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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第60回 iPhone 6/6 Plusファーストインプレッション……貫かれたアイデンティティ

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購入待ちの人たちでごった返す、東京・銀座のアップルストア
  • 購入待ちの人たちでごった返す、東京・銀座のアップルストア
  • 左からiPhone 6、iPhone 6 Plus
  • iPhone 6 Plusは画面を横向きにでも利用できる
  • ディスプレイ面からサイドフレーム接合部の丸みが見事にツライチで美しい
  • 背面はスチール素材を感触良く仕上げている
  • ホームボタンをダブルタッチで画面が半分下がって来る。これによって片手操作も可能になる
  • iPhone 6はこれまでのiPhoneデザインと一貫性がないという声も聞こえるが、じつは初代iPhoneのDNAを継承しているのではないか(写真は2007年発売の初代iPhone)
  • 2007年発売の初代iPhoneは、背面がスチール素材で、仕上げ方も今回のiPhone 6によく似ている。周囲に丸みを持たせているところも初代に通じている
 iPhone 6/6 Plusの端末クオリティの高さは文面で説明するにはどうしても限界がある。こればかりは実端末を触っていただかないと伝えることは難しそうだ。それでも少々極端な例えをするとすれば、たとえば自動車を見た場合、国産車と輸入車ぐらいの違いがあるというと分かりやすいだろうか。決して国産車を卑下するわけではないが、テレビコマーシャルを見る限り国産車も輸入車も、見た目はそれほど違いが感じられない。しかし、実際に車両に乗ってみると、国産車は言ってみればテレビコマーシャル通りなのだが、輸入車はカタログや動画画像だけでは伝えられない、触ってみて、運転してみて分かる質感や満足感が得られるものが多い(その分、高価になるのだが)。また、モデルチェンジのたびに大きくデザインの意匠が変わってしまう国産車に対して、輸入車はモデルチェンジしても、そのメーカーの自動車であることが一目で分かる一貫したアイデンティティがある。これがiPhoneでも言えるような気がする。iPhoneのアイデンティティについては、また後述する。

 すでに各キャリアの店舗や量販店には実機も並び始めると思うので、実際に手に取って一段と質感が向上したiPhoneをまずは体感していただきたいものだ。


■とくにカメラ機能は一段と楽しめるようになった

 まだ入手してからわずかな時間しか端末に触れていないが、端末サイズを大きくしたという外観上の特徴のほか、やはり基本的なスペックも確実に向上させていることを感じる。

 まずカメラ機能だが、iPhone 5sのカメラ機能も十分にクオリティも高く、必要充分な機能が備えられていたが、iPhone 6/6 Plusでは、もはや「カメラ/動画撮影機能を本格的に楽しめる」ほどのスペックと機能を備えるに至っている。たとえば静止画撮影の際に、ピントを合わせるAF(オートフォーカス)速度が確実に向上している。体感的には、iPhone 5sの倍ぐらいのスピードで焦点が合うようになった。また、そこでシャッターを切る前に指でディスプレイ面を上下になぞると、被写体の明るさの調整もできるようになった。たとえば背景と被写体で明るさが極端に異なるような被写体の場合、背景に露出が合ってしまって肝心な被写体が明るく飛んでしまうようなシチュエーションでも、この機能を使えば適切な明るさで撮影が可能になる。

 光学式の手ぶれ防止機能は、ジャイロスコープも用いることで一段と性能向上させている。iPhone 5sとの差は、たとえばパノラマ撮影した際に、これまでは手ぶれで撮影画像に上下のぶれが見られることがあったが、iPhone 6/6 Plusでは上下にずれの無い美しいパノラマ画像が撮影できる。さらに手ぶれ補正は動作撮影でも有効で、歩きながら動画撮影するというようなシチュエーションでも、まるでムービー用三脚を用いて移動しながら撮影したかのような映像を手持ちで撮ることができる。

 また本体内側に備えられているFaceTimeカメラ(インカメラ)もレンズの明るさはF2.2相当となり、HDRにも対応し、自画取りが一段と楽しめるようになった。もちろん、動画撮影にも対応している。撮影後、画像をプレビューした際には、そのまますぐに画像編集、画像加工に移れるようになっている。

 ディスプレイ表示自体も、アップルがMacやiPadで採用してきたRatinaディスプレイをいよいよiPhoneにも搭載してきただけあって、iPhone 5sよりもさらに美しい画像や動画を表示できるようになった。これはコントラスト比が一段と高まったこと(黒い部分はより黒く、白い部分はより鮮やかに)に加え、ディスプレイ視野角が従来のディスプレイ比で2倍に向上したことにもよる。つまりディスプレイ真正面からだけではなく、iPhoneの左右からでもディスプレイが見える角度がより広がったことで、どの角度から見てもディスプレイが華やかに感じられるのである。視野角の向上は、周囲の人にディスプレイを覗かれることを懸念するわが国のユーザーの場合、あまりありがたいことではないのかもしれないが。

《木暮祐一》
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