの効率化を図り、製造・設計現場で細かな改善を丁寧に行ってきたことが奏功したようだ。大田氏は「2017年度にPCとそれ以外の事業を収益的に1対1にするという目標は変えていない。これを前倒しに実現したい」とした。
《山本 敦》

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