【本気の瞬間を聞く Vol.1】アートディレクター秋山具義……あなたはなぜその仕事するのか 3ページ目 | RBB TODAY
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【本気の瞬間を聞く Vol.1】アートディレクター秋山具義……あなたはなぜその仕事するのか

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秋山具義氏
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--- では、チームでお仕事されるときに、結束を高めるためにしていることはありますか?

秋山:打ち合わせのときに面白いことを言う。何回も仕事したことあるおなじみの人とは、打ち合わせの半分くらいがね、関係ないくだらないこととかを話してて。そういうのが大事なんですよね。それで盛り上がったり、意外と新しいアイデアが出たりする。たとえば、そのスタッフの中の突っ込みやすい人をいじって面白くしたりとか。

--- 会議の最初は本題に入らない、みたいな感じなんですか?

秋山:そのときどきですね。本題に入ってるときでも全然脱線するし、その辺は阿吽の呼吸とかいろんなバランスがあるから。たとえば新入社員がそれやると墓穴を掘る(笑)。やっぱり経験がないとね。

--- 話題としてはどういう種類のものが多いんですか?

秋山:まあ時事ネタが多いんじゃないですか。世間で話題の政治家や芸能人とかね。映画の『渇き。』がすごかったね、とか。それが何かのきっかけで本題とつながったりするんです。

--- 具義さんの「ここぞの瞬間」というような、切り替えスイッチが入るような勝負時間ってどういうときですか?

秋山:もちろんプレゼンの前は勝負時間ですね。あとは、企画を決めるときとか、スタッフで案出しをするときとか。あとは、意外と地味なんですけど、入稿直前と校了直前。文字間とか細かく見て、デザイナーに指示を出して直すんですけど、そこは結構大事。ずっと集中してると疲れちゃうんで、逆に言うとそれまでの間はちょっとゆるくしてるんですが、力を入れるときはそことそこ、ってだいたい決めてますね。

--- そういう勝負時間のときに習慣にしていることはありますか?

秋山:スタッフがいる部屋を離れて、ドアを閉めて一人でもう1回良いか悪いか考えるんです。最終のことを決めるのは別の部屋で1人で。

--- 具義さんにとって「こういう人とは仕事がやりやすい」っていうのはどういう人ですか?

秋山:視野の広い人。サッカーに例えるとディフェンダー的な要素の強いミッドフィルダーのような動きができる人。僕が想定している人は制作営業の人なんですけど、クライアントのニーズとクリエイターの思いとのバランスを取って、良いパス出してくる、みたいな人がいい。クライアントの言ってることをそのまま伝えてくる人もいるんですけど、そういうのが一番クリエイティブ側が反感を持つタイプですね(笑)。だったらクライアントに直接聞けばいいわけで。「いなくていい、時間がかかるだけだ!」みたいな(笑)。

 サッカーを観てると、姿勢が良くて、確実に皆の動きを見てパス出してる人とそうじゃない人っているじゃないですか。前方が見えるのは当たり前だけど、ちょっと後ろまで見える視野で仕事ができる人が、やっぱりどこの業界でも大事なんじゃないですか。

--- では、お仕事をされていて一番グッとくるときはどういうときでしょうか?

秋山:予想以上に効果があったり売れたりして、世の中を動かすとき。とくに、広告だけじゃなくてパッケージまで関わってるときが一番やりがいがあるというか、世の中を動かした感がありますね。たとえば「マルちゃん正麺」はパッケージと広告を担当したんですけど、袋麺自体が停滞していたところで、もちろん東洋水産さんの技術と美味しさがあったというのは前提としてありつつも、火をつけるきっかけになれた。そこから他社さんも追随してきました。そういう仕事ができるとすごく「やった感」がありますね。
《奥 麻里奈》
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