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【楽しい100人 Vol.14】IoTの可能性を信じて人の役に立ちたい……エコモット代表取締役入澤拓也氏

エンタープライズ 企業
エコモット株式会社代表取締役の入澤拓也氏
  • エコモット株式会社代表取締役の入澤拓也氏
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  • エコモット株式会社代表取締役の入澤拓也氏
 また、「現場ロイド」というソリューションは、ロードヒーティングの技術を応用し、「建設現場の見える化」を可能にした。通信機能を持たない計測器などに通信をつけることにより、川の水位が警戒値を越えた時や地すべりを警報で知らせ、現場の作業員の安全対策にも役立っている。これらを含むエコモットの全ての技術は、国土交通省のイントラネット及びインターネットで運用されるデータベースシステム「新技術活用システム(NETIS)」に登録されている。

 今一番力を入れているのは「Pdrive関連事業」で、運転状況を見える化し、事故を削減するソリューションだ。1件の重大な事故の背景には29の軽微な事故とさらにその背景に300のヒヤリハットがあるという、ハインリッヒの法則になぞらえて解説をする。

 「2013年の国内の交通事故者数は4,373人、北海道では約200人の方が亡くなりました。300件のヒヤリハットを見える化し、それを教育指導することで事故率を下げようというのがPdriveのソリューションです。通信機能がついたドライブレコーダーを車に搭載し、情報をサーバーに送り、遠隔でモニタリングする。加速度センサーを付けることで危険度が高い急ブレーキ、急ハンドルといった一瞬の映像を動画で送ることで、会社が社員に注意をすることができます。動画を見せて怒るので、とてもわかりやすい。見られている感もあるので、同じことは繰り返さない」

 スライドでは、エゾシカをよけようとして急ブレーキを踏んだ時に記録された画像も紹介された。ものづくりがしたくて起業したという入澤氏にとって、ドライブレコーダーや加速度センサー、GPSといった端末も自社の工場で作っているというのは、嬉しいことの一つだという。

 その他にも、ソーラー発電所の監視、電力のモニタリング、高速道路の橋の維持管理、橋梁のひずみ計測、農業の温度管理、エゾシカの捕獲にも自社の技術を活用している。人の安全を守るため、危険な場所に設置されることも多いだけに「海象観測のために防波堤に高画質遠隔カメラを設置しましたが、波にさらわれてしまったという事もありました(笑)」とも。

 今まで見えなかったものが見える化することで、価値を生むというのは非常に難しいが、IoT化は、命を守ったり、生活を豊かにすることもでき、社会のインフラであると入澤氏は考えている。最後に作りたい未来について、思いを語った。

「いま私がやりたい事は、あらゆる山や道路で土砂崩れや地すべりの危険を察知し、警鐘すること。こういうセンサーは高いので、簡単で安価に何か知らせることができないかと思っています。また、あらゆる港にはソーラー式の緊急地震パトライトをつけたい。海や川の水門は遠隔で操作でき、非常時の出勤は必要なく、携帯電話から簡単に操作ができる。無駄なガソリンを使わない、あらゆる車輌のモバイル化で交通事故を無くす、ということも考えています」

 会場からは、土砂災害への具体的な対策についてや、北海道の一次産業へのモバイル活用の可能性についても質問があった。身近なものだけに、モバイルの力で世の中はどこまで変わるか、期待したい。
《RBB TODAY》
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