【まちてん】ブランド化した「みかんブリ」って何だ?海の二毛作を実現した新商品 | RBB TODAY

【まちてん】ブランド化した「みかんブリ」って何だ?海の二毛作を実現した新商品

エンタープライズ その他

宇和島プロジェクト 代表取締役の木和田権一氏
  • 宇和島プロジェクト 代表取締役の木和田権一氏
  • 宇和島プロジェクトのサイト
「私は2回、漁協からクビになりそうになりました」

 宇和島プロジェクト 代表取締役の木和田権一氏は、地方創生をテーマにしたイベント「まちてん」のステージで振り返った。木和田氏は宇和島漁協に18年間勤務。社内ベンチャーとしてのプロジェクトを2001年から開始して、2009年には6億円、17億円と順調に売り上げを伸ばした。その間、漁協の中でもプロジェクトに対する意見は真っ二つに割れ、冒頭のようなことも起こったという。

 プロジェクトの中心は「柑橘系+魚」のハイブリッドな魚だ。この異色の組み合わせが実現された背景には、地域のかかえる問題が存在していた。

 愛媛は今治タオルなどで有名な「東予」、松山空港、道後温泉がある「中予」、みかんの生産と水産業が盛んな「南予」に大きく分類される。日本屈指の柑橘生産地で水産業の養殖もさかんだ。しかし世間では魚離れが起きる。2007年には、肉と魚の消費が逆転。魚臭い、養殖臭がするなどの理由でどんどん魚の離れが起きていった。「この2大産業が疲弊するということは、地域の盛衰に直結するんです」と木和田氏は話す。このままではいけないという流れの中で開発されたのが「みかんブリ」だ。餌にみかんジュース加工時にでる皮をまぜ、独特の臭みを消したり、魚の色が変わらないようにしたりという魚だ。これまでの餌と異なるため、魚のくいつきも悪かったが、徐々に混ぜ合わせる量を増やしていくなど工夫した。

 木和田氏はみかんブリの開発にあたって約100人にアンケート調査を行った。99人が否定的だったなかで1人だけが、食べてみたいと回答。自宅に持って帰っても家族の反応は「これはおいしい」というものだった。この時、何かが変わるのではと感じたという。

 実は好反応を示した1人は、くら寿司のバイヤーだった。

 くら寿司からは、さっそくフェアをやりたいと申し出があった。現在まで10回フェアは実施されている。生産者にはやがて、生の魚が苦手だった子供から注目され、ほかの魚も食べられるようになったという反応がよせられるようになっていった。

 現在はみかんブリに加えみかん鯛も販売。続いてみかんサーモンなるものも販売し始めている。「我々は、ブリ・鯛を販売していましたが、サーモンには負けていました。サーモンは敵だったんです。これを味方にするには宇和島で飼えばいいのでは?と考えました」。愛媛県庁に水温を聞きながら調査した結果12月から4月末までの短期間サーモンに適している水温があることがわかった。実は、11月~12月は鯛・ブリの出荷が多いのでが、その後空きの時期が発生、5月にようやく稚魚が入る。この間にサーモンを育てるのだ。木和田氏はこれを海の二毛作と呼んでいる。

 実は愛媛でも市況に左右される不安定な収入、担い手不足などの問題を抱えている。ここでブランド化、指名買いなどに発展することを期待している。

 この取り組みはフード・アクション ニッポンアワード農林水産部門で最優秀賞を受賞する結果となったが、木和田氏は大きな成果として山の幸、海の幸がコラボしたこと、産官学の共同で開発したこと、新たな消費者を開拓できたことを挙げている。

「みかんブリ」で地域活性!宇和島プロジェクトの秘策

《HANJO HANJO編集部》

関連ニュース

特集

page top