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【木暮祐一のモバイルウォッチ】第56回 au網を使ったMVNO、ケイ・オプティコムの「mineo」をレビュー Part2

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木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有。
  • 木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有。
  • DVDレンタル大手「ゲオ」は北海道から沖縄まで全国に1,000店舗以上を展開しており、とくに中古スマホの取り扱いにも熱心
  • ゲオではスマホ買取を強化している。mineoを使うには、2013年秋モデル以降のauスマホや、au版iPhone 5s/5cが良い
  • b-mobile「WiFi3」は4G LTE対応のSIMフリーモバイルWi-Fiルーター。auのネットワークでも利用可能
  • WiFi3をWi-Fi経由でPCに接続し、ブラウザからアクセスポイントの設定を行う。アクセス先はAndroidスマホで設定する内容と同じでOK
  • 筆者の大学構内でWiFi3経由でPC接続し、通信速度チェック。実利用には問題ないレベルの速度だ
  • iOS端末の場合は、Wi-Fiなどでネット接続した上で、safariから「http://mineo.jp/apn/mineo.mobileconfig」にアクセス
  • SIMフリーAndoid端末の場合、「設定」→「その他」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」で、mineoに接続するための新規APNを設定する
■どういうところで中古端末を入手するか

 mineoを活用するには、どのように端末を入手するのが良いのだろう。前述の通り、auは他の通信キャリアとは3Gにおいて異なる通信方式を採用していることと、auがメインで利用する4G LTE網の周波数帯域がプラチナバンドをメインにしているということで、エリアの広さや使い勝手(電波の回り込みなど)では有利なものの、対応端末が少ないというのがネック。

 まず考えられるのは、auを利用している家族の使っていた端末を使いまわす方法。魅力的な端末が次々に登場するたびに、新たな端末に買い換えるユーザーも少なくないだろう。機種変更して不要になった端末を、mineoのSIMを利用してサブ端末として使うのもいいかもしれない。

 また、auをメインに使っているユーザーの中で、毎月のデータ通信量が上限を超えてしまうというユーザーも居るだろう。そうしたユーザーが、上限を超えたときに高速データ通信を補完する手段としてmineoを使うという手もあるかもしれない。

 中古スマホを取り扱うショップも増えてきた。東京・秋葉原や大阪・日本橋あたりに行けば、中古スマホを扱うショップが山ほどあるが、地方都市ではどのようなところで入手するのが良いのだろう。じつは地方では、全国チェーン展開しているDVDレンタル大手「ゲオ」などで、中古スマホを取り扱っている。同社ではスマホの買取強化も行っているほど、中古端末販売に力を入れている上、陳列している商品棚を見るといつ発売開始された端末なのかを明記しているので、auのプラチナバンドLTE網を有効に活用するなら、2013年秋以降発売のスマホを狙うべし。

 このほか、mineoをモバイルWi-Fiルーターで使うということも考えられそう。たとえば、b-mobileの「WiFi3」モバイルルーターはSIMフリーの上、じつはauのLTEバンドにも対応している。b-mobile自体はNTTドコモのネットワークを利用したMVNOであるが、都心部はともあれ、山間部などの限界域に行くとNTTドコモとauでは通信可能エリアがずいぶんと異なっている(これは次回の記事で詳細を説明したい)。NTTドコモのSIMカードで通信できなくても、mineoに差し替えれば通信できるといったシチュエーションが少なくなかった。このようにSIMフリーのモバイルWi-Fiルーターで、複数のSIMカードを使い分けるという使い方もいざというときに役立つ。


 以上、2回にわたってauの4G LTE網を使ったMVNOサービス「mineo」のレビューをお届けしてきたが、率直な感想は、都市部ではどの通信キャリアも通信エリアを十分に充実させているので、それほど大きな違いは出ない。あえてmineoのメリットを見出すとすれば、NTTドコモおよび同社のMVNOユーザー数に比べれば、まだまだauやmineoを使うユーザー数のほうが少ないこと。ユーザーが少なければネットワークは空いているわけであり、ネットワークが空いている分快適に利用できるということになる。とくにauのプラチナバンド帯のLTE端末を利用しているユーザーはまだ限られていることもあり、その分有利に快適に利用できるということであろう。

 そして端末やネットワークの評価はどうしても都市部ばかりで行われるが、今回mineo端末を持って青森県内各所を回り、電波状況やデータ通信速度計測などを行った。じつは意外にも郊外の通信エリア、それも山間部のギリギリ電波が届くような限界域での電波状況で、各通信キャリアの違いが見えてきた。

 地方に行くほどNTTドコモが絶大なるブランド力を持っており、NTTドコモに勝る通信キャリアは無いと考えているユーザーが大多数なのだが、(青森県でもそんな印象だ)、じつはauのLTEが相当頑張ってエリア拡張を行っていることを体感することができた。

 mineoのレビューはこのPart.2を持って終わらせるのだが、mineoを持って青森県の山間部各所で電測した結果が非常に興味深かったので、次回ではもう一度この誌面をいただき、山間部の境界域でNTTドコモとauのネットワークのエリア比較を報告したいと思う。
《木暮祐一》
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