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【MWC 2015 Vol.44】広がるFirefox OSのエコシステムとは……Mozillaプレジデント・Gong氏インタビュー

エンタープライズ ソフトウェア・サービス
Mozilla Corporationのプレジデント Li Gong氏
  • Mozilla Corporationのプレジデント Li Gong氏
  • MozillaがMWC 2015に出展するブース
  • フィリピンのCherry Mobileから発売された22.50米ドル相当の端末「ACE」
  • パナソニックが春に発売を予定している4KテレビのスマートプラットフォームにもFirefox OSが採用される。北米に続いて欧州での発売も決定した
  • Firefox OS搭載のスマートウォッチのプロトタイプ
  • 米国のスタートアップ企業、MatchstickのHDMIストリーミング端末「Matchstick」もFirefox OSを搭載する
  • MWC開催期間中に発行されるフリーペーパー「MOBILE WORLD DAILY」の開催初日1面にMozillaの取り組みが掲載された
--- ブースにはスマートウォッチのプロトタイプも展示されています。

リー氏:はい。今回のブースではタブレットへの展開モデルであったり、スマートウォッチなどウェアラブルにもシームレスなユーザー体験を提供できるオペレーティングシステムであることを紹介するスペースを設けています。

 ウェアラブルはWoT(Web of Things)に注力するMozillaが、いま特に高い関心を寄せているカテゴリーです。なぜなら、ウェアラブルはいま新たに台頭してきているカテゴリーであり、そこにはまだ成熟した絶対的なストロングプレーヤーと呼べるプラットフォーマーがいません。Firefox OSがリードしていくことのできる分野と捉えています。

 ウェアラブルに進出するためには、搭載機器によるスムーズな連携を実現する必要があります。他のOSの場合、スマートウォッチを例に挙げれば、同じOSを搭載する機器どうしでなければ連携機能を活用することができません。同じOS環境にユーザーを囲い込む戦略ですが、メーカーやプラットフォームを越えて“いちばん良い、気に入った製品”を使いたいと考えるユーザーにとっては、様々な機器との互換性が得られないため使いにくい部分も出てきてしまいます。その点で、オープンなプラットフォームであるFirefox OSが特性を活かすことができます。Firefox OSの特徴に関心を持つ多くのウェアラブル端末メーカーから声をかけていただいています。またオープンなプラットフォームの優位性をベースに、例えばスタートアップ系の企業などから従来の発想の延長線上から出てくることのない、全く新しい製品が今後生まれる可能性も高いと考えています。

--- 日本市場についてはどのように感じていますか。

リー氏:当然ながら日本市場には高い関心を抱いています。KDDIやパナソニックをはじめ、日本の主要企業とパートナー関係を持たせていただいており、協力体制をより深めていく考えです。日本は高度な先進国ですが、特に一般のコンシューマーが先進的な製品やサービスに対する感度が高いという点で、他の先進諸国と異なった地域性があります。日本市場ではFirefox OSに対するどんな期待感があるのか、より理解を深めるための体制づくりにも力を入れていきたいと思っています。

 一例として、日本では折り畳み型のクラムシェル型携帯電話が人気と聞いています。MozillaではMWCの開催に合わせて、KDDIやLG U+、テレフォニカ、ベライゾンとともに新しい種類の、より直感的で使いやすいFirefox OS搭載携帯電話を開発していく計画を発表しました。スマートフォンのデザインには色々なものがありますが、安定したニーズのあるクラムシェル型も含めて、携帯電話にとって最も良い形を模索しながら日本市場に響く提案をパートナー企業とともに実現していきます。

--- 今年もFirefox OSの成長に期待感を持っていますか。

リー氏:もちろんです。現在もFirefox OSをめぐって、色々エキサイティングな出来事が起きています。その一つとしてご紹介したいのが、パートナーであるOrangeがFirefox OSをベースにアフリカなどの地域で提供するサービスです。その内容は、Firefox OS搭載のスマートフォンに加えて、6ヶ月間無料で利用できるデータ通信プランを「セットで40米ドル」という挑戦的な価格で提供するプランです。これはスマートフォンの発展途上国に向けたFirefox OSの展開において、新しいビジネスモデルのひとつとして定型化できる可能性を持った挑戦になるのはないでしょうか。

 こうしたFirefox OSをめぐる取り組みがMWCでも非常に注目されていることに感謝しています。イベントの開催期間中、デイリーで発行されるフリーマガジン「MOBILE WORLD DAILY」の、開催初日号のトップスペースは非常に獲得することが難しいと言われていますが、Firefox OSは4年連続でトップに掲載いただきました。これからも魅力的な提案を実現しながら、Firefox OSのエコシステム拡大に全力で取り組んでいきたいと思います。
《山本 敦》
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