【木暮祐一のモバイルウォッチ】第47回 ドコモ新料金プランは得なのか? | RBB TODAY

【木暮祐一のモバイルウォッチ】第47回 ドコモ新料金プランは得なのか?

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木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有。
  • 木暮祐一氏。青森公立大学 准教授/博士(工学)、モバイル研究家として活躍し、モバイル学会の副会長も務める。1000台を超える携帯コレクションを保有。
  • 筆者のメインスマートフォンの請求明細(2014年3月分)
  • (図1)1人で1台のスマートフォンを使う場合
  • (図2)1人でスマートフォンとタブレットを併用する場合
  • (図3)夫婦で使う場合など、2台のスマートフォンを利用している場合
  • (図4)スマートフォン2台とタブレットが1台という3台利用の場合
  • (図5)夫婦2人でスマートフォンを利用し、11年目という長期ユーザーの場合
  • (図6)家族が3人(うち1人は25歳以下)でスマートフォンを使っている場合
 NTTドコモが10日、6月から利用可能となる新料金プランを発表した。わが国の携帯電話史に残りそうな大きな料金プランの見直しというのがこれまでいくつかあったが、今回NTTドコモが発表した新料金プランもそれくらいのインパクトがある内容だ。

 音声通話というのは、1対1のユーザーが電話回線網を占有する(回線交換方式と呼ばれてきた)。したがって、インフラをユーザーが占有した時間に応じて料金を課金する従量制というのが常識とされてきた。ところが、昨今は多数のユーザーが同時にネットワークを共有できるパケット通信網を通したデータ通信が普及した上、高速大容量通信可能なLTEネットワークも十分に普及してきたため、データ通信によって通話するサービス(いわゆる無料通話アプリ)も増えてきた。3G時代のデータ通信では通話品質が不十分であったため、通話アプリを使うケースは少なかったが、LTEになってからは通話アプリを併用するというユーザーも増えているはずだ。

 一方で音声通話用の通信設備は通信キャリアにとっては設備投資や維持にも費用がかかるため、十分な速度のデータ通信が可能なLTEネットワークが充実していったら、いずれ音声通話もデータ通信に乗せてやり取りするVoice over LTE(VoLTE=ボルテと呼ばれている)に移行していくというのが世界的な流れだろうとされてきた。従来の回線交換による電話設備を不要とするため、VoLTEが利用されるようになれば、通話料をパケット通信料に含めることも可能になるので、いずれ音声通話も定額化されるであろうと考えられたが、今回NTTドコモはVoLTEへの移行を踏まえて料金プランだけを前倒しで発表してきたことになる。

 さらに新料金プランでは、家族でパケット通信料を分け合える仕組みを導入した。1999年のiモード登場以降、「パケット」という言葉が広く認知されるようになったが、従来の2G、3G時代のデータ通信料は、「パケット」という単位を用い、1パケット=128バイトのデータ量として1パケットあたり0.2~0.3円といった通信料が設定されていた。2003年にはパケット定額制料金制度が導入され、データ量を意識せずに通信することが当たり前にになっていった。しかし、LTEサービス(NTTドコモではXiという名称でスタートした)登場以降は、上限(月間7GB)を設けた定額制料金制度に変わっていった。大半のユーザーは7GBの通信量に納まるはずなのだが、それを超えて利用する場合は通信速度を落とされるか、あるいは追加料金を払って通信することとなった。いわゆる定額制が当たり前になっていたデータ通信料が、再び従量課金(段階的ではあるが)に逆戻りしたことになった。

 そしてスマートフォン全盛となった現在、個々のユーザーが利用するデータ通信量は一段と増加をたどった一方で、依然としてあまりデータ通信を使わないユーザーも少なくなく、まるで“現代の基本使用料”といえるような使っても使わなくても毎月5,700円程度の定額データ通信料が徴収される昨今において、じつは通信料で損をしているユーザーも多いとみられ、ここに着目して新料金プランが考案されたものとみている。

 とはいえ、毎月使っている自身の通信のデータ量がどの程度なのか把握しているユーザーはどれほどいるのだろう。これは電話料金内訳明細書(毎月送られてくる請求書)や、Webでも確認ができる(写真)。

 かつてはパケット単位のデータ量しか記載されていなかったが、現在は各キャリアともパケットとGB単位での表記を併用するようになって分かりやすくなった。ちなみに筆者の場合、スマートフォンの利用はメールとソーシャルネットワークの活用のほか、撮影した画像をファイル共有のためアップロードしたり、会議の席上ではテザリングでPCのデータ通信モデム代わりに利用したりするが、それでも2014年3月の利用内訳では2.8GB、多い月でも3.2GBだった。動画をあまり使用しなければ、これぐらいのデータ量でまかなえているようだ。さらにサブ端末として使っているスマートフォンやタブレットは1GBを切る状況。ということは、7GBが上限とはいえ、毎月の5,700円のデータ通信料はちょっと払いすぎのように感じる。

 今回のNTTドコモの新料金プランでは、利用するパケット料金をGB単位で定められたパックを選定して利用する。しかも家族割を組んだ端末同士でそのデータ通信量をシェアできる内容となっている。通話定額料が含まれたため基本使用料が若干高くなり、しかもデータ通信料の設定も複雑で、1台しか使っていないユーザーにとっては微妙に値上げのようにも受け取れる料金設定となっているが、複数台の端末を使い分けるユーザーや、家族みんなでNTTドコモを使っているようなケースでは、使い方によっては毎月の電話料金を抑えることも可能そうだ。さらに注目したいことは、長期利用しているユーザーへの優遇策(利用期間に応じた割引)も盛り込まれた内容となっている。

 新料金プランの概要や、一部シミュレーションはすでにRBB TODAYでも4月14日に報じているところだが、こちらでも改めて、複数の利用ケースに応じて現行プランと新料金プランの比較をしてみたい。なお、現行プランのほうは、1日3分の通話をする前提で算出した通話料金を加えた額としている。また提示した料金はすべて税抜、かつ2年契約の場合のもの。
《木暮祐一》

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