1兆の500乗のパターンから瞬時に正解を導く……日立が新型半導体コンピュータを開発
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自然や生物に備わる現象、交通渋滞の解消、次世代電力送電網の構築など、大規模・複雑な状況を解明するには、「組み合わせ最適化問題」の解決が必須となる。最適化問題に対応できるコンピュータとしては、「量子アニーリング」を用い、超並列計算が可能な量子コンピュータが注目されてきたが、極低温にまで冷却する装置や超伝導素子などが必要なため、大規模化が困難だった。
今回日立は、磁性体の振る舞い(イジングモデル)を利用した新型コンピュータを開発。従来型の半導体コンピュータのため、量子コンピュータのような大規模な冷却装置は不要で、室温で動作するとのこと。半導体を並列化することで、超並列計算も可能だ。
実証実験では、システムが室温で動作することを確認するとともに、現在の量子コンピュータのパラメータ数(512)の40倍となる20,480パラメータの大規模な組み合わせ最適化問題を、数ミリ秒で解決した。また従来コンピュータを用いて解く場合と比較して、電力効率約1,800倍を実現することを実証したとのこと。今後、最先端の半導体プロセス(14nm)を利用することで、1,600万パラメータに対応するチップに大規模化することも可能とみられている。