【深掘り!#001】低照度でのカラー撮影を可能にする超高感度カメラとは? | RBB TODAY

【深掘り!#001】低照度でのカラー撮影を可能にする超高感度カメラとは?

エンタープライズ セキュリティ

今回の検証では、一般的な監視カメラ(右)と超高感度カメラ(左)を使って同一環境下で撮影を行いその映像の違いを比較した(撮影:防犯システム取材班)
  • 今回の検証では、一般的な監視カメラ(右)と超高感度カメラ(左)を使って同一環境下で撮影を行いその映像の違いを比較した(撮影:防犯システム取材班)
  • 一般的な監視カメラ(左)と超高感度カメラ「SSC-9600」(右)。「SSC-9600」はハイセキュリティ向け製品となる(撮影:防犯システム取材班)
  • 検証を行った撮影環境。モデルのバストアップを撮影する画角にして、約460lx、約6.5lx、約0.03lxの3段階の照度で撮影したり、低照度環境下での「SSC-9600」の映像を様々な条件で検証した(撮影:防犯システム取材班)
  • 蛍光灯照明のみの事務所の明るさとほぼ同程度と言える約460lxでの撮影映像の違い。画面左が「SSC-9600」で撮影した映像で、画面右が一般的な監視カメラでとらえた映像。大きな違いはなし(撮影:防犯システム取材班)
  • 続いて日の出、日没と同程度の明るさである約6.5lxでの検証時の撮影環境。肉眼ではもう少し明るく見えていたが、モデルの顔はおおよその表情が把握できるくらいの明るさ(撮影:防犯システム取材班)
  • モデルの顔を鮮明でなめらかに映している左側の画像が「SSC-9600」による映像で、肉眼よりは鮮明ながら若干のザラつきが発生している右側の画像が一般的な監視カメラによる映像(撮影:防犯システム取材班)
  • 続いては約0.03lxの照度で検証を行った際の撮影環境。肉眼でもほぼ真っ暗な状態で、かろうじてカメラやモデルのシルエットが認識できる程度の明るさ(撮影:防犯システム取材班)
  • 画面右側の一般的な監視カメラでは完全に撮影できなくなったが、左側の「SSC-9600」による映像では、モデルの顔を鮮明に映し出していた(撮影:防犯システム取材班)
 世の中に日々登場している防犯・防災製品&サービスの中から、もっと詳しく性能や機能を知りたいモノを防犯システム取材班がピックアップして、取材や検証を元に"深掘り"していく不定期の新連載。

●低照度下でもカラー撮影ができる超高感度カメラ

 今回ピックアップしたのは、昨今の防犯・セキュリティカメラ市場において、4Kや全方位カメラと並んで注目のトレンドとなっている、暗闇でもカラー撮影ができる「超高感度カメラ」だ。

 これまでも夜間撮影に対応した監視カメラはあったが、従来モデルの多くはIR撮影によるモノクロ映像だった。しかし、昨今では主にハイセキュリティな用途を想定しているユーザーや捜査機関などから、夜間などの低照度環境下でも鮮明なカラー映像を求めるニーズが高まっており、各メーカーが対応した製品のリリースを行っている。

 しかし「超高感度」と言われても、なかなかピンとこない。「実際どれくらい暗い環境下でも撮影できるのか?」、「一般的なカメラと比べるとどれほどの違いがあるのか?」、「暗闇で撮影した映像はどんな画質なのか?」といった疑問が出てくるはず。

 ただ、超高感度カメラは、基本的にハイセキュリティ向けの製品かつ、高額なものが多いため、なかなか実機を使ったデモを見る機会は少ないのが実情だ。

 そこで今回は、2013年の発売以来、すでに多数の導入実績があるという超高感度HDビデオカメラ「SSC-9600」を提供するカリーナシステムの協力のもと、実機を使った検証を行った。

 「SSC-9600」とは、超高感度2/3型220万画素のCMOSセンサーを搭載したカメラで、0.005lxの環境下でも1/30秒の露光時間での撮影が可能。また、独自技術の3次元ノイズリダクション処理により、CMOS特有のノイズの発生を大幅に低減している点が特徴となる。映像出力はHD-SDI、コンポジットビデオ(BNC)端子から行える。

 想定される用途としては、空港や国境といった重要施設でのハイセキュリティな映像監視、河川や港湾の災害監視などのパブリックユースとなり、ハイエンドな製品となる。

●一般的な監視カメラと超高感度カメラ「SSC-9600」の違い

 今回の検証は、一般的な監視カメラと超高感度カメラ「SSC-9600」を使い、暗室で実施。室内の蛍光灯を点灯させた状態(約460lx)、室内の蛍光灯を消灯して暗室の後方のドアを開けて外光が差し込んだ状態(約6.5lx)、蛍光灯を消灯しさらに後方のドアを閉めて外光が差し込まない状態(約0.03lx)の3段階の照度での撮影画像を比較をした。

 まず約460lxでの比較は、両製品で撮影した映像に大きな違いはなし。460lxがどれくらいの明るさなのかと言えば、蛍光灯照明のみの事務所といったイメージで、肉眼でも被写体であるモデルの顔をしっかりと認識できるレベルだ。

 続いて約6.5lx。この照度の目安としては、日の出、日の入り程度の明るさといったイメージで、肉眼でもある程度のモデルの顔を確認することができる。一般的なカメラは、少しノイズが乗ったザラつき感のある映像となったが、「SSC-9600」では、肉眼よりも鮮明でなめらかな画像となった。

 そして0.03lx。月明かり下の照度がおよそ0.5~1lxなので、月明かりよりも暗い環境となる。肉眼ではかろうじてモデルのシルエットが見える程度で、顔の認識や色の識別は困難な状態。こうなるともう一般的なカメラでは、もう撮影不可レベル。一方で「SSC-9600」は、モデルの顔も、着ている服の色も、そして背景に映るカラーチャートも認識できるレベルの映像となった。

●色や文字の識別は可能か?

 続いての検証では「SSC-9600」を使って、約0.03lxの環境下で車のナンバーを模した文字の識別や、カラーチャートを使った色の識別、被写体が動いた場合にどういう映像になるかを試してみた。

 まず文字に関しては、十分に識別可能なレベル。数字の一部分を赤や青のマジックを使って書いたのだが、色の識別は若干判別しにくくはあったが、十分な可能な状態だった。

 また、モデルにカラーチャートを持ってもらって撮影したところ、色の三原色である赤、青、緑の系統の把握は十分に可能。さすがに黄緑と黄色などといった濃淡の違いはぱっと見では判別しずらい部分もあったが、よく見れば違いを把握することができる。

 最後が、約0.03lxの低照度下で、モデルに手を振ってもらいその映像を確認。0.005lxでも秒間30フレームを確保できるということもあり、被写体ブレが抑えられた映像となっていた。

●検証を終えて

 各メーカーが手がける超高感度カメラには、「見えないものまで可視化する」などいったキャッチフレーズがよく使われているが、今回は、実際に肉眼で実験環境を見ながらの検証だったため、その言葉をより強く印象づける結果となった。

 今回紹介したカリーナシステムの「SSC-9600」も含め、こうした超高感度カメラは、各メーカーがハイエンド機の位置付けで販売しており、今後は2020年の東京オリンピックに向けたテロ対策機器や、次世代の防犯カメラとして普及していくことが予想される。

 次回は、今、注目を集めているスマートロックの日本におけるパイオニアであるフォトシンスの「Akerun」を掘り下げていく。
《防犯システム取材班/小菅篤》

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